法制度整備支援の海外現場から
「のどかなラオスで熱く議論!」

【サバイディー!】

(笑顔で応えてくれるラオス人)

これはラオス語で「こんにちは」などという意味ですが,ラオスでは見知らぬ人でも,挨拶をすると笑顔で「サバイディー」と応えてくれます。ラオスは,ベトナム,カンボジアなどと同様にインドシナ半島に位置しています。近年,経済成長が続いており,投資先として世界的に注目されていますが,街の様子はまだまだのんびりした雰囲気です。

【法律人材育成強化プロジェクト】

ラオスでは,2010年7月,JICA(独立行政法人国際協力機構)の枠組みにより,「法律人材育成強化プロジェクト」が始まりました。このプロジェクトでは,ラオスの裁判官,検察官,司法省職員,大学教員などが各組織の枠を超えて,教育の場でも,実務でも使える新たな法律の教材作りに励んでいます(あかれんがVol.32もご覧ください。)。

その活動を日常的にサポートしているのが,現地に滞在しているJICAの長期専門家(検事,弁護士等)です。他に,日頃はテレビ会議を通じて現地への支援をしているアドバイザリーグループがあり,大学教授,弁護士,法務省職員(判事,検事)等が委員になっています。

【民事訴訟法・刑事訴訟法現地セミナー】

(現地セミナーの様子)

平成23年2月21日から23日までの3日間,アドバイザリーグループ委員(5名)が現地に行き,民事訴訟法と刑事訴訟法についてセミナーを行いました。セミナーでは,ラオス側メンバー(各科目十数名。他に法曹関係者の傍聴が多数ありました。)との間でラオスの訴訟手続について,日本と比較しながら熱心な議論が行われました。例えば,民事訴訟で,「原告が提出する訴状には何を書かなければならないか」を議論しましたが,日本との制度的な違いに加え,弁護士数が少なく当事者本人による訴訟が多いラオスでは,書かなければならないことがあまり厳格ではないようで,足りなければ裁判所が調べて補うこともあるようです。そういった実情を分析する一方で,ラオス側は,セミナーを通して,法律を適切に解釈し,当てはめることの重要性を認識できた様子であり,「これまで考えたことがなく,非常に有意義な議論であった。」などという感想が聞かれました。

このようなセミナーの機会は,ラオス側にとって良い刺激になり活動を促進させることはもとより,日本側もラオスの実情を把握するのに有益であり,何より双方の信頼関係を築く上でとても貴重な機会となりました。

(国際協力部教官 伊藤浩之)

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お答えします 「戸籍・国籍」について

お答えします


Q:戸籍とは,何ですか。

:日本国民がいつ生まれたのか,父母は誰なのか,兄弟姉妹はいるのか,いつ結婚したのかなどを公文書に登録して,これを公的に証明する制度です。


Q:国籍とは,何ですか。

:人が特定の国の構成員であるための資格をいいます。
 国家が存在し,成り立つためには,領土とともに,国民の存在が不可欠ですから,国籍という概念は,どこの国にもあります。しかし,どの範囲の者をその国の国民として認めるかは,その国の歴史,伝統,政治・経済情勢等によって異なり,それぞれの国が自ら決定することができます。このことから,国は,ある個人が他の国の国籍を有するかどうかまでは,決めることができません。


Q:外国人が日本人になるためには,どうしたらいいのですか。

:日本国民でない人は,帰化によって,日本国籍を取得することができます。
 帰化をするためには,国籍法という法律に定める条件を備えた人が法務局に申請をする必要があります。そして,その申請に対して,法務大臣が許可することによって,日本人になることができます。


Q:戸籍の窓口での「本人確認」とは,何ですか。

:他人が戸籍の証明書を不正に取得しないように,また,うその届出によって戸籍に真実でない記載がされないようにするため,窓口で本人確認を行っています。本人確認は,婚姻等の届出について,戸籍の窓口に来られた方について,運転免許証,写真付きの住民基本台帳カードなどの書類の提示によって行います。そして,届出本人であることの確認ができなかった場合には,「届出」が受理されたことを,届出本人の住所地に郵送等により通知することになります。また,戸籍の証明書を請求する際にも,必ず本人確認を行っています。


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