裁判員制度発足からもうすぐ2年が経過します

裁判員裁判の実施状況

平成21年5月21日に裁判員制度が始まってから,もうすぐ2年が経過します。

裁判員制度が始まってから,平成23年1月末までの間に,全国の検察庁で,合計3,149件の裁判員裁判対象事件が起訴(検察官が被疑者について刑事裁判を求める手続)されました。

一番多くの事件が起訴されたのは,東京地方検察庁で402件,2番目に多いのが大阪地方検察庁で353件,3番目に多いのが千葉地方検察庁で331件となっています。

そして,裁判員裁判で判決が言い渡された人数は,1,745人となっています。


裁判員裁判への参加

それでは,どれくらいの方が裁判員裁判に参加されたのでしょうか。

裁判員制度が始まってから平成23年1月末までの間に,14万8,868人の方が裁判員候補者に選ばれ,そのうち,事前に辞退が認められた方などを除いた7万270人の方が裁判員を選ぶ手続に呼ばれ,その中の80.6パーセントに当たる5万6,662人の方が実際に裁判所にお越しになり,裁判員を選ぶ手続に出席されています。

そして,5万6,662人の中から,1万74人の方が裁判員として,3,602人の方が補充裁判員として,それぞれ実際に裁判に参加されています。


裁判員経験者の感想

裁判員を経験された方は,裁判員裁判についてどのような感想をお持ちなのでしょうか。

裁判員経験者に対するアンケート結果によると,裁判員に選ばれる前の気持ちについて,裁判員を「積極的にやってみたい」や「やってみたい」と考えていた方は,合計31.1パーセントだけでした。しかし,裁判員として裁判に参加した後の感想では,「非常によい経験と感じた」と「よい経験と感じた」というものを合わせると,95.2パーセントの方が,積極的な感想を述べられています。


裁判員制度へのご協力をお願いします!

裁判員制度が始まってから,多くの方々に,裁判所にお越しいただくとともに,裁判員や補充裁判員として参加していただき,ありがとうございました。

現在のところ,裁判員制度はおおむね順調に実施されていますが,これもみなさんのご協力があってのことです。

これからも,裁判員制度へのご協力をよろしくお願いします。


サイバンインコ
サイバンインコ
これからも裁判員制度をよろしくお願いします!
詳しくは,法務省裁判員制度コーナーを
ご覧ください!
http://www.moj.go.jp/keiji1/saibanin_index.html

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「日本の法制度整備支援をどう検証・評価するか」 〜第12回法整備支援連絡会〜

1 開催概要

(法整備支援連絡会の会場の様子)

法務総合研究所は,JICA(独立行政法人国際協力機構)と共催で,平成23年1月21日に第12回法整備支援連絡会を開催しました。この法整備支援連絡会は,法分野での支援を行ういろいろな機関で働いている関係者間の情報共有・意見交換の場として毎年開催しています。今回は,東京・大阪・ベトナムをテレビ会議システムでつなげて3会場同時で行い,合計131名が参加しました。

なお,法整備支援とは,開発途上国が進める法律の起草や法律家の育成など法制度の整備を支援することを言います。

法整備支援連絡会の今年のテーマは,「日本の法制度整備支援をどう検証・評価するか」です。難しいテーマですが,今回は,外国からのゲストとして,ベトナム最高人民裁判所ハノイ控訴審副所長に,日本の支援を受けて成立した法律(民事訴訟法)の評価や問題点について話していただきました。また,この分野では著名な森嶌昭夫先生の講演や,日弁連,特許庁,公正取引委員会からの活動報告,パネルディスカッションを行って,参加者間で過去の活動に関する評価の在り方を振り返りつつ,今後の在り方について活発に協議をしました。

なお,国際協力部のホームページにも当日のプログラム等が,掲載されています。

2 評価って何?

ところで,「評価」というのは,この分野に限らずどこの世界にも存在します。学生だったら学校の成績ですし,企業だったらその行う事業の評価や人事評価などがあります。法分野での支援の場合,日本が行った支援のもととなるものはそのほとんどが国民の税金です。ですから,日本が行った支援に見合う成果が支援対象国に見られたかどうかを適正に評価することは,国民の皆さんに支援の成果を説明するのに必要ですし,その評価を踏まえて,改善すべきところを改善し,今後の方向性を決めるのに非常に重要です。

もちろん,開発途上国に行って橋や道路などを建設するような支援であれば,その成果は目に見えるもので分かりやすいのですが,法分野の支援は法律の起草だけでなく,法律家の人材育成など,社会制度全体に関わる支援ですので,短時間でその成果を上げることが難しいのです。ですから,どのような方法で評価していくべきかを関係者間で話し合う必要があるわけです。

3 興味のある方へ

先にも述べましたように,法整備支援連絡会は毎年開催されています。次回は平成24年1月20日に開催予定です。開催日が近くなりましたら国際協力部のホームページからも申し込みができますので,興味のある方は,是非アクセスしてみてください(参加費無料)。

(国際協力部教官 江藤美紀音)

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