法務省

文字の大きさを変更する

拡大する

標準に戻す

色変更・音声読み上げ・ルビ振りを行うアクセシビリティツールを利用するかたはこちら

トップページ > 法務省の概要 > 各組織の説明 > 内部部局 > 入国管理局 > 統計に関するプレスリリース > 平成16年における難民認定者数等について > 3 難民認定制度を悪用したと思われる事例

3 難民認定制度を悪用したと思われる事例

別紙3

事例1】
 申請人は,200X年7月に本国において本人名義旅券を取得し,200Y年8月に同旅券の有効期間を延長して,A空港から「短期滞在」(90日)の上陸許可を受けて入国したが,200Z年7月には△△△派を信奉していることから,本国政府から迫害を受けるとして,難民認定申請を行ったものである。
 しかし,申請人は,後日,難民調査官のインタビューにおいて,本国では宗教的な問題はなく,帰国しても迫害を受けるおそれはないが,来日後の200Z年6月に稼動先の土木作業現場でショベルカーに挟まれ,指を切断してしまい,労働災害保険の受給及び治療の目途が付くまで本邦に在留したかったため難民認定申請を行った旨供述し,申請時の主張を覆したことから,難民条約上の難民に該当しないとして「不認定」とした。
 なお,申請人は,当該処分に対する異議申出を行わず,現在も本邦に不法残留中である。

事例2】
 申請人は,200X年5月に本国において本人名義旅券を取得し,同月にB空港から同旅券を行使して「短期滞在」(90日)の上陸許可を受けて入国したが,同年6月には△△△派を信奉していることから,本国に帰国すれば,警察官と軍から虐待され刑務所に入れられるおそれがあるとして,難民認定申請を行ったものである。
 しかし,申請人の国籍国においては,民主的な憲法の下,人種や宗教を理由とする差別等はないこと,申請人は,本人自身で旅券の申請を行い,当該旅券を行使して正規の手続を得て本国を出国しており,政府当局から迫害の対象として個別に把握されているとは認められないこと,また,インタビューにおいて,どうしたら本邦に滞在できるのか,日本人と婚姻したら滞在できるのかなどと難民調査官に質問し,本邦に合法的に滞在する手段として難民認定申請したことが認められるなど,真に迫害を受けるおそれを抱いている者の言動とは認められないことから,難民条約上の難民に該当しないとして「不認定」とした。
 なお,申請人は,当該処分に対する異議申出を行わず,現在も本邦に不法残留中である。

事例3】
 申請人は,200X年10月に本国において本人名義旅券を取得し,同月,A空港から同旅券を行使して「短期滞在」(90日)の上陸許可を受けて入国したところ,本国で兵役に就いていたときに,D人であることを理由に笑い者にされ投獄されたりしたことから,本国に帰国すれば迫害のおそれがあるとして,難民認定申請を行ったものである。
 しかし,難民調査官によるインタビューにおいて,「日本は夢の国であり,日本に残って働きたいと思うあまりに,難民認定申請書に現実を誇張したり,嘘を書いた,また,難民認定申請を行ったのは,日本に少しでも長くいるために申請した方がよいと聞いたからであり,日本で働きたい一心で申請を行っただけで難民性とは一切関係ない」と供述し,申請書における主張を覆した。そして,稼動していた○○会社は,社長をはじめとして多くの同国人が逮捕され,申請人も解雇されたことから,これ以上日本にいても仕事がなく惨めであり,本国に帰国しても何ら迫害を受けるおそれはないとして,早期帰国を求めて難民認定申請を取下げて帰国した。

 (注 )後日の調査から,同社では最近の2年間に139人の同一国籍人が口コミにより土建作業員等として雇われて不法就労しており,そのうち96人が難民認定申請を行っている事実が判明した。同社で不法就労して難民認定申請した者の多くは,申請中に調査も受けずに行方不明となったり,不認定処分通知後異議申出を行うことなく行方不明になったりしたほか,帰国した者もいるが,中には不法就労で得た金を銀行等を通じて本国の家族に送金し,また,同社が不法就労助長罪で摘発されて就労先がなくなり,政府の保護費を受けていた者までいたことが判明した。

事例4】
 申請人は,本国において反政府団体の青年部に所属し,また,軍事施設建設の反対集会の指導者として暴動に参加したことなどから,警察の捜索を受けたことがあり,そのため本国に帰国すれば,本国政府に逮捕されるとして,難民認定申請を行ったものである。
 申請人は,これらの主張を立証する資料として,申請人が警察の捜索を受けたことが記載された実名と写真入りの200X年1月YY日付け○○新聞の記事写しや申請人が数知れない逮捕,拷問及び拘留に苛まれてきたと記載された当該団体が発行した文書を提出した。
 しかし,申請人は,警察の捜索を受けたとする時以降,自身名義の旅券の発給を受け,その後警察等に逮捕されることもなく本国を出国しているほか,申請人は当該団体の活動方針すら承知しておらず,また,関係機関を通じて当該新聞記事の実物を取り寄せたところ,新聞記事の該当部分には,当該記事は掲載されておらず,代わりにまったく別人の記事が掲載されており,提出された新聞記事は写しを作成して差し替えられたものであり,また,当該記事を書いたとされる記者も実在しないことも判明した。
 さらに提出された新聞記事写し及び当該団体発行の文書では申請人が逮捕・拷問された旨の記載があるにもかかわらず,申請人は逮捕歴や拷問を受けた事実はないと供述するなど,記載内容に大きな誤りがあり,申請人の申立てには信憑性が認められず,難民条約上の難民に該当しないとして「不認定」とした。
 なお,申請人は,現在も不法残留中である。

ページトップへ