矯正施設内に設置された診療所(又は病院)の管理者として、被収容者の健康診断を実施し、疾病に罹患した者に対する冶療を行います。また、施設内の保健・衛生管理を行い、感染症の蔓延等を防止することも重要な役割です。被収容者に対する医療全般について第一次的に対応しますので、総合診療医的な位置付けですが、医療刑務所などでは、専門医として、全国から移送される患者の治療を行います。被収容者の健康管理は、再犯防止のための各種改善指導等の基盤です。
矯正施設は、犯罪者や非行少年を社会から隔離するだけでなく、社会復帰すなわち釈放後の住居確保、就労支援を含めた再犯防止まで視野に入れなければなりません。それらの前提としての心身の健康はなくてはならないものです。
矯正医官としてのやりがいは、単に医師としての技能を発揮するだけに留まらず、司法、医療、福祉、教育、心理などの他職種との連携の下に全人的な関わりができること、創意工夫を要するチャレンジングな課題が山積していること、人々の安全を守る最後の砦として社会貢献しているという自負が持てることです。
(給与・手当を含む・令和5年の全矯正医官の平均支給額)
一般職の職員の給与に関する法律に基づき、医療職俸給表が適用され、経験年数等に応じて給与が決定されます。また、扶養手当、住居手当、通勤手当、期末・勤勉手当、超過勤務手当などが支給されます。
希望により、施設に隣接する宿舎に無料で入居することができます。
個々の矯正施設の事情にもよりますが、矯正医療に必要な能力の維持向上に資するものである場合、平日勤務時間(38時間45分)のうち最大19時間までを外部医療機関や大学等における調査研究や医療技術向上を目的とする時間に充てることが可能です。
国家公務員の医師の中で、矯正医官については、兼業の特例が認められています。
勤務時間の内外を問わず、報酬を得て外部医療機関等で診療を内容とする兼業を行うことが可能です。
※勤務時間内の兼業は、1週間当たり19時間が限度となります(その分の給与は減額されます)。
通常の勤務時間は8時30分から17時までですが、自己申告に基づき、勤務開始時間と終了時間を変更することが可能です。
矯正施設外での調査研究や兼業が柔軟に認められています。また、フレックスタイム制により、柔軟な勤務時間配分が可能です。
臨床医療に従事しつつ、調査研究をされたい方には最適な職場です。
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子育てをしながら働いてみませんか?
仕事と家庭を両立させる仕組みがたくさん整備されています。
刑務所、少年刑務所及び拘置所を総称して、「刑事施設」と呼んでいます。このうち、刑務所及び少年刑務所は、主として受刑者を収容し、処遇を行う施設であり、拘置所は、主として刑事裁判が確定していない未決拘禁者を収容する施設です。
医務部(医療部)や医務課などが設置され、病院又は診療所が開設されています。
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少年院は、家庭裁判所から保護処分として送致された少年に対し、健全な育成を図ることを目的として矯正教育、社会復帰支援等を行う施設です。
少年院にも医務課が設置され、診療所等が開設されています。
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少年鑑別所は、(1)家庭裁判所の求めに応じ、鑑別対象者の鑑別を行うこと、(2)観護の措置が執られて少年鑑別所に収容される者等に対し、健全な育成のための支援を含む観護処遇を行うこと、(3)地域社会における非行及び犯罪の防止に関する援助を行うことを業務とする施設です。
規模の大きな少年鑑別所にのみ、医務課が設置されています。
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