集まれ学生 〜シンポジウム「サマーシンポ『私たちの法整備支援2011』」〜

法務総合研究所では,名古屋大学,慶応大学,神戸大学等と共催で,平成23年9月2日,学生に向けたシンポジウム「サマーシンポ『私たちの法整備支援2011』」を実施しました。


1 なぜ,学生に向けたシンポジウムを開催するの?

日本がベトナム・カンボジアなどの国々の法制度整備の支援を開始したのは,1990年代の半ばで,既に十数年が経過しました。その間に日本が行ってきた法制度整備支援は,相手側の立場に立った支援として高い評価を得ています。今後も質の高い支援を続けるためには,次の世代を担う若い学生の人材の育成を図り,日本の支援が必要とされていることを知ってもらい,また,これまでの経験やノウハウを受け継いでもらう必要があります。

そこで,法務総合研究所では,人材育成の一環として,多くの学生が主体的に参加する機会を提供するため,平成20年から毎年夏に,学生向けのシンポジウムを開催し,今回で3回目の開催となります。

2 シンポジウムは,どんな様子だったの?

今回は,大阪中之島合同庁舎(大阪市福島区福島)2階の国際会議室で開催し,約60名が参加しました。なお,広く参加できるように慶応大学,名古屋大学ともテレビ会議システムでつなぎ,両会場からも多くの学生が参加しています。

シンポジウムは,あらかじめ出題していた課題に対する学生の研究発表,意見交換というプログラムでした。

「日本が過去に行った法制度整備支援を取り上げて分析した上,より良い支援を企画して発表してください。」といった課題に対し,慶応大学の学生3チーム,名古屋大学の学生1チームの合計4チーム(計23名)が応募し,果敢に挑戦してくれました。研究発表では,いずれも世界に目を向けた,独創的で若者らしい発表がされ,その後,会場の参加者と意見交換がされました。

発表者はもとより,会場の参加者においても,主体的にシンポジウムに参加して意見を述べることで,互いに大きな刺激を受け,さらに法制度整備支援への興味を持っています。

シンポジウムの様子

3 もっと詳しく知るには?

過去2回のシンポジウムの実施状況は,法務総合研究所国際協力部報「ICD NEWS」に掲載しています(2009年12月・第41号,2011年3月・第46号)。また,本シンポジウムについても,「ICD NEWS」に掲載予定です(2011年12月・第49号)。そのほか,法制度整備支援については,法務総合研究所国際協力部のHPでもご覧いただけます。


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第5回GGセミナーが法務省大会議室で開催されます

GGセミナーは,国連アジア極東犯罪防止研修所(略称「アジ研」又は「UNAFEI」)が,2007年から毎年1回,開催している会合です。「良い統治」のことを英語でグッド・ガバナンスと言いますが,会合の名称はそこから採られています。本セミナーは,東南アジア諸国における「法の支配」と「良い統治」の確立に貢献することを目的としており,東南アジア8か国(カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,タイ,フィリピン,ベトナム)の刑事実務家を招へいし,毎年異なるテーマを設定して,腐敗対策に関する議論を行っています(詳細は,アジ研ホームページをご覧ください。)。

第1回,第2回はバンコク(タイ),第3回,第4回はマニラ(フィリピン)で開催しましたが,今回,初めて開催地を日本に移し,12月7日(水)〜9日(金),法務省大会議室において開催予定です。開催規模も従来の2倍に増やし,上記8か国から各2名の実務家を招へいすることとしています。

第5回GGセミナーのテーマは,「腐敗防止:行政上及び刑事司法上の効果的な方策」というものです。上記8か国の実務家16名のほか,国連及び香港の腐敗対策の専門家,我が国の関係省庁の担当者等も招へいし,腐敗対策,その中でも予防のための方策に焦点を当てる予定です。会合の結果については,来年1月下旬発行予定のあかれんが37号にて紹介予定ですので,是非ご覧ください。

第4回GGセミナー集合写真(2010年,フィリピン・マニラ)
同セミナー開催風景

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