そんなとき法テラスがお役に立ちます

Vol.18 〜岩手県初の被災地出張所開所!!〜

平成24年3月10日,岩手県で初となる被災地出張所を大槌町に開所しました。

同出張所では,東日本大震災の被災者への法的支援のための拠点として,岩手弁護士会・岩手県司法書士会をはじめ,関係機関・地方自治体等の協力のもと,弁護士・司法書士のほか,4つの分野の専門家による無料相談をワンストップで行っています。

【法テラス東日本大震災関連情報 URL:http://www.houterasu.or.jp/eastjapaneq/news.html


法テラス大槌

●被災地出張所とは

法テラスでは,東日本大震災により甚大な被害を受けた地域等の被災地に,法的支援を行うための出張所を設置しています。平成23年10月から平成24年2月にかけて宮城県内に3か所の出張所を設置しており,大槌出張所は4か所目の出張所となります。

●法テラス大槌の概要

法テラス大槌では,弁護士・司法書士が週に4日常駐して無料法律相談を行っています。 また,週に1回,行政書士,税理士(隔週),社会保険労務士,社会福祉士による無料相談も実施しており,様々な分野にまたがる問題を1つの場所で相談することができます。

さらに,相談設備を備えた移動相談車両を配備し,仮設住宅等への巡回相談や来所が難しい方への出張相談も行っています。



《相談日程》

  • ●弁護士による無料法律相談 ――― 毎週月・水・金曜日
  • ●司法書士による無料相談 ――― 毎週火曜日
  • ●各種専門家による無料相談 ――― 毎週木曜日(税理士は隔週)
  • 【相談時間】10:00〜16:00 ※冬期(12月〜3月)は10:30〜15:30
日本司法支援センター 法テラス大槌
震災 法テラスダイヤル

●information●

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法制度整備支援の海外現場から
たかがチャート,されどチャート 〜ラオスで画期的なチャートを作ろう!〜

【ラオス法律人材育成強化プロジェクトをご存知ですか】

穏やかで優しい人々が,豊富な自然に囲まれて暮らすラオス。ここラオスで2010年7月に始まったプロジェクトが進行中です。現地の司法関係機関(裁判所,検察庁,司法省)の職員や国立大学の教員が、自分たちで,ラオスで必要な法律書を作る活動をしています。ラオスでは,法律を学ぶ学生が読む教科書も,実務家が参考にする文献もほとんどなく,法律家の人材育成が困難な状況にあります。私は検事ですが,現在,JICAの長期専門家としてラオスに赴任し,彼らと共に活動をしています。(あかれんがVol.3234も御覧ください)。

お寺で托鉢にお布施をする人々

【訴訟手続をチャートで表してみよう】

プロジェクトで最初の取組が,ラオスの民事訴訟手続,刑事訴訟手続の「チャート」を作ることでした。法律に書いてあることをチャートに表すだけだから簡単・・と思いきや,チャート作りの経験がないため,最初は,矢印が枝分かれすることなど,基本的な作り方から覚えなければなりませんでした。また,そもそも法律が明確でなく,かつ,不明確な部分をどのように考えるべきかという研究もほとんど行われていないため,チャート作りといえども意見が分かれて困難な作業でした。

チャート作りの様子

【チャート作りで得られたもの】

それでもようやくチャートが出来上がり,この活動を通して,様々な成果がありました。

 

チャートを作るノウハウを学ぶことができた(日本側が作ってあげるのではなく,自分たちで作ることを重視しました。実際,ラオス側は,今後は自ら改良できると述べています)。

 

法律が明確でない部分,どう解釈すべきか考えるべき部分などが明らかになった(これらは,今後の法改正や法理論の研究に反映されます)。

 

法律を学ぶ学生や司法に携わる職員を始め多くの人が訴訟手続を理解するのに役立つ(日本企業など外国人にとっても役に立つと思います)。

こうしたことの積み重ねにより,ラオスの人材育成能力が向上し,立法や司法の改善につながっていくと思います。

          

(ラオス長期派遣専門家 伊藤浩之)

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