再犯防止推進白書ロゴ

第3節 犯罪や非行からの離脱の要因

4 自己肯定感及び自己有用感の形成

 事例1では、勤務先で再犯に至らずに生活できる環境を整備してくれたことが、離脱の過程における転換点であったとしており、周りから支えられ、大切にされているという実感が、立ち直りに向かう活力につながっている。事例2では、入院治療を通じて、自らの犯罪の原因を理解できたこと、自分を支えてくれる人たちを「裏切りたくない。」と考えるようになったことが、再犯をしない決意につながっている。事例3では、NPO法人における健全な活動を通じて、人間関係の中で癒やしや生きがいを感じられるようになったことが、離脱の原動力となっている。

 各事例は、自己肯定感や自己有用感が離脱の要因の一つであることを示唆しており、この点については、令和5年版白書の事例と共通している。

 以上では、令和5年版白書と共通している点や異なっている点を確認した。本特集の事例からは、さらに以下の点が共通項として浮かび上がった。