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4 難民不認定処分等取消請求訴訟事例

別紙4

地方裁判所確定】
 某国人男性Xは,本国において○○族により組織され現政権に反対する組織の構成員として活動していたところ,拘禁され釈放後も活動を続けたため身辺に危険を感じる事態となり,「短期滞在」の在留資格により本邦に入国後,「政治的意見」及び「特定の社会的集団の構成員であること」を理由に迫害を受けるおそれがあるとして,難民認定申請を行ったが,当該申立てについてはこれを立証する具体的な証拠がないとして不認定となった。これに対し,同人は,不認定処分に対する異議申出を行ったが,原処分に誤りがない旨の裁決がなされた。
 Xは,同処分は違法であるとして,Z地方裁判所に難民の認定をしない処分の取消請求訴訟を提起した。
 同裁判所において,Xは難民該当性を基礎付ける事実として,第1に社会主義政権に反対して民主主義を唱えたことから当時の政権により2度拘束されたこと,第2に中央政府に○○人が迫害されていることを訴える活動をしたところ逮捕・勾留されたこと,第3に反政府デモに参加した際に逮捕され7か月間刑務所に拘禁されたことを主張した。
 Z地裁は,第1の点についてはXの難民該当性を基礎付ける事実とは考え難いこと,第2の点についてはXが主張する事実が存在したとしても,現在のXの主張とは関係が薄く,難民該当性を基礎付けることはできないこと,第3点についてはXは証拠資料として某国政府発行の収監証明書と称する文書の写しを提出しているが,当該文書の発行機関及び作成者に疑義が認められることから正規の証明書の写しであるとは到底認め難いほかその内容にも疑問点があり,同資料をもってXが逮捕された事実を裏付けることはできず,それが真正な公文書とは認められないことは,Xの主張全体に対する信用性を大きく損なうものであり,主張事実自体が認められないといわざるを得ないとしている。
 以上から,Xには通常人がXの立場に置かれた場合に迫害の恐怖を抱くような客観的事情が存しないと認められるなどとして,Xの請求は理由がないからこれを棄却するとの判決を言い渡したものである。

高等裁判所確定】
 某国人男性Yは,本国において高校のころから○○人独立運動に積極的に従事し,△△党の支援活動を行っていたため何度も警察等から喚問,拘禁を受け,本邦入国後も○○人の権利擁護と独立を求める活動を主導的立場に立って行ってきた旨申し立て,人種,宗教,国籍,政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるとして難民認定申請を行ったものであるが,同申立てについては,立証する具体的な証拠がないなどとして,不認定となった。これに対し,Yは,自らの活動は,既に某国大使館の知るところとなっており,帰国すれば直ちに逮捕され重大な迫害にさらされるという恐怖は十分な根拠があり,難民に該当するとして,不認定処分の取消しを求めて,Z地方裁判所に難民不認定処分取消請求訴訟を提起したものである。
 同地方裁判所は,Yは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の外にいる者であって,その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないものであると認められ,法の定める難民に該当するというべきである旨判示し,その余の争点について検討するまでもなく,Yの請求は理由があると認められ,法務大臣がYに対して行った難民の認定をしない処分を取り消す旨の判決を言い渡した。
 国は,この判決に対し,Z高等裁判所に控訴した。
 Z高等裁判所は,Yの第1回目の来日と帰国に関する事情については,Yの供述には虚偽の部分も多く,その供述を直ちに信用することはできないとした上で,帰国後に迫害を受けた事実も認められないから,帰国に当たってYが恐怖を抱いていたというのは疑わしい。また,第×回目の来日に関する事情及び第×回来日後の行動について,当審におけるYの供述によれば選挙時における監禁,出国直前における警察への連行などに関する供述は虚偽であったというものであるから,Yの主張を検討する必要はない。また,Yのその他の主張事実を検討しても,迫害を受ける恐怖を抱くような客観的事情が存在するものということはできないとし,原判決を取り消した上,Yの請求を棄却した。

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