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第1節 京都コングレス開催の意義

第1節 京都コングレス開催の意義

 京都コングレスには、いずれも過去最多となる152の国と地域、約5,600人が参加登録し、90の国と地域の閣僚がステートメントを実施した。

 そして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大における厳しい渡航制限・行動制限にもかかわらず、13か国から閣僚級の来日参加があった。これは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大においても、犯罪との戦いを諦めないという国際社会の強い決意・姿勢が示されたと言えよう。

 京都コングレスの成果文書として全会一致で採択された京都宣言の正式名称は、「持続可能な開発のための2030アジェンダの達成に向けた犯罪防止、刑事司法及び法の支配の推進に関する京都宣言」であり、全97段落に及ぶ充実したものである。

 その採択に向けた協議は、2019年(平成31年)初めに、アジア太平洋、ラテンアメリカ、中東、アフリカ及びヨーロッパの5つの地域において開催された地域準備会合から始まった。

 各地域が京都宣言に盛り込みたい事項をまとめた勧告をもとに、2019年(令和元年)9月に京都で日本政府主催による専門家会合が開催され、その後、約1年半にわたるオンライン方式を含む断続的な非公式協議における文言交渉を経て、京都コングレスのハイレベルセグメントにおいて、全会一致で採択されるに至った。

 今後は、世界各国がこの京都宣言を着実に実施していくことが重要であり、我が国は、これにリーダーシップを発揮することが国際社会から期待されている。

 本節では、京都宣言の内容について、全体像に触れつつ、特に再犯防止と関連する部分を中心に紹介する。

 また、京都コングレスに先立ち開催された京都コングレス・ユースフォーラムについても、その概要と再犯防止に関する議論について、その成果を紹介する。

特2-1 京都コングレスの開会式の様子
特2-1 京都コングレスの開会式の様子