矯正医官からのメッセージ(内科)

矯正医官からのメッセージ(内科医師)
●50歳代①

pixta_18860466 私は、平成元年に大学を卒業し、2年間の初期研修の後、母校の消化器内科の医局に入局しました。4年が過ぎたところで教授から「刑務所で働くように。ただし、研究は今までどおり続けること。」と言われて某刑務所で勤務することになりました。
 所属する肝臓グループの外来や肝生検などはそのまま継続しましたが、医局の病棟・外来当番などは免除されましたので、研究に割ける時間は減りませんでした。ラットや培養細胞などの生き物を相手にした実験であれば多少影響があったのかもしれませんが、分子生物学の実験をやっていたので、空いている時間にいつでもできるため全く影響はありませんでした。家族が増えた時期でもあったので、大学の助教の先生よりも余程高い給与も助かりました。最近は、矯正医官特例法のおかげで、勤務時間の自由度も広がり、兼業がしやすくなるなど、収入面では更に改善がなされております。
 現在は入職して約21年となり、平成15年4月から医務部長となって所内の管理業務も増え、大学へは肝臓外来に行くだけになりましたが、矯正医療というものに色々な面白さを感じています。まず、良くも悪くも最初から最後まで診なくてはなりません。一般の医療では自分で判らなければ専門医に紹介して最終的な結果が見えないことも多いと思いますが、刑務所では専門医の診断が必ず手元に返ってくるため、オールラウンドな実力が付きます。また、千人程度を対象にしていますので、比較的レアな疾患にも向き合う経験ができます。加えて、刑務所では、患者の食住も目の前にあるので、給食を通じた食への介入、産業医としての職場への介入など、病院の外来からは見えない実践現場が目の前に広がっているという面白さがあります。
 「刑務所なんて怖いのでは」と思われるかもしれません。しかし、そんなことはありません。もちろん診察の現場には必ず刑務官が立ち会いますが、それ以前の問題として普通にコミュニケーションが取れる能力があれば、受刑者も普通の人間ですから、いきなり向かってくるようなことはありません。親身になって医療を行っていれば、自然と慕われるようになるのはどこでも同じです。
 是非、貴方も我々と一緒に働いてみませんか。

●50歳代②

imasia_14184548_l 矯正医療に従事する医師の役割は、被収容者の社会復帰(出所)を見据え、収容期間中の彼らの健康維持をサポートすること、平たく言えば被収容者の病気の治療です。矯正医療は非営利活動なので、収支や採算への配慮あるいはレセプト等の書類作成といった煩わしい業務はなく、純粋に医療技術を提供することだけに専念できます。ただし発生する医療費は全て国の税金で賄われるため、国民感情を考慮した節税意識も必要となり、そのさじ加減が難しいという一面はあります。
 就業は原則として定時終了で、フレックスタイムを用いることも可能です。世間の医師に比べやや低賃金ではありますが、兼業することでその差を縮めることも可能となりました。矯正医療は重要な国策の一つであり、それに携わることは立派な社会貢献活動を行うことであると考えます。
 適度な仕事量で社会貢献しつつ、ほどよいワークライフバランスの実現が可能な職場であると思います。

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