
第1節 就労の確保等
(1)企業等に対する働き掛けの強化【施策番号7】
法務省は、コレワーク(【施策番号5イ】参照)において、刑務所出所者等の雇用に興味がある企業等に対して、刑務所出所者等の雇用に関する制度等について説明する雇用支援セミナーや、同セミナーと矯正施設の見学をセットにしたスタディツアー(写真2-7-1参照)等を開催するなど、刑務所出所者等の雇用に関する働き掛けを積極的に実施しており、2022年度(令和4年度)には、1,609件(前年度:2,036件)の広報活動を実施した。

保護観察所では、各都道府県の就労支援事業者機構※15や更生保護関係者、矯正施設、労働局、ハローワーク、地方公共団体、商工会議所等経済・産業団体その他関係機関・団体等と連携して、新たな協力雇用主の開拓・確保に努めている。
加えて、保護観察所や更生保護就労支援事業所(【施策番号5ウ】参照)では、協力雇用主募集のパンフレット※16の配布、協力雇用主募集ポスターの掲示※17、事業所への個別訪問、説明会の開催等を通じて協力雇用主に係る広報活動を積極的に行い、多くの企業等に保護観察対象者等の雇用について理解と協力を求めている。
これらの取組により、協力雇用主の数は順当に増加しており、2022年(令和4年)10月現在、2万5,202社となっている(【指標番号6】参照)。
なお、保護観察所において協力雇用主を登録する手続は、警察庁及び厚生労働省と協議した上で2018年(平成30年)8月に作成した「協力雇用主登録等要領」に基づいて適切に運用している。
(2)各種事業者団体に対する広報・啓発【施策番号8】
農林水産省は、2016年度(平成28年度)から、農林漁業の関係団体のほか、個別の事業者に対しても、新規雇用に関する補助事業の説明会等において、協力雇用主制度の周知・登録要請等を行っている。なお、農林漁業関係の協力雇用主の数は、2022年(令和4年)10月1日現在、474社(前年:471社)であった。
(3)多様な業種の協力雇用主の確保【施策番号9】
保護観察所では、ハローワーク、就労支援事業者機構等の関係機関・団体等と連携し、協力雇用主募集のパンフレット及びポスターを活用した広報活動、協力雇用主に関心のある事業所への個別訪問及び説明会の開催(【施策番号7】参照)等を通じて、協力雇用主の少ない業種を含め多様な業種の協力雇用主の確保に努めている(協力雇用主数の推移は【指標番号6】参照)。
- ※15 就労支援事業者機構
犯罪をした人等の就労の確保は、一部の善意の篤志家だけでなく、経済界全体の協力と支援により成し遂げられるべきとの趣旨に基づいて設立され、事業者の立場から安全安心な社会づくりに貢献する活動を行う法人。認定特定非営利活動法人全国就労支援事業者機構(全国機構)と50の都道府県就労支援事業者機構(都道府県機構)がある。
全国機構は、中央の経済諸団体(日本経済団体連合会、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会)や大手企業関係者が発起人となり設立され、都道府県機構等に対する助成や協議会の開催等全国的なネットワークでの事業推進を図っており、都道府県機構は、協力雇用主等を会員に持ち、保護観察所等の関係機関や保護司等の民間ボランティアと連携し、具体的な就労支援の取組を行っている。 - ※16及び17 協力雇用主募集のパンフレット及びポスター
https://www.moj.go.jp/hogo1/soumu/hogo02_00030.html