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平成15年における入管法違反事件について

平成16年5月
担当:法務省入国管理局

平成15年における入管法違反事件について【要約】

 平成15年中に退去強制手続を執った外国人は,4万5,910人であり,このうち不法入国者は,9,251人で,全体の約20パーセントを占め,依然として高水準で推移している。
 また,退去強制手続を執った外国人のうち,不法就労事実が確認できた者は3万4,325人で,依然として入管法違反外国人の多数が不法就労に従事していることを裏付けた。

 入管法違反事件
(1 )概 況
   平成15年中に,全国の地方入国管理官署において出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)違反により退去強制手続を執った外国人は4万5,910人で,平成14年(4万1,935人)と比べて3,975人増加した。
(2 )不法入国事件
   不法入国者は,9,251人で,航空機を利用した者が6,694人,船舶を利用した者が2,557人となっている。
(3 )国籍別推移
   中国(台湾,香港,その他を除く。)が1万2,382人と最も多く,国籍別では初の第1位となった。
 不法就労事件
(1 )退去強制手続を執った外国人のうち,不法就労事実が認められた者は,3万4,325人で,退去強制手続を執った外国人の約75パーセントを占めた。
(2 )出身国(地域)は,アジア近隣諸国を中心に108か国(地域)に及び,依然として多国籍の様相を呈している。
 国籍別では,中国(台湾,香港,その他を除く。)が最も多く,以下,韓国,フィリピン,タイ,マレーシアの順となっており,これら5か国で全体の約70パーセントを占めている。
(3 )就労期間別では,就労期間が「3年を超える」者が不法就労者全体の約48パーセントを占め,このうち「5年を超える」者も全体の約31パーセントに達しており,就労期間の長期化傾向を裏付けるとともに,不法就労者の定着化現象を示している。
(4 )稼働場所(都道府県)別では,最多の東京都を中心に,関東地区1都6県(東京,神奈川,千葉,埼玉,茨城,群馬,栃木)で全体の約72パーセントを占めている一方,全国47都道府県において不法就労者の存在が確認されるなど,我が国への不法就労外国人の浸透を裏付けた。
(5 )就労内容別では,男性では建設作業者,女性ではホステス等が最も多くなっている。


特徴
  入管法違反全体
 〇  平成15年中に入管法違反で退去強制手続を執った外国人は,前年比3,975人増の4万5,910人
 〇  不法入国者は,前年比863人増の9,251人であり,そのうち航空機を利用した者及び船舶を利用した者がともに増加し高水準で推移
 〇  不法残留者は3万4,266人で,入管法違反事件全体の74.6パーセント

  不法就労事件
 〇  不法就労者は,前年比1,961人増の3万4,325人
 〇  出身国(地域)数は,108か国(地域)と依然多国籍の様相
 〇  依然として,就労期間の長期化,不法就労者の定着化が継続
 〇  稼働場所は,全国47都道府県に及び地方への浸透が継続
 〇  報酬(日額)は,若干高賃金層へ移行

  目次
 1 入管法違反事件
 (1)概況
 (2)特徴
  ア 不法入国事件
  イ 不法残留事件
  ウ 国籍別推移
 2 不法就労事件
 (1)概況
 (2)特徴
 (3)構成
  ア 性別・年齢別
  イ 就労期間別
  ウ 稼働場所(都道府県)別
  エ 就労内容別
  オ 報酬(日額)別


平成15年における入管法違反事件について

 平成15年中に,出入国管理及び難民認定法違反により4万5,910人の外国人に対して退去強制手続を執った。
 このうち不法入国者は9,251人で,そのうち航空機を利用した者は6,694人,船舶を利用した者は2,557人となっており,いずれも前年を上回った。
 不法就労者は3万4,325人で,依然として入管法違反者の多数が不法就労に従事,就労期間の長期化,不法就労者の定着化が続いている。
 不法就労者は,依然として首都圏を中心に東海道ベルト地帯に居住している一方,全国47都道府県において不法就労事実が確認されるなど地方への浸透が続いている。

 入管法違反事件
(1 )概況【退去強制手続を執った外国人は4万5,910人】〔別表1
   平成15年中に,全国の地方入国管理官署が出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)違反により退去強制手続を執った外国人は,4万5,910人で,平成14年(4万1,935人)より3,975人増加した。
違反事由別 入管法違反事件の推移

(2 )特徴【不法入国者は増加。不法残留者は依然多数】〔別表2
〈不法入国者は前年を上回り,航空機及び船舶を利用した不法入国者がともに増加〉
 不法入国者は9,251人で,平成14年(8,388人)よりも863人増加し,そのうち,航空機を利用した不法入国者は,平成14年(6,201人)と比較して8.0パーセント増加した6,694人で,船舶を利用した不法入国者は,平成14年(2,187人)と比較して16.9パーセント増加した2,557人となった。
不法入国事件の推移

  〈不法残留者は依然多数〉
     不法残留者は3万4,266人で,入管法違反者全体の74.6パーセントと依然として多数を占めている。

  〈国籍別では中国(台湾,香港,その他を除く。)が最多〉
     中国(台湾,香港,その他を除く。)が1万2,382人(全体比27.0%)と最も多く,平成14年と比較して3,095人増加しており,国籍別では初の第1位となった。
国籍別 入管法違反事件の推移

 不法就労事件
  (1 )概況【入管法違反者の約75パーセントが不法就労に従事】
     入管法違反により退去強制手続を執った外国人のうち,不法就労事実が認められた者は3万4,325人で,入管法違反者全体に占める割合は74.8パーセントと高い割合を示した。
不法就労事件の推移

  (2 )特徴 【不法就労者の国籍(出身地)は108か国と多国籍化】
     不法就労者の国籍(出身地)数は,近隣アジア諸国を中心に108か国と引き続き多国籍の様相を呈している。
 国籍別では,中国(台湾,香港,その他を除く。)が第1位で,以下,韓国,フィリピン,タイ,マレーシアの順となっており,地域別では,アジア州が91.3パーセントを占めている。
  (3 )構成
   性別・年齢別〔別表5
     平成12年までは男女比の縮小傾向が継続していたが,平成13年からは徐々にその差が広がり,平成15年は男性が2万274人で全体比59.1パーセント,女性が1万4,051人で全体比40.9パーセントとなり,その差が18.2ポイントとなった。
 年齢別で見ると,25歳以上では男性が過半数を占めているが,25歳未満では女性が過半数を占めている。
 また,20歳代が全体の25.6パーセント,30歳代が44.5パーセントを占めており,依然として働き盛りの年齢層が中心となっている。
   就労期間別〔別表7
     就労期間別で見ると,就労期間が「3年を超える」者が1万6,419人で,不法就労者全体の47.8パーセントを占め,このうち「5年を超える」者は1万498人で,不法就労者全体の30.6パーセントを占めるなど,前年に引き続き就労期間の長期化,不法就労者の定着化が続いており,特に男性についてその傾向が顕著である。
   稼働場所(都道府県)別〔別表9
     稼働場所(都道府県)別では,東京都の1万3,579人を最多に,関東地区1都6県(東京,埼玉,神奈川,千葉,茨城,群馬,栃木)で不法就労者全体の72.0パーセントを占め,愛知・大阪・静岡・長野・三重の各府県がこれに続くなど,依然として首都圏を中心に東海道ベルト地帯に居住している。その一方で,全国47都道府県において不法就労者の存在が確認されるなど地方への浸透が続いている。
   就労内容別〔別表10
     就労内容別では,男性は,建設作業者が5,426人で最も多く,次いで工員が5,146人となっている。女性は,スナック等で働くホステス等接客が4,873人で最も多く,次いで工員,ウェイトレス等給仕などの順となっている。
   報酬(日額)別〔別表1112
     報酬日額(月給,時給等受領した総報酬額を稼働日数で割り,日額に換算したもの)別では,「7千円を超え1万円以下」が1万3,324人と最も多く,次いで「5千円を超え7千円以下」が1万1,687人の順となっている。
 また,全体に対する割合で比較すると,前年に比べて「3千円を超え5千円以下」及び「5千円を超え7千円以下」が減少する一方,「7千円を超え1万円以下」及び「3万円を超え」が増加したことから,前年と比べて若干高賃金層へ移行している。


別  表  目  次

 1 入管法違反事件の推移
 2 不法入国者数の推移
 3 航空機を利用した不法入国者数の国籍別推移
 4 船舶を利用した不法入国者数の国籍別推移
 5 不法就労者数の推移
 6 不法就労者の年齢別構成
 7 不法就労者の就労期間別構成
 8 不法就労者の就労期間別推移
 9 不法就労者の稼働場所別構成
10 不法就労者の就労内容別構成
11 不法就労者の報酬(日額)別構成
12 不法就労者の報酬(日額)別推移

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