CONTENTS

第17回法整備支援連絡会の開催について

1.法整備支援連絡会について

法務総合研究所では,独立行政法人国際協力機構(JICA)との共催で,法整備支援関係者間の情報共有や意見交換等の場として,また,法務総合研究所とJICAが共催する法制度整備支援の「国際会議」として,年に1回,法整備支援連絡会を開催しています。

第17回目を迎えた今年の法整備支援連絡会は,平成28年1月22日(金),法務総合研究所国際協力部国際会議室をメイン会場,JICA本部会議室をサテライト会場として行いました。政府機関,大学・研究機関,民間等から,これまで以上に幅広い参加者が集う盛会となりました。

赤根所長による開会挨拶の様子

赤根所長による開会挨拶

2.概要について

平成27年度のテーマは,「ASEANと法整備支援」でした。

東南アジア諸国連合(ASEAN)地域では,平成27年末に,経済,政治・安全保障,社会・文化の3分野で統合するASEAN共同体が発足するとともに,新たな統合目標である「ASEAN2025」が採択され,その中心となるASEAN経済共同体は大きな成長が見込まれ,今後,経済的なつながりを深めていく中で,ASEAN各国において,司法インフラの重要性が再認識されています。

また,昨年12月に,インドネシアで新規プロジェクトが開始されるなど,国際協力部が関与する法整備支援プロジェクトはASEAN地域内で広がりを見せておりますし,「開発協力大綱」においても,ASEAN地域に対する支援について「安定した経済社会活動の基盤となる法の支配促進等のための支援を重視する」等と明記されるなど,我が国政府としても,ASEAN地域における法制度整備支援の重要性を謳っています。

そこで,平成27年度は,法整備支援を含む日本のソフトインフラ支援の意義や,日本がこれまでにASEAN地域で実施した法整備支援が,各国にどのように貢献をしたのか,今後日本が果たす役割等について議論するため,第一部では,外務省参与,元インドネシア共和国駐箚日本国特命全権大使の鹿取克章様,日本国駐箚インドネシア共和国特命全権大使のユスロン・イーザ・マヘンドラ様から,それぞれ御講演をいただき,その後,住友商事株式会社常務執行役員の兵頭誠之様に加わっていただき鼎談していただきました。

続く第二部では,法の支配,法・制度改革等の研究者で,オーストラリアにおける日本研究の第一人者であるオーストラリア国立大学教授のヴェロニカ・テイラー様,ラオス最高人民裁判所労働部長のチャンタリー・ドゥアンヴィライ様,ベトナム弁護士連合会国際交流委員長のル・ティエン・ズン様から日本の法整備支援の課題や挑戦,これまでの日本の法整備支援と今後日本に求められるものなどについて御発表いただき,第三部では,3人の方々に加えて,JICA,法務総合研究所からもそれぞれ1名がパネルディスカッションに加わり,横田洋三法務省特別顧問の進行のもと,20年にわたる日本の法整備支援の実績を踏まえ,ASEAN諸国を中心とする日本の法整備支援が今後どのように発展していくべきか,国際社会の安定的成長や健全な社会形成にどのように貢献すべきか等について,日本型アプローチの特徴も含め,パネリスト及び会場参加者の間で議論がなされました。

全体を通じて活発に議論が行われ,第17回法整備支援連絡会も盛況のうちに幕を閉じました。なお,法整備支援連絡会の詳しいプログラム内容は,法務省ホームページ(国際協力部のページ)に掲載されていますので,御覧ください。

3.法整備支援に興味のある方へ

法整備支援連絡会は,毎年1月頃に開催されています。開催日が近くなりますと国際協力部のホームページから参加申し込みができますので,興味のある方は,是非,アクセスしてください(参加費無料)。

法整備支援連絡会 全体討議の様子

全体討議の様子

法整備支援連絡会 被招へい者による報告の様子

被招へい者による報告

(法務総合研究所国際協力部)