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第1節 民間協力者の活動の促進等

3 更生保護施設による再犯防止活動の促進等

(1)更生保護施設の地域拠点機能の強化【施策番号94】

 更生保護施設等を退所するなどして地域で生活している刑務所出所者等の自立更生のためには、これらの者に対する処遇の知見等を有している更生保護施設が、地域社会に定着できるまでの間の継続的な支援を行うことが有効である。そこで、法務省は、更生保護施設に対し更生保護施設退所者等への生活相談支援や薬物依存回復訓練の実施を委託する取組(「フォローアップ事業」)(資6-94-1参照)を行っており、2019年度(令和元年度)の委託実人員は252人、延べ人員は1,759人であった。

資6-94-1 更生保護施設におけるフォローアップ事業の概要
資6-94-1 更生保護施設におけるフォローアップ事業の概要

(2)更生保護事業の在り方の見直し【施策番号95】

 更生保護施設については、一時的な居場所の提供を行うだけでなく、犯罪をした者等の処遇の専門施設として、高齢者又は障害のある者、薬物依存症者に対する専門的支援や地域における刑務所出所者等の支援の中核的存在としての機能を果たすことが求められるなど、現行の更生保護施設の枠組みが構築された頃と比較して、多様かつ高度な機能が求められるようになり、その活動は難しさを増している。こうした現状を踏まえ、法務省は、今後の更生保護事業の在り方について所要の検討を行うため、2018年度(平成30年度)には、有識者検討会及び実務者等による意見交換会を開催し、2019年度(令和元年度)には、「更生保護事業に関する地方別検討会」を開催した。2019年3月、有識者検討会から、更生保護施設における処遇や支援の充実強化等を内容とする「これからの更生保護事業に関する提言」を得たことを踏まえ、所要の検討を行った(【施策番号27】参照)。

 また、更生保護施設を設置・運営する民間事業者の多くはその経営基盤が脆弱であり、これを安定させることが求められていることを踏まえ、法務省では、更生保護施設の安定的な運営基盤の確保を図るため、2019年度に、更生保護施設の支出状況の分析等の実態調査及びその結果を踏まえた運営マニュアルを作成した(【施策番号96】参照)。