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第2節 満期釈放者対策の充実強化

第2節 満期釈放者対策の充実強化

 加速化プランでは、満期釈放者対策の充実強化として、生活環境の調整の充実強化や仮釈放の積極的な運用などの具体的な取組を進めることとされているところ、2020年度(令和2年度)には、法務省において「満期釈放者対策ガイドライン」(以下、本特集において「ガイドライン」という。)を定め、刑事施設入所時から釈放後の更生緊急保護の実施までの取組における一連の手続を効果的に進めていくための指針を示している。

 ガイドラインのうち、刑事施設に関する内容としては、生活環境の調整・調査の充実強化を図るため、更生保護官署に対する受刑者情報の速やかな共有や必要な協力を行うほか、仮釈放の積極的な運用のため、帰住地が定まらない受刑者に対する助言・指導の実施、行状不良等により仮釈放の申出を取り下げた受刑者の再申出の検討、更生保護官署に対する満期釈放予定者に関する情報提供等がある。

 また、更生保護官署に関する内容としては、仮釈放後の保護観察期間の確保等を意識した生活環境の調整の早期開始や地方更生保護委員会が行う調査・調整の拡充、満期釈放も見据えた継続的な調整の実施等がある。さらに、出所後の福祉的支援につなげる特別調整※8においても、仮釈放を見据えた計画的な調整を行うほか、釈放後の更生緊急保護においては、金品の給貸与等の一時的な措置だけでなく、円滑な社会復帰を促進するため、関係機関等と連携した継続的な支援を積極的に実施することとしている。

 本節では、これらの取組を始めとして、第1節の各種指標が示した満期釈放者の抱える課題に対応する取組を紹介する。

  1. ※8 特別調整
    施策番号36】参照。