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バンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)
Bangsamoro Islamic Freedom Fighters

主な活動地域

フィリピン(マギンダナオ州,コタバト州など)

組織の概要

「バンサモロ・イスラム自由戦士」(BIFF)は,「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)強硬派司令官アメリル・ウンブラ・カトが和平交渉を再開したMILFを脱退して2010年12月に設立した武装組織である。

2008年8月,フィリピン政府とMILFとの和平交渉において,モロ民族自治行政体の設置などを内容とした覚書に関する交渉が決裂したことに反発したカトらMILF強硬派が,フィリピン国軍と交戦状態となったことを機に,カトらと指導部との対立が顕在化した。カトは,和平交渉を再開したMILF指導部を「ジハードを放棄した」などと批判していたが,2015年4月に病死し,政治部門副官だったエスマイル・アブバカル(別名コマンダー・ブンゴス又はボンゴス)が後継者に選出された。

BIFFは,フィリピン南部・ミンダナオ島中部のマギンダナオ州やコタバト州において国軍に対する襲撃を頻発させている。また,「ジェマー・イスラミア」(JI)メンバーだったマレーシア人マルワンことズルキフリ・ビン・ヒル(2015年1月,マギンダナオ州ママサパノにおける掃討作戦で死亡)を庇(ひ)護(ご)し,同人から爆弾製造などの訓練を受けていたとされる。

BIFFの報道担当アブ・ミスリ・ママは,2014年8月,同組織が「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)への忠誠を表明したことを明らかにした。一方,ブンゴス指導下でISILへの傾斜を強める指導部に反発するイマーム・ミニンバン(通称ウスターズ・カリアラン)率いる勢力(約40~60人)は,2016年7月,「モロの大義を守る」と主張して分派した。また,同年10月には,ISILを強く支持するアブ・トゥライフィーことエスマエル・アブドゥルマリクらが,新組織「ムアッサスーン」を設立して分派した。同人は,2017年4月頃,自らの組織を「ジャマアトゥル・ムハージリーン・ワル・アンサール」(JMWA)と称し,ISILの地域指導者とされたASG幹部イスニロン・ハピロン(2017年10月死亡)の下に合流したと発表した(注)

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