第61回"社会を明るくする運動"
〜犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ〜について

“社会を明るくする運動”は,すべての国民が,犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの改善更生について理解を深め,それぞれの立場において力を合わせ,犯罪や非行のない地域社会を築こうとする全国的な運動で,今年で61回目を迎えます。


第62回“社会を明るくする運動”広報ポスター
第61回“社会を明るくする運動”広報ポスター

1.“社会を明るくする運動”の始まり

昭和24年,戦後の荒廃した中にあって,かねてから街にあふれた子供たちの将来を危惧していた東京・銀座の商店街の有志が,犯罪者予防更生法の思想に共鳴し,保護少年のためのサマースクールの開設資金の造成などを目的に,自発的に同年7月13日から1週間にわたって「犯罪者予防更生法実施記念フェアー(銀座フェアー)」を開催しました。

この銀座フェアーが刺激となり,その翌年の昭和25年7月1日から10日まで,「矯正保護キャンペーン」が全国的に実施されました。

「銀座フェアー」と「矯正保護キャンペーン」を通じて,犯罪の防止と犯罪をした人たちの立ち直りには,一般市民の理解と協力が不可欠であるという認識を深めた法務府(現在の法務省)は,昭和26年7月,この啓発活動を将来とも継続して一層発展させる必要があるとして,“社会を明るくする運動”と名付け,国民運動として世に広げることにしました。


2.第61回の行動目標等

刑務所出所者の出所後の再犯率は依然として高く,また,高齢犯罪者,無職者等社会復帰上困難を抱える者や適当な帰住先がないために満期出所となる者も増加しており,就労・定住等社会復帰のための受入れ基盤の整備が大きな課題になっています。そこで,第61回は,次の行動目標・重点事項に沿って運動を展開します。


■行動目標

○犯罪や非行をした人たちの立ち直りを支えよう

○犯罪や非行に陥らないよう地域社会で支えよう

○これらの点について,地域社会の理解が得られるよう協力しよう

■重点事項

○立ち直りを支える取組についての理解促進

○犯罪や非行をした人たちの就労・住居等の生活基盤づくり


3.黄色い羽根について

第61回運動から,「黄色い羽根」を本運動への賛同のしるしとして正式な広報資材とすることが確認されました。「黄色い羽根」は,長崎地区保護司会が考案し,第58回の運動から取組を始めたもので,運動のシンボルマークであるヒマワリと,刑期を終え出所した男性をあたたかく迎える夫婦愛を描いた映画「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ(昭和52年,山田洋次監督)」にヒントを得て作られたものであり,全国各地に広がりを見せています。


4.中央実施行事について

犯罪や非行をした人たちの立ち直りを支えていくことのできる地域社会をつくるためには,地域に住むすべての人がそれぞれの立場でかかわっていくことが大切です。昨年は,講演会,住民集会,学校と連携した非行防止教室などに約210万の人が参加しました。

本年も,強調月間初日である7月1日,東京・銀座数寄屋橋公園にて法務大臣や本運動フラッグアーティストである谷村新司さんによる広報活動を行い,道行く人々に対し,本運動への理解と協力を訴えました。

ここで,中央でこれから実施する主な行事について紹介します。この他にも,全国各地で様々な行事が展開されますので,ぜひ御参加ください。


(1) 更生保護・福祉連携シンポジウム〜福祉的視点から犯罪者の立ち直りを考える〜

・期日   9月3日(土)

・場所   文京学院大学・仁愛ホール

・社会福祉士や福祉を学ぶ学生等を対象として,更生保護と福祉の連携について考えるシンポジウムを行います。

(2) “社会を明るくする運動”〜犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ〜作文コンテスト

・発表   12月上旬

・全国の小・中学生を対象に作文コンテストを実施します。


5.更生保護への御理解,御協力を

犯罪をした人や非行のある少年たちが,罪を償い,非行を改め,社会の一員として立ち直るためには,行政機関による働き掛けだけではなく,立ち直りの場である地域社会の皆様から,更生保護に対する御理解とお力添えを頂くことが不可欠です。

更生保護並びに更生保護ボランティアに対する御理解,御協力をよろしくお願いします。


更生保護の詳細等については,ホームページを御覧ください。

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第53回全国矯正展を実施しました。

平成23年6月3日(金),4日(土)の両日,東京都千代田区北の丸公園内科学技術館において,法務省,財団法人矯正協会及び「社会を明るくする運動」中央推進委員会が主催する「全国刑務所作業製品展示即売会(第53回全国矯正展)」が開催されました。

本催事には,2日間で約15,000人の来場者にお越しいただきました。


○テープカット

開催初日である6月3日(金)には,歌手の川中美幸さんをゲストとしてお招きし,法務副大臣,矯正協会会長とともにテープカットを行いました。

(テープカットの様子)

○復興支援に関する取組等

今回の全国矯正展では,本年3月に発生した東日本大震災にかんがみ,災害復興支援として刑務作業協力事業部を始め,参加している刑務作業協力企業等の売上の一部を支援金等として寄付するとともに,岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」に参加していただきました。また,宮城県石巻市における矯正職員による復興支援活動の状況をパネルで紹介しました。

そのほか,会場装飾に使用する電灯にも考慮を加えるなど節電対策にも取り組みました。


○催事の内容

(刑務作業製品の販売状況)

今回は,「メイド イン プリズン〜こんな物まで作っているの!?〜」をテーマとし,全国の刑事施設で実施している多種多様な刑務作業の一部を実演又はVTR等で紹介したほか,刑務作業特設コーナーでは,農業園芸科職業訓練の実施状況を中心に,刑事施設における農作業等の現状を紹介しました。同コーナーにおける要素試験(樹木の枝葉を見て,その樹木名を判定する試験)の体験コーナーは,約300人の来場者が参加する盛況ぶりでした。

このほかにも,全国刑務所作業製品審査会受賞製品コーナーでは,法務大臣賞を受賞した奈良少年刑務所の「育つ家具多目的棚(奈良)」を始めとした受賞製品が注目を集め,「北海道地方の刑務作業」コーナーでは,北海道行刑史を写真パネルで紹介するとともに,北海道の刑事施設で製作された製品の展示・販売などを行いました。

刑務所作業製品の即売コーナーでは,全国の刑務所から出品された約60,000点の製品が展示・販売され,中でも全国矯正展での販売が最後となる市原刑務所の「味噌・醤油」の販売ブースは大盛況となったほか,少年院・少年鑑別所コーナーでは,性格検査の体験や職業補導製品の販売を行い,屋外の野菜やお茶の販売ブースでは,厳しい日差しの中にもかかわらず,長い行列ができる人気ぶりでした。

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