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第1回日本・バングラデシュ共同研究を実施しました

法務総合研究所では,平成28年10月12日から同月18日まで,バングラデシュ人民共和国のアニスル・ホック法務・司法・議会担当大臣(日本の法務大臣に相当)以下7名をお迎えして,第1回日本・バングラデシュ共同研究を実施しました。

共同研究実施の背景

法務省は,国際協力の一環として,ベトナム社会主義共和国,カンボジア王国等の開発途上国を対象に,法律案の作成や法律家養成等を支援する法制度整備支援を実施しており,法務総合研究所は,同支援業務を担当しています。

バングラデシュは,日本より多い約1億6000万人の人口を有し,近年は安定した経済成長率を誇る国であり,日本企業の進出が増えてきている上,平成26年には,安倍晋三首相とバングラデシュのシェイク・ハシナ首相の相互訪問により,日本・バングラデシュ間で「包括パートナーシップ」が締結され,経済分野に限らず,今後,ますますバングラデシュとの交流は盛んになることが見込まれています。

このような中,当研究所では,同国に対する法制度整備支援の在り方を検討してきました。その上で,日本・バングラデシュ両国の司法制度などを比較し,両国法務・司法関係者間の信頼関係の構築を図り,今後,同国への支援を本格化させるため,共同研究を実施することとしました。

共同研究の内容

日本は,首都の東京だけではなく,各地の法務・司法関係機関が充実していることから,ホック大臣らは,東京のほか,大阪,京都及び広島を訪れ,各地で関係機関を訪問されました。

法務省関連機関では,広島高等検察庁,大阪高等・地方検察庁の他,東京で法務総合研究所を訪問され,最後に金田勝年法務大臣を表敬訪問されました。司法機関では,最高裁判所を訪問されました。そのほか,独立行政法人国際協力機構(JICA)本部,広島市役所,京都大学及び法律事務所(東京)にも訪問されました。

ホック大臣らは,どの訪問先においても,日本の法務・司法機関の果たす役割や司法制度,実務の運用等について大変深く興味を示され,意見交換は非常に活発なものとなりました。また,ホック大臣は,今年7月1日にバングラデシュの首都ダッカで発生した事件について,深い哀悼の意を示されるとともに,事件の解決や同種事件の防止等について法務・司法機関が果たす役割の重要性について言及されていました。

金田法務大臣と握手するホック大臣の写真

金田法務大臣と握手するホック大臣(右)

京都大学で学生に講義するホック大臣の写真

京都大学で学生に講義するホック大臣

(手前はダッカ大学法学部長のタスリマ・モンスール氏)

共同研究を終えて

今回の共同研究は,関係者の皆様の御協力もあり,有意義な意見交換を伴った,非常に充実した内容となりました。

今後,バングラデシュに対する法制度整備支援は本格化していきますが,今回の共同研究で築くことができた信頼関係をベースに,両国にとって意義のある協力が行えるように,法務省としても尽力していきます。

本共同研究の参加メンバーの写真

本共同研究の参加メンバー(広島高等検察庁・酒井検事長を囲んで)