平成13年における外国人の上陸拒否について
平成14年8月
担当:法務省入国管理局
担当:法務省入国管理局
| 外国人は,我が国の出入国港において上陸の申請を行い,上陸の許可を受けなければ我が国に上陸することはできない。上陸を拒否された外国人の数は,昭和63年に初めて1万人を突破して以来,平成10年まで毎年1万人を超える高水準で推移してきた。その後,平成12年には,8,273人まで減少したが,平成13年には,1万400人と再び1万人を超えて増加に転じている。 当局では,偽変造文書の行使による不法入国対策として,偽変造文書鑑識要員の増強及び最新鋭の偽変造文書鑑識機器の配備を行った上,引き続き不法就労等を企図する外国人の水際での阻止に積極的に努めている。 |
記
| 1 | 上陸拒否の状況 | |
| ( | 1 | )平成13年における外国人の上陸拒否数は1万400人で,前年に比べ2,127人(25.7パーセント)増加した。 |
| ( | 2 | )近年の上陸拒否数の推移を見ると,昭和63年以降11年連続で1万人を超える高水準で推移していたが,平成8年以降漸減傾向が続き,同11年,同12年は1万人を下回り減少傾向が更に進んだ。しかし,同13年には,再び1万人を超えて増加に転じている。 |
| 2 | 上陸拒否者の国籍(出身地)別内訳 | |
| ( | 1 | )平成13年の上陸拒否者を国籍(出身地)別に見ると,前年に引き続き韓国人が第1位で上陸拒否者全体の24.3パーセントを占めている。次いで,中国人,インドネシア人,タイ人,中国(台湾)人の順となり,アジア諸国が上位を占めている。 国籍別内訳は次のとおりであり,上位10か国で上陸拒否者全体の72.5パーセントを占めている。 |
| 順位 | 国 籍 | 上陸拒否数(人) | 前年比(人数) 前年比(割合) |
総数に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| 総数 | 10,400 | +2,127 +25.7% |
100% | |
| 1 | 韓国 | 2,525 | −54 −2.1% |
24.3% |
| 2 | 中国 | 748 | +103 +16.0% |
7.2% |
| 3 | インドネシア | 744 | +319 +75.1% |
7.2% |
| 4 | タイ | 587 | +228 +63.5% |
5.6% |
| 5 | 中国(台湾) | 563 | +159 +39.4% |
5.4% |
| 6 | フィリピン | 519 | +191 +58.2% |
5.0% |
| 7 | トルコ | 506 | +198 +64.3% |
4.9% |
| 8 | マレイシア | 475 | +58 +13.9% |
4.6% |
| 9 | ペルー | 440 | +63 +16.7% |
4.2% |
| 10 | コロンビア | 437 | +107 +32.4% |
4.2% |
| その他 | 2,856 | +755 +35.9% |
27.5% |
| 注 | :我が国は,上記10か国のうちマレイシア,ペルー,コロンビア及びトルコとの間で,取決めにより,観光等の短期滞在を目的として来日する者に対する相互査証免除措置を行っている。ただし,マレイシア人(平成5年6月1日以降)及びペルー人(平成7年7月15日以降)に対しては,いずれも査証取得勧奨措置を行っている。 |
| (2 | )韓国人の上陸拒否数は,平成10年に大幅に増加したが,同11年以降は減少に転じ,同13年も前年比54人(2.1パーセント)減少し漸減傾向が続いている。 |
| (3 | )韓国を除くアジア諸国では,インドネシア人が前年比319人(75.1パーセント),トルコ人が前年比198人(64.3パーセント)増加したほか,タイ人,フィリピン人も前年比50パーセント以上の増加を見せている。 |
| (4 | )南米諸国では,コロンビア人が前年比107人(32.4パーセント),ペルー人が前年比63人(16.7パーセント)と引き続き増加している。 |
| (5 | )その他の国籍では,バングラデシュ人が前年63人から151人に,パキスタン人が前年100人から235人に倍増している。また,平成11年以降急増しているモンゴル人についても前年105人から163人に増加している。 |
| 3 | 上陸拒否の理由別内訳 |
|
上陸拒否の理由別内訳は次のとおりである。 ・ 入国目的に疑義のある事案 6,457人 ・ 有効な査証等を所持していない疑いのある事案 621人 ・ 法定上陸拒否事由該当事案 212人 ・ その他の事案 3,110人 |
| (1 | )不法就労等の違法な活動が目的であるにもかかわらず,観光,短期商用又は親族・知人訪問と偽って上陸申請を行うなど入国後の活動に疑義が認められる事案は,6,457人で,前年比1,128人(21.2パーセント)増加し,全体の62.1パーセントを占めている。 |
| (2 | )有効な査証等を所持していない疑いがあることを理由とした上陸拒否数は,621人で,前年比32人(5.4パーセント)増加している。 |
| (3 | )法定上陸拒否事由該当事案は212人であり,前年より90人減少している。 |
| 4 | 主要港別内訳 |
| 主要港別の上陸拒否数は,前年同様,成田空港が6,283人(60.4パーセント)で最も多く,次いで関西空港が2,032人(19.5パーセント)となっている。さらに,名古屋空港,福岡空港,羽田空港が続き,これら主要5空港で全体の93.7パーセントを占めている。 |
| 5 | 当局の取組み |
| 平成13年における外国人の上陸拒否数は,前年と比べ25.7パーセント増加している。特に,インドネシアをはじめトルコ,フィリピン,タイ,インド,パキスタン等の韓国を除いたアジア諸国の増加が顕著に認められる。 これは,日本経済が長期低迷にあえいでいるにもかかわらず,我が国との経済格差が大きい国,雇用機会が少ない国から不法就労等を目的として入国しようとする者が依然として後を絶たず,精巧な偽変造文書の行使や,ブローカーの介在など,我が国への入国を図るための手段も悪質・巧妙化の傾向にある中で,平成13年は,偽変造文書の行使による不法入国・不法滞在事案について,我が国の治安上看過できない問題であるとの国民等からの声を受け,偽変造文書鑑識要員の増強及び最新鋭の偽変造文書鑑識機器の配備を行ったことが効果を上げたものと認められる。 さらに,米国同時多発テロ事件以後は,出入国審査の一層の厳格化により,我が国での不法行為を企図する外国人の水際での阻止に努めている。 |

表:国籍別上陸拒否者数の推移(人)