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第1節 就労の確保等

4 協力雇用主の活動に対する支援の充実

(1)協力雇用主等に対する情報提供【施策番号10】

 法務省は、厚生労働省と連携し、刑務所出所者等の就労支援に係る各種制度を紹介するパンフレットを作成し、協力雇用主等に配布して更なる理解促進に努めている。加えて、保護観察所では、協力雇用主を対象とした研修等を実施し、協力雇用主として承知しておくべき基本的事項や雇用管理上の留意すべき事項について情報提供を行っているほか、実際に刑務所出所者等を雇用する上でのノウハウや活用できる支援制度、危機場面での対処法等について、協力雇用主が相互に情報交換を行っている。

 また、協力雇用主が刑務所出所者等を雇用する上で必要な個人情報については、保護観察所において、当該刑務所出所者等から同意を得た上で提供している。

(2)協力雇用主の不安・負担の軽減【施策番号11】

 法務省は、刑務所出所者等が雇用主に業務上の損害を与えた場合等に見舞金が支払われる身元保証制度(資2-11-1参照)の活用、刑務所出所者等と雇用主の双方への寄り添い型の支援を行う更生保護就労支援事業(【施策番号5ウ】参照)の実施、刑務所出所者等を雇用して指導に当たる協力雇用主に対して、年間最大72万円を支給する刑務所出所者等就労奨励金支給制度(資2-11-2参照)の活用及び受刑者の採用面接等を行う協力雇用主等に対する、面接時の矯正施設までの旅費の支給等により、協力雇用主の不安や負担の軽減を図っている。刑務所出所者等就労奨励金支給制度においては、2022年度(令和4年度)から、他の年齢層と比べて、職場定着に困難を抱えやすい18・19歳の者を雇用し、かつ、その者に対して手厚く指導に当たる協力雇用主に対して、加算金を支給する制度を新たに導入し、協力雇用主への支援の更なる充実に努めている。2021年度(令和3年度)は、身元保証を1,544件(前年度:1,753件)、刑務所出所者等就労奨励金の支給を3,213件(前年度:3,321件)実施した。

 加えて、2018年度(平成30年度)からは、企業がコレワーク(【施策番号5イ】参照)に無料で電話相談ができる無料通話回線を開設しているほか、コレワークに刑務所出所者等の雇用について豊富な知見を持つ雇用支援アドバイザーを招へいして就労支援に係る相談会を実施するなど、刑務所出所者等を雇用する企業の不安、負担の軽減等に努めている。

資2-11-1 身元保証制度の概要
資2-11-1 身元保証制度の概要
資2-11-2 刑務所出所者等就労奨励金支給制度の概要
資2-11-2 刑務所出所者等就労奨励金支給制度の概要

(3)住居を確保できない者を雇用しようとする協力雇用主に対する支援【施策番号12】

 法務省は、身元保証制度(【施策番号11】参照)により、刑務所出所者等が負担する住宅関連費用を事業主が立て替えたまま返済されず未回収となった場合、当該事業主に一部見舞金を支給するなどの支援を行っている。

(4)協力雇用主に関する情報の適切な共有【施策番号13】

 法務省及び厚生労働省は、各府省における協力雇用主に対する支援の円滑かつ適切な実施に資するよう、協力雇用主募集パンフレット及び協力雇用主募集ポスター(いずれも【施策番号7】参照)を作成し、関係省庁に配布した上で、これを活用した積極的な広報を依頼している。

 また、協力雇用主に関する情報を法務省ウェブサイトに掲載し、随時更新や見直しを行っている。