「新たな在留管理制度に関する提言」
| 5 市区町村との関係 | |
| (1) | 新たな在留管理制度における市区町村の役割 |
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新たな在留管理制度において,外国人は,居住地を,当該居住地の市区町村の長を経由して,法務大臣に届け出ることになる。この場合,市区町村の長が居住地の届出を受ける事務は,地方自治法第2条第9項第1号に規定する法定受託事務となるところ,当該法定受託事務は,「国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの」であって,地方分権を推進する観点から,できるだけ抑制されるべきである。 そこで,新たな在留管理制度における市区町村の役割(法定受託事務の範囲)は (1) 外国人が法務大臣に居住地を届け出る際の窓口となること(経由事務)
(2) 当該届出に伴い,届出に係る居住地情報の在留カードへの反映に関与すること
とすることが適当である。 |
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| (2) | 市区町村による情報の取得,保有及び利用(適法な在留外国人の台帳制度) |
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「住民の福祉の増進を図ることを基本として,地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」(地方自治法第1条の2)とされている市区町村にとって,住民に関する正確な記録を常に整備することは住民行政の基礎であり,行政サービスの提供を通じて住民の利便の増進を図る上で欠かせないものである。これらのことは外国人住民についてもいささかも変わるところがない。この点,地方自治法第13条の2は,「市町村は,別に法律の定めるところにより,その住民につき,住民たる地位に関する正確な記録を常に整備しておかなければならない。」と規定し,別に定める「法律」として,住民基本台帳法が制定されている。しかし,住民基本台帳法は外国人には適用されない。 そこで,現在,市区町村は,事実上,外国人登録を行った外国人を住民として把握し,外国人登録の情報を各種行政サービス提供の基礎として利用しているが,外国人登録制度と住民基本台帳制度はその趣旨及び目的が異なるため,市区町村が外国人住民に行政サービスを提供するに当たり支障が生じている。 この問題を解決するためには,市区町村において外国人住民に関する正確な記録が作成されるよう,「規制改革推進のための3か年計画」(平成19年6月22日閣議決定)が指摘する,住民基本台帳制度を参考とした「適法な在留外国人の台帳制度」を整備することが必要である(注11)。 上記台帳制度の整備に当たっては,以下で述べるように法務大臣から外国人の在留情報の提供を受けるほかに,戸籍に関する届出(例えば,死亡届)と連携を行い,正確な台帳が作成されるようにすべきである。 また,混合世帯の正確な把握のために,住民基本台帳制度と連携を行い,行政サービスの提供に支障が生じないようにすべきである。 (注11)「規制改革推進のための第2次答申」(平成19年12月25日規制改革会議決定)において,「「遅くとも平成21年通常国会までに関係法案提出」とされた措置に向け、内閣官房の調整の下、総務省及び法務省が当該台帳制度の基本構想を作成し、公表すべきである。【平成19年度措置】その上で、両省は、地方公共団体の意見を十分に考慮しつつ、適切かつ着実に当該台帳制度を整備すべきである。【遅くとも平成21年通常国会までに関係法案提出】」とされた。 |
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| (3) | 適法な在留外国人の台帳制度との連携の必要性 |
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法務大臣は,「適法な在留外国人の台帳制度」の重要性にかんがみ,新たな在留管理制度下で自らが保有する情報のうち,上記台帳に必要な情報(例えば,外国人の身分事項に関する情報,在留期間の更新等の許可の情報,出国の情報など)を市区町村に円滑に提供し,市区町村において正確な台帳が作成されるよう協力する。さらに,上記台帳制度と法務大臣との連携が図られれば,法務大臣が外国人の在留情報をより正確に把握することも可能となる。例えば,法務大臣は,後述する在留カードの返納によって,独自に外国人の死亡事実を把握することが可能であるが,返納すべき在留カードが失われた場合などには,死亡事実を把握できないことが想定される。そこで,上記台帳制度において,外国人の死亡事実が台帳に反映された場合に,当該台帳を保有する市区町村の長と法務大臣との連携を図ることで,法務大臣がより的確に外国人の死亡事実を把握することができる。 なお,在留管理上把握する必要性がないことから法務大臣に届け出られない情報で,市区町村にとっては住民行政の基礎とするために必要な情報(例えば,世帯情報)については,台帳制度において,市区町村が外国人本人から取得することが合理的である。 |
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| 6 在留カードの交付 | |
| (1) | 概要 |
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法務大臣は,上陸,在留期間の更新及び在留資格の変更等の許可に伴い,当該許可を受けた外国人に対し,在留カードを交付する。在留カードの有効期限は,原則として在留期限と一致する。 外国人は,在留カードを常に携帯し,入国審査官,入国警備官,警察官等の求めに応じて提示しなければならない。不法滞在者は,在留カードを持ち得ず,あるいは,有効期限の経過した無効な在留カードしか持っていないので,正規滞在者との違いが明らかになる。 |
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| (2) | 交付方法 |
| 以下の場面において交付することが想定される。なお,各交付の性格や諸外国の実情を踏まえ,外国人から手数料を徴収する可能性も検討すべきである。 | |
| (1) | 上陸した海空港において,上陸許可に伴い,在留カードを交付する。 |
| (2) | 地方入国管理局において,在留期間の更新,在留資格の変更,在留資格の取得,永住許可,在留特別許可に伴い,在留カードを交付する。 |
| (3) | 外国人は,紛失,盗難,滅失等により在留カードを失った場合には,その事実を知った日から一定期間内に,地方入国管理局に赴き,在留カードの再交付を申請しなければならない。 |
| (3) | 機能・体裁 |
| (1) | 在留カードは,外国人にとって,身分事項及び在留資格等を証明する重要な身分証明書となることから,その信用性を保護するため,最新の技術動向などを踏まえて,偽変造対策を十分講じることが必要である。例えば,旅券及び運転免許証と同様にICチップを登載することとする。 |
| (2) | 在留資格の類型ごとに在留カードの色を変えるなどして,事業主が,外国人を雇用するに際し,当該外国人が所持する在留カードを見れば,就労可能な外国人かどうか判断できるようにして,不法就労の防止を図ることを検討すべきである。 |
| (4) | 記載事項 |
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券面記載事項については,個人情報保護の要請,カード記載情報の正確性を維持する必要性,記載情報の変更によりカードの書き換えをしなければならない外国人の負担などにかんがみると,必要最小限にとどめることが望ましい。そこで,券面記載事項は,カード番号,氏名,生年月日,性別,国籍,許可の年月日(カードの交付年月日),在留資格,在留期限(カードの有効期限),居住地,顔写真とする。 なお,仮にICチップを登載することとした場合には,ICチップ登載情報については,券面記載事項と概ね同様とする。 |
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| (5) | 記載事項の変更 |
| (1) | 居住地以外の記載事項 |
| 外国人は,居住地以外の記載事項に変更が生じた場合,地方入国管理局に赴き,当該事項の変更の届出を行い,変更を反映した新たな在留カードの交付を受けることとする。 | |
| (2) | 居住地 |
| 外国人は,市区町村に居住地を届け出ることになるので,これに伴い,速やかに在留カードに居住地情報を反映させることが適当である。反映の方法については,偽変造防止の観点からも検討する必要がある。 | |
| (6) | 永住者の在留カード |
| 永住者の在留期間は無期限であるため,原則に従えば,在留カードの有効期限も無期限となるが,それでは,在留カードによる同一人性確認効果を維持できなくなる。そこで,永住者については,現行の外国人登録証明書の切替制度を参考にして,在留カードの有効期限が在留期限と一致する例外として,在留カードの有効期限を別に設定し,当該有効期限が経過するまでに,顔写真等を提出して在留カードを切り替える制度を設けることを検討すべきである。 | |
| (7) | 携帯義務等 |
| (1) | 携帯・提示義務 |
| 一定年齢(例えば,16歳)以上の者に在留カードの常時携帯義務及び提示義務を課す。在留カードを携帯すれば,旅券等の携帯義務(入管法第23条)を免除する。 | |
| (2) | 返納及び失効 |
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ア 在留カードの有効期限が経過したとき,在留資格の取消し又は退去強制令書の発付によって在留資格を失ったとき,外国人でなくなったとき,死亡したとき,新たな在留カードの交付を受けたときなどには,在留カードは失効する。
イ 在留カードが失効した場合,外国人又はその代理人は,当該カードを法務大臣に返納しなければならない。
ウ 在留カードの失効事実は関係機関に通知することとする。通知方法については,必要とする機関の範囲や個人情報保護の要請を考慮し,検討する必要がある。 |
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| (8) | 罰則等 |
| (1) | 罰則 |
| 在留カード制度の実効性を担保するため,常時携帯・提示義務違反,再交付申請義務違反,返納義務違反,切替義務違反のほか,在留カードの譲渡や貸与等不正利用行為に対する罰則を整備する。 | |
| (2) | 上記違反行為については,在留期間の更新等の在留審査において考慮するなど入管行政上厳格な対応をすることとする。 |
| 7 所属機関から法務大臣への情報提供 | |||||||||
| (1) | 概要 | ||||||||
| 法務大臣は,外国人の所属機関から当該外国人に関する情報の提供を受け,外国人が法務大臣に届け出た情報と照合するなどして,外国人の在留情報を正確に把握できるようにする。 | |||||||||
| (2) | 各論 | ||||||||
| (1) | 外国人を雇用している機関 | ||||||||
| 平成19年10月から施行されている改正雇用対策法により,外国人を雇用する事業主は,厚生労働大臣に外国人労働者の雇用状況に係る情報を届け出なければならず,厚生労働大臣は,法務大臣から,入管法又は外登法に定める事務の処理に関し,外国人の在留に関する事項の確認のための求めがあったときは,当該情報を提供するという枠組みができている。 | |||||||||
| (2) | 留学生及び就学生が学ぶ教育機関 | ||||||||
世界中で留学生の獲得競争が進む中,優秀な留学生を積極的に受け入れるためには,留学生及び就学生が教育を受けようとする教育機関において適切な在籍管理が行われることが必要である。当該教育機関は,法務大臣に対し,受け入れた留・就学生の在籍状況について情報を提供することとし,適切な在籍管理を行うことができない教育機関については,外国人の受入れを認めないなどの厳格な措置が必要である。
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| (3) | 研修生が所属する機関 | ||||||||
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研修制度においては,研修生が労働者として扱われることなく適正に研修が実施されることが重要である。そのためには,受入れ体制の整備,研修内容の確保等の研修実施体制が備わっていることが必要である。 研修実施機関についても教育機関と同様,法務大臣に対し,研修生受入れ先の変更,研修生の失踪その他の研修の実施状況に係る問題が発生したことについての情報を提供することとし,適切に研修を行うことができない研修実施機関については,外国人の受入れを認めないなどの厳格な措置が必要である(注13)。情報提供の方法については,教育機関同様,インターネット等を利用した方法を可能とすることを検討すべきである。 なお,研修・技能実習制度については,現在,政府において見直しを検討中であり,同見直しを注視することとしたい。 (注13)「規制改革推進のための3か年計画」(平成19年6月22日閣議決定)において,「使用者以外の受入れ機関等に対する責任の明確化」として「(出入国管理及び難民認定法の関連法令への)格上げに当たっては、先述(1)(3)イの外国人雇用状況報告の対象とならない雇用関係のない者(研修生等)も含むべきであり、不適正な事案が判明した場合の対処、資格ごとに異なると考えられる徴求事項への対応を可能とする随時照会・回答といった手法についても規定すべきである。」とある。 |
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| (4) | その他の所属機関(外国人が経営する一人会社も含む。) | ||||||||
| これらの所属機関については,法務大臣が,必要に応じて所属する外国人に関して照会を行うことができる(所属機関は回答義務を負う)ようにする。 | |||||||||
| (5) | 履行担保の方法 | ||||||||
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ア 法務大臣は,所属機関における在籍,研修実施状況等につき,調査の必要があると認めるときは,職員に事実の調査をさせることができることとする。調査の方法としては,例えば,所属機関その他の関係人に対して出頭を求め,質問をし又は文書の提出を求めること,公務所又は公私の団体に照会することとする。
イ 情報提供をしなかった機関又は虚偽の情報提供をした機関は,外国人の受入れ機関としての適格性に欠けることから,新たに外国人が当該機関を所属機関として申請してきた際に,当該外国人の受入れを認めないといった入管行政上の対応をすることが考えられる。 |
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| 8 | 行政機関による情報の相互照会・提供 |
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既に述べたとおり,改正雇用対策法により,厚生労働大臣は,法務大臣から,入管法又は外登法に定める事務の処理に関し,外国人の在留に関する事項の確認のための求めがあったときは,外国人労働者の雇用状況に係る情報を提供するという枠組みができ,同法に従って適正な運用がなされることが望まれる。 その他に,いかなる行政機関が,他のいかなる行政機関が保有する,いかなる範囲の外国人に関する情報を必要とし,いかなる方法で情報提供を行うかについては,行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(以下「行政機関個人情報保護法」という。)に則って関係行政機関により検討が進められることが望まれる。 |
| 9 | 法務大臣による情報の保有及び利用の在り方 |
| 法務大臣による情報の保有及び利用は,行政機関個人情報保護法に従って,適切に行われなければならない。 |
| (1) | 法務大臣による情報の保有の在り方 | ||||||||||||
| (1) | 在留情報の正確性の確保 | ||||||||||||
| 法務大臣は,行政機関個人情報保護法に基づき,利用目的の達成に必要な範囲内で,保有個人情報の正確性を確保する措置を講ずるよう努めなければならない。 | |||||||||||||
| (2) | 在留情報の開示請求等 | ||||||||||||
| 法務大臣は,外国人から自己を本人とする在留情報に関する開示,訂
正及び利用停止の請求があった場合には,行政機関個人情報保護法に基
づいて対応する(注14)。
(注14)基本的身分事項,在留資格,在留期間,居住地については,在留カードにより証明することが可能である。一方,世帯単位で居住関係を明らかにしたい場合は,「適法な在留外国人の台帳制度」において証明書交付の規定が整備されれば,市区町村の長に対し,当該証明書の交付を請求することになろう。 |
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| (3) | 情報セキュリティ対策 | ||||||||||||
| 法務大臣は,行政機関個人情報保護法に基づき,外国人からの届出や所属機関・行政機関からの情報提供により取得した情報を保有するに当たり,漏えいや改ざん等を防止するために必要な措置を講じなければならない。 | |||||||||||||
| (2) | 法務大臣による情報の利用の在り方 | ||||||||||||
| (1) | 概要 | ||||||||||||
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新たな在留管理制度において法務大臣が取得する情報は,まず第一に,退去強制手続,在留資格の取消手続及び在留期間の更新等の在留審査において,十分に活用されるべきである。すなわち,在留期間の途中で判明した事情に基づき又はそれを端緒として,退去強制手続若しくは在留資格の取消手続を行い,又は,在留期間の更新等の在留審査において考慮することとする。 他方,在留期間の途中において,退去強制事由や在留資格の取消事由には該当しないものの,在留管理上適切と言えない活動状況が判明した場合には,的確な在留管理を行う必要から,これに対処する新たな制度を設けることを検討すべきである。 |
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| (2) | 各論 | ||||||||||||
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| 10 適法に在留する外国人の利便性の向上 | |
| (1) | 出入国管理行政における利便性の向上 |
| 法務大臣が外国人の在留状況を正確に把握する新たな在留管理体制が構築されることにより又はこれを前提にして,出入国管理行政において,適法に在留する外国人の利便性の向上を図る以下のような施策を検討すべきである。 | |
| (1) | 在留期間の上限の伸長 |
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現在,我が国における外国人の在留期間は概ね3年となっているところ,その在留状況が正確に把握でき,的確な在留管理を行うことが可能となること等から,一定の在留資格については,在留期間の上限を5年程度に引き上げることとする(注15)。
(注15)「規制改革推進のための3か年計画」(平成19年6月22日閣議決定)において,「不法残留者等の不法滞在者のみならず、正規の在留資格を有しながら本来の目的と異なる活動を行う偽装滞在者が社会問題化し、厳格な対応が求められている点について、在留資格取消し制度の運用状況が安定し、実態調査体制の整備状況も目途が立ちつつあることを勘案し、専門的・技術的分野の外国人労働者については、外国人の勤務先に一定の要件を設けるなどの措置も講じた上で、在留期間の上限を5年程度に引き上げるべきである。」とある。
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| (2) | 再入国許可制度の見直し |
| 上陸許可や在留期間の更新等の許可に伴い,在留カードの交付を受けた者については,現在以上に在留状況の正確な把握が可能となることから,原則として,これら許可とは別に許可を受けることなく一定期間内の再入国を可能とする。 | |
| (3) | 外国人の在籍する受入れ機関からの在留期間更新等の取次申請に対する手続の簡素化 |
| 法務大臣に対して,定期又は随時の情報提供を適切に行っている受入れ機関が取り次ぐ所属外国人に関する在留期間の更新等の申請については,提出書類の省略等手続の簡素化を行う。 | |
| (2) | その他の利便性の向上 |
| 出入国管理行政以外で,例えば以下のような利便性の向上が期待される。 | |
| (1) | 適法に在留する外国人の台帳制度の整備による行政サービスの向上 |
| 市区町村において,適法に在留する外国人の台帳制度が整備されれば,外国人住民に対して教育,医療,福祉等各種行政サービスが円滑に提供されることが期待される。また,同制度と住民基本台帳制度の連携により,混合世帯が実態に沿った形で正確に把握できるようになれば,混合世帯に対する児童手当の支給等各種行政サービスの提供が円滑に行われるようになることも期待される。 | |
| (2) | 各種分野における新たな外国人支援施策の促進 |
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法務大臣が正確に把握する情報や市区町村の長が上記台帳制度により把握する情報を活用することにより,現在,政府全体で進めている,日本語教育の充実,外国語による情報・サービスの提供等の外国人が暮らしやすい地域社会づくり,就学促進等の外国人の子供の教育の充実,外国人の労働環境の改善,社会保険の加入促進といった生活者としての外国人を支援する各種施策が推進されることが期待される(注16)。とりわけ,外国人の子供の就学促進は,外国人が将来に向かって我が国で安定的に生活していく上で非常に重要であることから,法務大臣も,在留期間の更新等において義務教育の年齢にある外国人の子供の不就学を知った場合には,市区町村と連携して不就学の解消に向けた対応を行うなど,外国人が生活しやすい環境の醸成に貢献することが望まれる。
(注16)「生活者としての外国人」に関する総合的対応策(平成18年12月25日,外国人労働者問題関係省庁連絡会議決定) |
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| (3) | 在留カードの身分証明書としての機能充実 |
| 在留カードは,国が適法に在留する外国人に対してのみ発行するものであり,外国人の身分・居住関係や在留の適法性を証明するものとして高い信用性を有することになる。そのため,金融機関における口座開設,店舗や住居の賃貸借契約その他生活の様々な場面で,身分証明書として在留カードの提示が求められることが予想され,そうなれば,外国人としては在留カードさえ持っていれば,身分証明が可能となり,我が国で生活していく上での利便性が向上すると思われる。 | |
| 11 | 特別永住者について |
| 特別永住者は,終戦前から我が国に引き続き居住し,我が国における定住性が高く,市区町村に住所を有する住民であることから,新たに,住民行政の基礎として,外国人住民の利便の増進を図る目的で整備される「適法な在留外国人の台帳制度」においては,その対象とされるべきである。 |
| 各種団体・関係者からの意見聴取結果(概要) |
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| 専門部会においては,新たな在留管理制度の在り方について検討するに当たり,在留外国人と関係がある各種団体・個人から幅広く意見を聴取し,各界の実情を把握する必要があるとの認識で一致した。そこで,(1)市区町村のうち,特に外国人が多く居住し,様々な問題に直面している外国人集住都市から,静岡県浜松市,岐阜県美濃加茂市及び群馬県大泉町の外国人学校,(2)外国人留学生の支援や教育に関わる団体として,日本学生支援機構,全国専修学校各種学校総連合会及び日本語教育振興協会,(3)外国人を雇用する企業の立場から,日本経済団体連合会,日本自動車部品工業会及び全国中小企業団体中央会,(4)労働者の立場から,日本労働組合総連合会及び全日本金属産業労働組合協議会,(5)法曹の立場から,日本弁護士連合会,(6)日本に在留している外国人の立場から,タイ人ボランティアグループ及び全日本中国留学生学友会,また,外国企業の立場から,在日米国商工会議所の合計15団体・関係者から意見を聴取した。以下,その概要を紹介する。 |
| 1 外国人集住都市 | |
| (1) | 静岡県浜松市 |
| (1) | 外国人労働者は高度人材に限定しているという建前と,国内での活動に制限のない「定住者」,「日本人の配偶者等」という在留資格により日系人の単純労働者を受け入れているという実態との矛盾がある。 |
| (2) | 在留資格の内容に変更(離婚により日本人又は日系人の配偶者でなくなった場合)があっても,付与された在留期限までは滞在できるのは問題である。 |
| (3) | 定住(長期滞在)の実態が外国人登録に反映されていない。 外国人の子供のうち,約2割が不就学と推定されていたことから,2004年7月から9月にかけて,浜松市に外国人登録をしている義務教育相当年齢にあたる外国人の子供1,899人について戸別訪問調査を実施したところ,そのうちの約2割にあたる368人が登録居住地から転出していた,登録居住地に居住を確認できない,あるいは出国していたことが判明した。 |
| (4) | 在留資格が「短期滞在」や「なし」であっても外国人登録をすることができる(登録証明書が発行される)ことは問題である。一般的には,登録証明書はイコール合法的滞在と解釈されているため,登録証明書を保持していることで雇用したり,民間住宅入居等の各サービスを享受することができ,結果的に不法就労,不法滞在を増加させている。 |
| (5) | 外国人登録制度には転出届がないため,国民健康保険証の回収ができず,医療機関から(転出前の市区町村へ)過誤請求が行なわれ,その結果,医療費の未集金が発生する。 転入先では国民健康保険や児童手当の手続が円滑にできない(児童手当の過払い)。市民税の未収が発生している。 |
| (6) | 再入国許可を受けて出国している間は外国人登録の住所の変更を行う必要はなく,入国管理局から市区町村に一時出国の情報は提供されない。これらの者は,居住実態のない外国人登録になっている。再度,日本に来ても,従前の住所地に戻らないことも多い。 |
| (7) | 外国人の氏名についてはパスポートと登録証明書では,順序が違うため,同一人と解釈されない等の誤解が生じやすい。 |
| (8) | 新たな在留管理制度としては,国籍,氏名,在留資格等の正確な身分記録は,国(入国管理局)が責任をもって管理し,住所移動・世帯移動等を把握する住民としての正確な記録は,市区町村が管理し,適正な行政サービスの提供等に役立てることが望ましい。 |
| (9) | 住民を把握する制度が,住民基本台帳と外国人登録の二つの制度に分かれているために,世帯等の把握に支障が生じている。特に日本人と外国人のいわゆる混合世帯においては,実際には,外国人が世帯主にも関わらず,住民基本台帳上は,日本人の配偶者又は子供が世帯主となっているので,国民健康保険,児童手当,就学等の個別事務において支障を来たしている。 |
| (2) | 岐阜県美濃加茂市(平成19年度外国人集住都市会議座長都市) |
| (1) | 外国人登録には転出届がなく,転出事実を即時に把握できないので,国民健康保険や児童手当等をただちに停止することができない。ただし,転出届を制度化しても,単身者については,国民健康保険や子どもの児童手当,就学等のサービスを受ける必要性が少ないことから,日本人でも学生が住所の変更を行わないのと同様に,転出届は出さないと思われる。解決策としては,例えば,雇用主等が責任をもって手続を行わせるようにする方法もあるのではないか。 |
| (2) | 外国人登録には,既婚・未婚の区別がなく,また,日本における婚姻の事実が本国に通知されることもないため,外国人同士の日本国内での婚姻は,何回でも繰り返すことが可能になっている。 |
| (3) | 外国人学校(日伯学園,群馬県大泉町職員の報告) |
| (1) | 町と外国人学校は極力連携をとる努力をしているが,制度上,教育委員会(町)とは一切関係がない。したがって,町として外国人学校に通う子供やその家族の情報について常時把握できるわけではない。 |
| (2) | 登録上の居住地と実態の乖離はあると思うが,詳細は分からない。外国人は,国民健康保険を使いたいとか運転免許を取得したいといった必要性がないと居住地の変更登録をしないという事情もあると思われる。 |
| (3) | 外国人の子供は,小学校までは何とかついていけるが,中学校にいくと,急に学習が難しくなりついていけなくなる子が多い様である。外国人学校に行った方がいい場合もある。高校まで進学するためには,本人や家族の意識と努力が必要である。教育内容に興味の無い親も多く,学校任せにしている。託児所が特に問題で,長時間預けることが大きな目的である親は,子供のしつけや生活指導をほとんどしていないので,マナーや基本的な生活習慣が確立されていない様である。 |
| 2 教育関係団体 | |
| (1) | 日本学生支援機構 |
| (1) | 在留管理制度の見直しは,在留外国人への行政サービスの向上,負担の軽減という観点から行うべきである。 |
| (2) | 現行行われている外国人学生の在籍状況等の入国管理局への報告を,関係法令へ格上げすることについては,異存はない。 |
| (3) | 在留情報把握の制度の一元化や在留カード(仮称)の発行に異存はないが,窓口が入国管理局になることで,申請者等の利便性が低下するのでは困る。 |
| (2) | 全国専修学校各種学校総連合会 |
| 在留情報把握の制度の一元化には反対ではないが,制度を変えるのであれば,留学生を受け入れる教育機関としても,留学生としても,公正で平等な制度にする必要がある。具体的には, | |
| (1) | 入国管理局の窓口はいつも混雑していて,審査に時間がかかるので,学校単位で 一括して代理で届け出るような仕組みを作ってほしい |
| (2) | 専門学校卒業生の就職の門戸をもっと拡げてほしい |
| といった要望がある。 | |
| (3) | 日本語教育振興協会 |
| (1) | 不法残留者を雇用することのないよう,雇用主に対し,外国人を雇用する際に在留資格を確認することを徹底させるための措置をお願いしたい。 |
| (2) | 日本語教育機関から,毎月,犯罪や所在不明等の発生状況の報告を求め,必要があれば指導するなどして,学生の管理を徹底させているが,入国管理局からの情報も必要であり,今後は,情報提供をお願いしたい。 |
| (3) | 就学生等が退学した場合,直ちに帰国させることができるような措置をとってほしい。 |
| (4) | 学生の在留資格は,「就学」と「留学」の2つに分かれているが,「就学」を「留学」に一本化してほしい。 |
| (5) | アルバイトの資格外活動許可について,留学生は1週間28時間以内,就学生は1日4時間以内となっているほか,夏休み中の取扱いについても差異がある。就学生についても,留学生と同じ扱いとしてほしい。 |
| (6) | 各国と競って優秀な学生を確保するために,在留資格認定証明書の交付申請等の審査期間を短縮してほしい。特に,不法残留の問題の少ない国等については,早急にお願いしたい。 |
| 3 経済・産業団体 | |
| (1) | 日本経済団体連合会 |
| 経団連の「外国人材受入問題に関する提言」(平成17年4月)及び「外国人材受入問題に関する第2次提言」(平成19年3月)において,在留管理・就労管理は重要課題のひとつと位置づけられている。 | |
| (1) | 外国人材を積極的に受入れていくためには,外国人が満足して働き,快適に生活できるようにすべきであり,その前提として,外国人が義務を履行,権利を享受し,適切かつ合法的に働くことのできる環境を整備する必要がある。 治安の悪化や地域社会でのトラブル増加といった懸念から外国人の受入れに不安があるため,これを払拭するために,外国人の在留・就労管理について法的・制度的な基盤整備を早急に進めることが重要課題の一つと考えている。 その際,制度の安定性や実効性を確保するために,外国人本人にとっても,外国人を雇用する事業者にとっても,各種登録・届出等の手続が過度な負担となることのないよう,簡素で効率的なものとするとともに,制度間の連携を図ってもらいたい。 |
| (2) | 改正雇用対策法の外国人雇用状況届出を出入国管理行政や,各地域での就労場所の把握,社会保険の加入徹底等に活用すべきである。同改正法施行に際しては,経団連として,会員企業に周知徹底を図っていくとともに,請負・派遣業者に働きかけを行っていきたい。 |
| (3) | 外国人登録制度を見直し,住民基本台帳制度(ネットワーク)との融合を図り,世帯単位での管理をすべきである。 |
| (4) | 外国人雇用状況届出や外国人登録,出入国管理の情報を相互に照会可能となるようにすべきである。これにより,外国人の居住状況をより的確に把握し,外国人に対する行政サービスの充実につながることが期待される。 改正雇用対策法にあるように,雇用状況届出と在留管理との連携は必要であると考える。必要に応じ,同様の規定を他法令にも拡充し,関係省庁間の情報共有と連携を図るべきである。 |
| (5) | また,転出届を義務付けるとともに,その実効性を確保するために,これらの遵守状況を在留期間更新等の審査等とリンクさせるという手法も有効ではないか。同時にこうした在留資格手続の審査基準のガイドライン化,許可・不許可事例の公表等を進め,手続の透明性の向上を図るべきである。 |
| (6) | 外国人が我が国で快適に働き,生活し,年限がきたら本国に戻るというローテーション型の外国人材受入れを進めていくべきである。その前提として,在留管理,企業の就労管理はきっちりと行い,外国人に対し,日本では不法就労はできないということを明らかにする社会基盤を作っていく必要がある。 |
| (2) | 日本自動車部品工業会(アイシン精機株式会社) |
| (1) | 現在,登録証明書は,携帯電話やアパートの契約,銀行口座の開設時に住民票の代わりとして使用され必要不可欠なものである。また,児童手当受給や公共施設利用時などにおいても身分証明書の代わりとして使われている。新たな在留管理制度において,在留カードを発行するようだが,これと従来の登録証明書との関係はどのようなものになるのか。 |
| (2) | 従来の登録証明書が持っていたメリットについては,在留カードに引き継がれるよう,手続きに関しては,従来よりも煩雑にならないよう配慮してもらいたい。また,申請者の利便性の向上についても検討してほしい。 |
| (3) | 全国中小企業団体中央会 |
| (1) | 入国管理局というと「取締り」のイメージが強く,市区町村は行政サービスの提供主体という色彩が強いという印象を持っている。今回の新たな在留管理制度では,入管に情報等を一元化し,取締りの強化ばかりが強調されている点が気がかりである。中小企業は地域社会に密着しており,在留情報について,外国人に対する市区町村の適切な行政サービスの充実につなげていくことが重要である。 |
| (2) | 住所情報について,どのようにしてその正確性を担保し,各自治体における行政サービスに活かしていくのかが一つの課題ではないか。行政サービスという点を考えるとき,まずは,各自治体が外国人の正確な住所を把握することが重要であり,仮に企業の側にそれを求めるのであれば,それは負担が大きく困難である。 |
| (3) | 研修・技能実習制度については,廃止するのでなく運用の適正化で対応し,制度を充実させていくべきである。悪質なブローカー等の制度悪用については,きちんと対処していくべき。団体監理型の廃止意見があるが,中小企業はこの仕組みがないとなかなか対応できない。 |
| 4 労働組合 | |
| (1) | 日本労働組合総連合会 |
| (1) | 外国人雇用状況届出制度により集めた情報を,法務省に提供することに懸念はあるが,人権・プライバシーに配慮した上で,在留管理に利用することまでは否定しない。事業主がいかに外国人であることを認識し,届出するのかは今後の課題としてとらえている。 |
| (2) | 改正雇用対策法による外国人雇用状況届出制度でも漏れてしまう人達がいる。日系人の多くが請負や派遣として働いているが,法律の施行により,届出義務から漏れる「一人親方」として働く日系人が増加することを懸念している。一人親方の扱いをどうするか,法務省のこの部会で検討する必要がある。 |
| (3) | 就労資格が無くても労働諸法は適用されており,雇用保険や労災保険の未加入,未払賃金等の請求については,円滑に行えるよう議論してほしい。 |
| (4) | 外国人登録を在留カードとすることは,組織として議論していないが問題ないと考える。ただし,発行に当たっては偽造防止対策を徹底する必要がある。 |
| (5) | 在留資格の取消しについては,例えば解雇の妥当性等で争いがある場合等について,一定の配慮をする必要がある。 |
| (6) | 居住地や勤務先の変更の届出をきちんとさせるためには,その届出をすることにより何らかのメリットがあるような仕組みとすべきである。 |
| (7) | 新たな台帳制度では,転居や出入国を何度も繰り返す人達も的確に把握できるようにすべきである。 |
| (8) | 特別永住者については,住民基本台帳を準用してもいいのではないか。 |
| (2) | 全日本金属産業労働組合協議会 |
| 金属労協は,日本の金属産業の大産業別労働組合組織であり,「電機連合」,「自動車総連」,「JAM」,「基幹労連」,「全電線」で構成されている。外国人を含めた非正規社員の組織化を積極的に進めようとしている。ただし,金属産業は製造現場であり,パートやアルバイトのような直接雇用の非正規社員より,派遣や請負といった間接雇用が多いので,他の産業に比べ組織化が難しいのが組織の現状である。その中で現場から以下のとおり聴取した。 | |
| (1) | 外国人労働者に頼った生産体制となっているために,技術や技能が日本人に継承されていない。日本のものづくりの強みは「現場」にあるので,現場の声を大事にして,長期安定雇用に支えられた技術・技能を大事にしていくべきである。 |
| (2) | 事業主は,日系人を中長期的戦力と考えておらず,将来的な生活設計に不安がある。就労制限がないので,定着を想定した受入れ体制を構築すべきである。一方,日系人労働者(定住者)について,犯罪履歴のある者に対する入管法上の取扱いを厳格にし,一定の日本語能力を入国の際の要件とするほか,就労の安定性や子弟教育,社会保険加入等を在留期間の更新の要件とすべきである。 |
| (3) | ベトナム等の送出し国の労働組合では,日本で働く自国労働者の状況を懸念している。 |
| (4) | 短期外国人就労制度案については,日本人と外国人の二分化,劣悪・低賃金の放置,産業高度化の阻害,国際競争力低下等につながるおそれがあり,導入すべきではない。また,帰国後の就職について配慮がなく反対である。 |
| (5) | 外国人研修・技能実習制度については,技術・技能を発展途上国に移転し,人づくりに寄与するという制度本来の趣旨が機能するよう,制度整備,運用改善を行うべきである。具体的には,次の事項を要望する。
・団体監理型にも「5%ルール」を適用させる。
・技能実習に移行できない職種・作業は,団体監理型での研修を認めない。
・団体監理型の研修生・技能実習生が,自らの意思で受入れ先を変更できるシステムを構築する。
・JITCOの地方駐在事務所を拡充し,チェック体制を強化する。
・企業単独型,団体監理型を問わず,生活指導員・研修指導員を専任にする。
・研修生も労働者として位置づけ,労働法,社会保障制度の対象とする。
・不正行為を行った受入れ企業・団体の新規受入れ禁止期間を5年間とする。
・再入国・再実習は企業単独型のみに認める。
・技能実習の対象職種拡大は慎重に。
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| 5 日本弁護士連合会 | |
| (1) | 新たな在留管理制度における外国人の情報の取得,保有,利用については,プライバシー権,自己情報コントロール権の観点から,規制目的との関連性があるかどうか,対象事項,人的範囲,保有期間等が必要最小限のものであるか,取得目的と異なる利用を予定していないかなどの点に留意すべきである。また,外国人に対する差別的取扱いの禁止の視点,多文化共生社会の視点を持つべきである。 |
| (2) | 入国管理制度との関係で,入国時に採取した指紋等の個人識別情報を在留管理制度の中でどう活用するのか(また,しないのか),本来テロリストの入国防止が目的のこれらの情報を在留管理全般に活用するという問題があり,入国時のチェックを終えて入国した全ての外国人の指紋が犯罪捜査にも利用されるのではないかなどの問題点について,きちんと議論すべきである。 |
| (3) | 改正雇用対策法では,厚生労働省が事業主から取得した情報を法務省に提供することになっており,また,これとは別に,教育機関からは法務省に情報提供することが検討されているが,これらの情報は,本来,外国人雇用の安定や教育目的で取得した情報であり,それを在留管理に転用するということは,法制度の目的の変容を意味するものであり,自己情報コントロール権の観点から問題があると考える。 |
| (4) | 行政機関相互の情報共有や,在留カードをICカードとして発行することは,行政が多くの個人情報を集積し,個人ごとに名寄せすることによって個々の生活状況を監視することが可能となり,また,情報の漏洩の危険性という観点から,問題視している。 |
| (5) | 新たな在留管理制度では,特別永住者は対象外であるのに対し,特に永住者は対象となるとのことであるが,永住者は不法滞在や資格外就労の問題は基本的に生じないのであり,就労状況や就学状況まで届出することを義務づけて日本人と異なる扱いをする必要はないのではないか。多文化共生の観点からも,きちんと検討すべきである。 |
| 6 在日外国人関係者 | |
| (1) | 日本在住タイ人ボランティアグループ(タワン) |
| (1) | 多くのタイ人女性たちが,日本人夫からのDVで苦しんでいる。身体的,精神的,経済的暴力をはじめ,ビザを更新させない,外国人登録証やパスポートを隠して逃げられないようにする,日本語を習得させないで助けを求められないようにするなどの行為が多く見られる。ICカードを導入するのであれば,彼女たちのような外国籍のDV被害者の実情を理解し,不利益が生じないよう配慮してほしい。例えば,「日本語習得が十分でなかったり,法律違反をした外国人のビザ更新をしない」方針について,このような状況にあるDV被害者に対してはどのような配慮または支援がなされるのか。また,様々な理由により,ひとり親家庭となった場合,仕事をしながら日本語学習をする機会はどの程度準備されるのか。 |
| (2) | 今後,ICカード導入となり,様々な機関が,外国人の細かな個人情報を閲覧できるようになるのであれば,外国人は種々の不利益な取扱いを受けるのではないか。さらに,雇用先や教育機関等の変更届が義務化されるならば,どこからか不用意に情報が漏れ,例えば,DV被害者の外国人の所在が夫に見つかってしまうというような事態が生じることを危惧している。 |
| (3) | 外国人との共生を考えるならば,外国人の管理だけでなく,弱い立場にいる外国人を保護,支援するという視点も持ってほしい。役所などの公的な相談窓口を外国人が相談しやすい開かれた場所にしてほしい。 |
| (2) | 全日本中国留学生学友会(中国人留学生団体) |
| (1) | 在留情報把握の制度の一元化や在留カード(仮称)の発行に異存はないが,窓口が入国管理局になることで,申請者等の利便性が低下するのでは困る。 |
| (2) | 一元化に当たっては,入国管理局の窓口の増設,又は,可能であれば,外国人登録と同様,市区町村の窓口で各種手続ができること,必要以上のプライバシー情報を求めないこと,情報管理の徹底を望む。 |
| (3) | 教育機関からの在籍状況等の報告の実効性を高めることについては,単に管理のためでなく,手続期間の短縮,提出書類の簡素化等,外国人のメリットになるように活用してほしい。 |
| (4) | 部屋探しの際の保証人問題,日本語教育,医療援助など,政府として生活面での支援をもっと充実してほしい。 |
| (3) | 在日米国商工会議所 |
| 現在の外国人登録制度についてのコメントは控えるが,現在の入国管理制度に対しては以下の3項目について要望したい。 | |
| (1) | 家事や子供の保育の仕事をする外国人の査証の取得や在留資格について,もう少し柔軟な対応をすべきである。また,ある企業で働く外国人が,これらの外国人を雇用する際には,組織上の地位だけではなくその企業の規模・ニーズを考慮して,在留資格を判断していただきたい。 |
| (2) | 再入国許可手続については平成11年に簡素化されたが,申請者にはあまり周知されていない。また,入国管理局職員もこの点を熟知していないのではと思うことがある。新しい手続きについて,職員にも研修を行い,外国人にも周知できるような体制とすべきである。 |
| (3) | 「家族滞在(扶養家族)」について,外国人従業員と扶養家族とで在留期限が異なるケースがよくある。家族間で期限が異なると,その都度更新手続を行う必要があり,負担が大きい。このような者については,在留期限について調整が取れるようなオプションを付与したらどうか。必要があれば,在留期限を合わせるために,残りの在留期間を放棄することも考えてもよい。これによって,外国人従業員等の負担が軽減するのみならず,入国管理局の事務作業も簡素化するのではないか。 |