コラム
2014年冬季五輪開催地ソチのテロ情勢と滞在時の留意点
1.ソチ及びその周辺のテロ情勢ロシア政府は,ソチ五輪に向けて,国家反テロ委員会と五輪治安対策本部を中心に厳戒態勢を敷いており,大会の安全な開催に自信を見せています。しかし,ソチに近接する北コーカサス地方では,ダゲスタン共和国で2013年上半期だけで約40件のテロが発生しており,また,チェチェン武装組織「コーカサス首長国」がソチ五輪に向けたテロを予告していることから,ソチ及びその周辺のテロ情勢は,引き続き警戒を要する状況にあります。
2.現地でトラブルに巻き込まれないために
(1)民族・宗教問題,テロに関する言動は控えて下さい
現地の民族・宗教問題は非常に複雑であり,それがテロの背景にもなっているので,現地住民との接触の際は言動に注意が必要です。また,ソチ五輪に向けて,ロシア治安当局がテロに係わる動きに敏感になっているので,テロとの係わりを疑わせるような言動にも注意が必要です。
(2)不特定多数が集まる場所には長居しないで下さい
ロシアのテロ組織が日本人を直接ターゲットにすることはないとみられますが,公共施設や交通機関,集会,バザーなど,不特定多数が集まる場所を狙った無差別テロ(※)のほか,襲撃,誘拐事件などに日本人が巻き込まれる可能性は排除されません。
(※)2011年1月,モスクワのドモジェドボ空港で爆弾テロが発生。2013年10月,ボルゴグラードの路線バスで自爆テロが発生。
3.もしもテロに遭遇したら
ホテルなどで爆発に遭遇した場合は,現場や窓際には近づかず,屋内の保護区画に留まり,2発目以降の爆発に備えて下さい。屋外で爆発に遭遇した場合は,付近の建物に駆け込んで下さい。また,ホテルなどで襲撃に遭った場合は,速やかに部屋の鍵を閉め,床に伏せたりベッドの下に潜り込み,治安当局者や警備担当者への連絡を試みて下さい。
※ 現地情報については,我が国外務省が提供する「海外安全ホームページ」 や「各国・地域情勢」等もあわせて,御確認願います。