第1節 はじめに
政府は、令和5年3月、第二次再犯防止推進計画(以下「第二次計画」という。)を閣議決定した。第二次計画は、7つの重点課題と96の具体的施策により構成されており、重点課題の一つとして、「民間協力者の活動の促進等のための取組」が掲げられ、「現状認識と課題等」として、以下のとおり記載されている。
第5 民間協力者の活動の促進等のための取組
1.現状認識と課題等
犯罪をした者等の社会復帰支援は、数多くの民間協力者の活動に支えられている。再犯の防止等に関する民間協力者の活動は、刑事司法手続が進行中の段階から終了した後の段階まで、あらゆる段階をカバーする裾野の広いもので、刑事司法関係機関や地方公共団体といった官の活動とも連携した取組が行われている。こうした民間協力者の活動は、SDGs に掲げられたマルチステークホルダー・パートナーシップを体現し、「持続可能な社会」・「インクルーシブな社会」の実現に欠かせない尊いものでもあり、社会において、高く評価されるべきものである。(以下省略)
このように、再犯防止のためには、刑事司法手続段階のみならず、終了後においても、民間協力者の活動が必要不可欠であり、これまでも保護司、篤志面接委員、教誨師、更生保護女性会員等の多くの民間協力者の方々の御協力に支えられてきた。そこで、第二次計画では、具体的施策として、以下のとおり「地域の民間協力者の開拓及び一層の連携等」が掲げられ、民間協力者の積極的な開拓を行うこととしている。
②民間協力者との連携強化
ア 地域の民間協力者の開拓及び一層の連携等【施策番号71】
法務省は、再犯の防止等に関する施策を推進する上で、民間協力者が果たす役割の重要性に鑑み、地域で再犯の防止等に資する取り組みを行うNPO 法人、社会福祉法人、企業、弁護士、社会福祉士や、自らの社会復帰経験に基づいて相互理解や支援をし合う自助グループといった民間協力者の把握に努めるとともに、そうした民間協力者を積極的に開拓し、より一層の連携を図る。(以下省略)
再犯防止においては、犯罪をした者等が立ち戻っていくことができる環境をいかに整備するかということが重要であるが、そういった環境をより充実したものにするためには、従前から御活躍いただいている保護司等の民間協力者のみならず、地域社会において、より多様な関係者(ステークホルダー)と連携していくことが求められている。
このように、再犯防止分野における民間協力者の役割の重要性がますます大きくなっている中、近年、民間企業等をはじめとした新たなステークホルダーに再犯防止分野に参画いただく事例が増えており、再犯防止分野の活動の輪は広がりを見せつつある。
従前から再犯防止に御協力をいただいている民間協力者は、犯罪をした者等に対する直接的な支援に携わることが中心であった。他方、近時は、間接的な支援、つまり、広報・啓発活動等の再犯防止の裾野を広げるような活動をしていただいている企業・団体が増えてきている。直接的な支援はハードルが高いと感じていても、間接的な支援であれば、参画について前向きに検討いただける企業・団体も潜在的に存在するものと思われる。
そこで、本特集においては、再犯防止分野に新たに参画していただいている企業及び団体の先駆的な取組を紹介する。