
第1節 満期釈放者の現状
1 満期釈放者の再犯状況
(1)満期釈放者の2年以内再入者数及び2年以内再入率
表1 出所受刑者の2年以内再入者数及び2年以内再入率の推移(出所事由別)

図1 出所受刑者の2年以内再入者数の推移(満期釈放者)

図2 出所受刑者の2年以内再入率の推移(出所事由別)

満期釈放者の再入者数については、加速化プランにおいて、2022年(令和4年)までに、満期釈放者の2年以内再入者数を2割以上減少させ、2,000人以下とするという数値目標を設定している。2019年(令和元年)の満期釈放者の再入者数は1,936人であり、全体的な出所受刑者の減少もあり、前記数値目標を達成している。
一方、出所受刑者の2年以内再入率については、2019年の満期釈放者では23.3%となっており、同年の仮釈放受刑者(10.2%)と比較すると、依然として2倍以上高い。
(2)再入受刑者の再犯期間
図3(1) 出所受刑者の10年以内再入率(出所事由別)

図3(2) 再入受刑者の再犯期間の構成比(出所事由別)

図3(1)のとおり、2011年(平成23年)の出所受刑者について、10年以内の再入率を見ると、満期釈放者※3の10年以内再入率は55.4%と、過半数の者が10年以内に再入所しているところ、その約9割は5年以内に再入所している。また、仮釈放者についても、10年以内再入率は35.6%であり、その約8割は5年以内に再入所している。
また、図3(2)のとおり、満期釈放者は、仮釈放者と比較して、より短期間で再犯に至った者の比率が高い。2020年(令和2年)の再入受刑者のうち、出所から3月未満で再犯に至った満期釈放者は15.3%となっており、仮釈放者(4.3%)と比べて高い値となっている。同様に、出所から2年未満で再犯に至った満期釈放者は62.2%となっており、仮釈放者(50.4%)と比べて高い値となっている。
- ※2 「再犯防止に向けた総合対策」(2012年(平成24年)7月20日犯罪対策閣僚会議決定)における出所受刑者の2年以内再入率の目標値であり、2019年出所者では15.7%となっている(【指標番号3】参照)。
- ※3 一部執行猶予者の実刑部分の刑期終了となった者を含まない。