
第1節 民間協力者の活動の促進等
(1)民間ボランティアの活動に関する広報の充実【施策番号88】
警察は、2021年(令和3年)4月現在、少年警察ボランティアとして、少年補導員約4万8,000人、少年警察協助員約220人及び少年指導委員約6,300人を委嘱しているほか、2021年3月現在、大学生ボランティア約5,700人が全国で活動している。地域住民等の間にこれらのボランティアの支援活動等に協力する気持ちを醸成するため、新聞・テレビを始め、警察のウェブサイト※1や広報誌(紙)等を通じて、活動に関する広報を行っている。
法務省は、“社会を明るくする運動”(【施策番号101】参照)の広報・啓発行事や、ツイッター等のソーシャルネットワーキングサービス(法務省(https://twitter.com/MOJ_HOUMU)、法務省保護局(https://twitter.com/MOJ_HOGO、https://www.instagram.com/moj_kouseihogo/))を通じて更生保護ボランティア(【コラム8】参照)の活動を紹介したり、啓発資材を作成・配布したりすることによって、更生保護ボランティアの活動に関する広報の充実を図っている。
2020年(令和2年)7月には第70回“社会を明るくする運動”強調月間キックオフイベントを、また2020年11月には芸能事務所とのコラボレーションイベント「もっと知ってほしい!BBS会」を開催し、著名人と更生保護ボランティアによるトークイベントを行った。そのほか、全国各地で若年層を含む幅広い年齢層を対象とする広報活動を行った。
また、2019年(令和元年)5月総務省及び法務省は、連名により、地方公共団体に対し、保護司の人材確保等の保護司活動に対する一層の理解と協力について依頼を行った。
(2)更生保護ボランティアの活動を体験する機会の提供【施策番号89】
法務省は、2016年度(平成28年度)から、保護司活動インターンシップ制度を導入している。この制度は、保護司会が地域住民又は関係機関・団体に所属する人等に保護司活動を体験する機会を提供することにより、地域住民等の保護司活動に対する理解と関心を高め、保護司の確保に資することを目的としている。
2020年度(令和2年度)も、地域の実情に応じたインターンシップを実施し、保護司会が実施する自主研修や犯罪予防活動等への参加をきっかけに、保護司活動等について理解が深まり、実際の保護司の委嘱につながるなど一定の成果が見られたことから、引き続き同制度を続けていくこととしている。
(3)保護司候補者検討協議会の効果的な実施等【施策番号90】
保護司候補者検討協議会は、保護区内の保護司候補者を広く求め、必要な情報の収集及び交換を行うことを目的として、保護観察所と保護司会が共同で設置する協議会である。同協議会は、保護司のほか、町内会又は自治会関係者、社会福祉事業関係者、教育関係者、地方公共団体関係者、地域の事情に通じた学識経験者等に参加の協力を得て開催されている。
法務省は、保護司会と協力し、同協議会において保護司適任者に関する有益な情報が得られるよう、地方公共団体の職員等、地域の実情をよく把握した人を協議会委員として選定したり、特に保護司が必要な区域を対象に同協議会を開催したりするなどの取組を行っている。また、地方再犯防止推進計画の策定に向けた地方公共団体に対する働き掛けなどの機会を通じ、地方公共団体に対して、保護司活動の意義についてより一層の理解と協力を要請している。
また、2019年(平成31年)3月に法務省と保護司の全国組織である更生保護法人全国保護司連盟が共同して策定した「保護司の安定的確保に関する基本的指針(改訂版)」(資6-90-1参照)においても、保護司活動インターンシップ(【施策番号89】参照)や同協議会を積極的に運用することとしているほか、2019年度(令和元年度)は、保護司適任者の確保に関し、若年層を含む幅広い年齢層や多様な職業分野の国民に対して保護司活動等について効果的に訴求する方策について調査研究を実施し、調査結果を取りまとめたマニュアルを作成した(資6-90-2参照)。
さらに、2020年(令和2年)2月に法務省と更生保護法人全国保護司連盟が共同で「保護司の適任者確保のための緊急行動宣言」を行い、2020年度は、更生保護官署と保護司組織がより緊密に連携し、保護司の適任者確保に向けた取組を緊急的かつ強力に推進するため、地方対策本部の設置を進めた。


- ※1 警察庁ウェブサイト「少年非行対策」URL
(https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/syonen/index.html)