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第3節 京都コングレスの成果と今後の展望

2 再犯防止分野における今後の展望

 京都コングレスの成果展開(レガシー)のうち、特に再犯防止に関するものとしては、「再犯防止国連準則」の策定が挙げられる。策定に向けた検討状況や今後の見通しについて、以下のとおり詳述する。

 2021年(令和3年)5月にウィーンで開催された国連犯罪防止刑事司法委員会において、我が国は、「再犯防止国連準則」の策定プロセスを進めるための決議案を提出した。

 具体的には、同準則の策定に向けた協議を行う専門家会合を設置・開催するための決議案であり、多くの国から積極的な賛同(共同提案)を得て、全会一致でこれが採択された。

 また、この開催期間中、我が国は、「京都宣言のフォローアップ:新たな国連準則による再犯防止」をテーマとした、オンライン方式によるサイドイベント※13を実施した。このサイドイベントでは、上川陽子法務大臣(当時)の冒頭あいさつにおいて、再犯防止と持続可能な開発のための2030アジェンダとの密接な関連性について言及がなされたほか、UNODCのガーダ・ワーリー事務局長によるゲストスピーチにおいて、再犯防止が刑事司法システムの基本的な機能であることが強調された。また、各国高官により再犯防止に関する施策の報告がなされた。サイドイベントの後半においては、アジ研所長などにより、「京都コングレスにおける再犯防止についての議論の結果と今後の展望」をテーマとしたパネルディスカッションが行われ、再犯防止に焦点を当てた国連準則を新たに策定する必要性が改めて確認された。

 今後、2023年(令和5年)又は2024年(令和6年)の国連犯罪防止刑事司法委員会での再犯防止国連準則の採択を目指したいと考えている。(特2-19参照)

特2-18 国連犯罪防止刑事司法委員会におけるサイドイベントの様子
特2-18 国連犯罪防止刑事司法委員会におけるサイドイベントの様子
特2-19 再犯防止国連準則の策定フロー
特2-19 再犯防止国連準則の策定フロー
  1. ※13 国連犯罪防止刑事司法委員会におけるサイドイベントの結果報告URL
    https://www.unodc.org/documents/commissions/CND_CCPCJ_joint/Side_Events/2021/CCPCJ_Side_Event_Report_2021.pdf