「平成23年版犯罪白書」について

平成23年版犯罪白書

昨年12月,平成23年版犯罪白書(写真下部参照)が発刊されました。犯罪白書は,我が国の犯罪の発生状況や犯罪者の処遇などについて紹介するために,昭和35年から,毎年刊行されているものです。また,犯罪対策を検討するための基礎的な資料としての役割もあり,注目すべきテーマについて特集を組み,調査や分析を行っています。

○ 治安情勢はどうなっている?

我が国は,戦後の高度成長期以降,世界で一番安全な国であることを誇ってきました。ところが,平成に入った頃から,犯罪状況は悪化の一途をたどり,刑法犯の認知件数(警察が被害届などを受けて犯罪の発生を把握した件数)は,平成14年に約369万件を記録しました。その後は毎年減少し,平成22年には約227万件となりましたが,戦後を通じてみれば,まだ相当高い水準にあります(次図参照)。


図 刑法犯 認知件数・検挙率の推移(昭和21年〜平成22年)

注 1 警察庁の統計による。

2 昭和30年以前は,14歳未満の少年による触法行為を含む。

3 昭和40年以前の一般刑法犯は,業務上過失致死傷及び重過失致死傷を除く刑法犯である。


○ 今回の特集は?

近年の犯罪白書では,「再犯」をテーマとして様々な分析を行ってきましたが,その中で,再犯を防止するためには,少年・若年者に対する処遇が重要であることが分かってきました。そこで,今回の特集では,非行少年や若年犯罪者に焦点を当て,その非行・犯罪の実態や再犯の要因,立ち直りを促す要因などについて分析を行いました。


○ 少年・若年者の再犯防止のために必要なことは?

再犯を防止するためには,まず,本人に規範意識を身に付けさせたり,更生意欲を高めたりするほか,対人関係能力を向上させる指導を行うなど,本人が持っている問題性を改善する必要があります。また,関係機関が緊密に連携しながら,社会復帰に向けた指導や支援を,少年期から若年期にかけて継続的に実施していくことが必要です。そして,改善更生には様々な困難が伴いますので,立ち直りを目指す少年・若年者に対しては,刑事司法機関だけでなく,家庭や学校,職場,地域社会等によるサポートが大きな意味を持つと考えられます。


○ もっと詳しく知りたいときは?

犯罪白書は,政府刊行物サービス・センターなどで購入できるほか,法務省のホームページでも閲覧できます。販売されている近年の犯罪白書には,各図表の作成に用いた数値などが収録されたCD−ROMが付いていますので,併せて御活用ください。また,日本語版の発刊後は,英語版(写真上部)も作成され,法務省のホームページに掲載されています。


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