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第1節 特性に応じた効果的な指導の実施等

6 女性の抱える問題に応じた指導等【施策番号81】

 法務省は、刑事施設において、女子受刑者特有の問題に対処するため、2014年(平成26年)4月から順次、看護師、助産師、介護福祉士等、医療・福祉等の地域の専門家の協力・支援を得て、女子受刑者に対する助言・指導や職員に対する研修等を行う、「女子施設地域連携事業」を開始し、現在は、対象となる10庁全ての女子刑事施設において実施している。さらに、摂食障害を有する女子受刑者に対する治療・処遇体制を強化するため、2019年度(令和元年度)には、医療専門施設である東日本成人矯正医療センター、大阪医療刑務所及び北九州医療刑務所に全国の摂食障害女子受刑者を収容して、より効果的な治療が受けられる体制を整備するとともに、臨床心理士を配置し、専門スタッフの強化を図った。また、摂食障害治療・処遇体制の統一を図るため、これら医療専門施設に加え、全国の女子刑事施設11庁の摂食障害治療・処遇に携わる職員(医師、看護師、臨床心理士、刑務官等)に対する集合研修を実施した。

 少年院において、女子在院者の多くが虐待等の被害体験や性被害による心的外傷等の精神的な問題を抱えていることを踏まえ、2017年度(平成29年度)、女子少年院在院者の特性に配慮した処遇プログラム(資5-81-1参照)を策定し、女子少年院全庁で実施している。今後、同プログラムの効果検証を進めつつ、PDCAサイクルに基づくプログラムの展開を図ることとしている。

資5-81-1 女子少年院在院者の特性に配慮した処遇プログラムの概要
資5-81-1 女子少年院在院者の特性に配慮した処遇プログラムの概要

 さらに、保護観察所において、地域社会の中でも女性の特性に配慮した指導・支援を推進するため、2017年度から、女性や女子少年を受け入れる各更生保護施設において職員を1人増配置している。