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平成25年版犯罪白書について

犯罪白書

○ 犯罪白書とは?

犯罪白書は,犯罪の動向や犯罪者の処遇の状況について,統計資料に基づいて説明しているものです。昭和35年から毎年発刊されており,犯罪対策を検討するための基礎的な資料としての役割を担っています。


○ 犯罪情勢は?

刑法犯の認知件数(警察が被害届などを受けて犯罪の発生を把握した件数)は,平成14年に戦後最高の約369万4,000件を記録しましたが,その後は10年連続で減少し,平成24年は約201万5,000件となっています。罪名別では,窃盗が約半数と最も多く,窃盗の認知件数も10年連続で減少しています。

刑法犯 認知件数・検挙率の推移


刑法犯 認知件数・検挙率の推移 (昭和21年から平成24年)のデータグラフ


○ 再犯の現状は?

再犯の状況を見ると,近年,一般刑法犯(刑法犯全体から自動車運転過失致死傷等を除いたもの)の検挙人員については,初犯者も再犯者(前に道路交通法違反を除く犯罪により検挙されたことがあり,再び検挙された者)も減少していますが,初犯者は大きく減少しているのに対し,再犯者の減少はわずかな数に留まっています。そのため,再犯者率(検挙人員に占める再犯者の比率)は,平成9年から上昇し続け,平成24年には約45%になりました。そこで,近年,再犯防止が犯罪対策を検討する上での重要なテーマとなっており,犯罪対策閣僚会議(首相官邸ホームページ)においても,平成24年7月に「再犯防止に向けた総合対策(法務省ホームページ)」が策定されるなど,効果的な再犯防止対策を推進するための取組が実施されています。

一般刑法犯 検挙人員中の再犯者人員・再犯者率の推移


一般刑法犯 検挙人員中の再犯者人員・再犯者率の推移(平成5年から24年)のデータグラフ


○ 今回の特集は?

犯罪白書では毎年特集を組んでいます。今回は,「女子の犯罪・非行」と「グローバル化と刑事政策」の二つの特集を組んでいます。


○ 女子の犯罪者の再犯防止のために必要なことは?

女子の入所受刑者は,この20年間で2倍以上に増加し,高齢化が男子以上に顕著であることや,女子受刑者の大半が窃盗や覚せい剤取締法違反によるものであることなどが明らかになりました。それぞれの問題点等に応じて,適切な就労指導,家族等との関係調整などによる帰住先の確保,薬物再使用防止の指導などの処遇を充実させることが必要と考えられます。


○ グローバル化に伴う外国人犯罪の情勢は?

外国人の新規入国者数や在留外国人数は平成の初め頃から大幅に増加していますが,不法滞在者数や来日外国人による一般刑法犯の検挙件数はいずれも減少しており,来日し,在留する外国人により,犯罪情勢の悪化は招いていないと認められます。ただし,居住・定住型の外国人犯罪者の中には,刑務所出所後も日本にとどまる者がいることなどが明らかになっており,これらの者に対して,再犯防止・社会復帰支援策を実施することが重要であると考えられます。


○ もっと犯罪白書の内容を知りたい場合は?

法務省のホームページで閲覧できるほか,官報販売所などで購入できます。

高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度を見直しました

法務省は,「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度」を平成24年5月に導入しました。

ポイント制では,「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つの活動類型を設定し,それぞれの特性に応じて,学歴や職歴,年収などの項目ごとにポイントが設けられています。ポイントの合計が,一定の点数以上に達した方に,出入国管理上の優遇措置を与えることにより,高度な資質や能力を有する外国人労働者の我が国への受入れを促進することを目的としています。

「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つの活動類型と詳細

ポイント制については,制度開始後の実施状況等を元に,法務大臣の私的懇談会である第6次出入国管理政策懇談会からの提言や,日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)を踏まえて制度の見直しを行いました。

見直しを措置する改正法務省告示が平成25年12月17日(火)に公布され,同月24日(火)から施行されています。

見直しの具体的な内容は次のとおりです。


<高度人材の認定要件について>
年収要件 ①高度学術研究活動について最低年収基準を撤廃する。
②高度専門・技術活動及び高度経営・管理活動について,年齢別の最低年収基準を撤廃し,全年齢に共通の基準として300万円に引き下げる。
本邦の所属機関以外の機関からの報酬であっても外国人が海外の事業所から派遣される場合には当該外国人が当該事業所から受ける報酬を「年収」に算入する。
研究実績 高度学術研究活動において,「研究実績」に係るポイントを次のとおり引き上げる。
①研究実績が1つの場合は,現行の15点を20点とする。
②研究実績が2つ以上の場合は,現行の15点を25点とする。
日本語能力 「日本語能力」に係るポイントを,現行の10点から15点に引き上げる。
日本での
留学経験
「日本の高等教育機関の学位取得」に係るポイントを,現行の5点から10点に引き上げる。
資格等に
係る加算
①一定の専門職学位(MBA,MOT)について,学位としての加点に加え,更なる加点対象とする(5点)。
②一定の外国の資格,表彰等を加点対象とする(5点)。
中小企業に係る加算 ①外国人が所属する企業がイノベーション促進支援措置を受けている場合に,現行で10点加点しているところ,当該企業が中小企業である場合には,さらに10点加点する。
②外国人が,試験研究費等比率が3%超の中小企業に所属している場合には5点を加点する。
認定対象 1年未満の在留予定者も高度人材ポイント制の対象者とする。

<付与される優遇措置について>
親の帯同 親の帯同のための年収要件を,現行の1,000万円から800万円に引き下げる。
親の帯同について,高度人材の子を養育する場合だけでなく,高度人材本人又は配偶者が妊娠中の場合においても可能とする。
親の帯同が認められる子の年齢を,現行の「3歳未満」から「7歳未満」に引き上げる。
親の帯同のための実子要件を撤廃し,養子の養育目的であっても親の帯同を可能とする。
親の帯同のための実親要件を撤廃し,養親についても帯同可能とする。
家事使用
人の帯同
家事使用人の帯同のための年収要件を,現行の1,500万円から1,000万円に引き下げる。
親・家事
使用人の帯同
親又は家事使用人の帯同のための年収要件について,高度人材外国人の配偶者の年収を合算して評価する。
本邦の所属機関以外の機関からの報酬であっても外国人が海外の事業所から派遣される場合には当該外国人が当該事業所から受ける報酬を「年収」に算入する。

制度の詳細についてはこちらを御覧下さい。

「高度人材ポイント制による出入国管理上の優遇制度」特設サイト