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人権擁護推進審議会の「人権擁護委員制度の改革に関する論点項目」に対する意見募集の結果について

平成13年11月9日

1  意見募集期間

平成13年9月11日(火)から10月31日(水)まで

2  募集方法

書面(郵送,ファクシミリ)及び電子メールにより,10の論点ごとに募集した。

3  応募状況

(1)通数 25,621通
  内訳  
  ・書面(郵送,ファクシミリ) 25,165通
  ・電子メール 456通
     
(2)意見数(意見の内容ごとに数えたもの) 42,666件
  内訳  
  ・「1の(1) 人権擁護委員制度の今日的意義」に関して 6,718件
  ・「1の(2) 人権擁護委員の果たすべき役割」に関して 3,450件
  ・「2の(1) 人権擁護委員の選任」に関して 14,997件
  ・「2の(2) 人権擁護委員の研修」に関して 3,085件
  ・「3の(1) 人権擁護委員の活動方法」に関して 1,446件
  ・「3の(2) 人権擁護委員の待遇」に関して 1,971件
  ・「3の(3) 人権擁護委員の組織体の役割」に関して 2,440件
  ・「3の(4) 市町村等との連携協力」に関して 2,046件
  ・「3の(5) 人権擁護委員制度の周知」に関して 6,259件
  ・「4その他」に関して 254件

4 意見の内容

5  意見の概要

  (1)  「1の(1)人権擁護委員制度の今日的意義」に関して(意見の一覧
     人権擁護委員制度の現状に関しては,
     地元の名士が選ばれており,所詮名誉職である。
     専門的な力量を十分に有していない人権擁護委員では,十分な救済ができない。
     現在の人権擁護委員制度では,具体的な救済が不可能である。
     同和差別に対して人権擁護委員の解決への助言など皆無である。
    などの意見が寄せられた。
     人権擁護委員制度をどのように位置付けるか,又は変えていくべきかに関しては,
     制度そのものを抜本的に改める必要がある。
     現在の人権擁護委員制度は廃止し,人権擁護委員は,人権委員会の下で,人権尊重思想の普及活動及び人権委員会への救済申立てを援助する市民団体として再組織すべきである。人権擁護委員の中から,救済活動の経験が豊かな者を人権委員会の調査官・調停官等として登用すべきである。
     一定の専門性を持つとともに,常勤的に相談に乗ることができる条件整備をする必要がある。従来の制度と根本的に異なっていることを明確にするために,名称を「人権相談員」等に改める必要がある。
     現行の人権擁護委員制度を抜本的に改編し,人権問題に関する有給の専門職である「人権ソーシャルワーカー」を新設すべきである。「人権ソーシャルワーカー」に協力し,地域における人権問題を発掘するボランティアとして,「人権促進市民ボランティア」制度を創設する。
     これまでの特色をいかしつつ,公権力や社会的権力等による人権侵害事案を監視し,国民の人権擁護を図る人権監視委員(人権オンブズパーソン)制度へ転換すべきである。
     人権文化の構築の一翼を担う。簡易な相談及び人権が守られているかについての監視を行うボランティアと,専門的知識を有する有識者の両方が必要である。
     人権擁護委員制度は,人権感覚高揚に効果をもたらし,併せて地域に根ざした制度であるべきである。
     地域社会における人権啓発や人権相談の迅速な解決を図るとともに,より高度な相談にも対応できるような専門的知識を備えた委員を設置されたい。
     法務局から離れ独立した組織として,主体的で積極的な人権擁護活動を行い,公権力による人権侵害に対しても果敢な取組を進めること。
    などの意見が寄せられた。

  (2)  「1の(2)人権擁護委員の果たすべき役割」に関して(意見の一覧
     人権擁護委員が果たすべき役割に関しては,
     (1)人権侵害と差別問題に関する身近な相談に応じること,(2)差別撤廃と人権確立に向けた普及・宣伝に取り組むこと,(3)差別撤廃と人権確立に取り組む民間団体との連携を図ることを可能な限り地域に密着した形で果たすこと。また,人権相談で対応できない問題については,都道府県・政令指定都市単位に設置される人権委員会(仮称)に連絡する役割を担うこと。
     人権にかかわる多様な問題の相談と監視,人権思想の普及高揚を役割とすべきである。
     現行の14,000名の人権擁護委員を6,000名に規模縮小し,「人権ソーシャルワーカー」として移行させ,相談,援助,あっせん,調停,仲裁,調査を行う。「人権促進市民ボランティア」は,相談,援助を行う。
     人権を侵害されたとする人に気軽に相談に応じるほか,自己が媒体となり啓発に努める。専門的知識を有する委員には調査権限を与え,そのような委員が中心となって,あっせん,調停,仲裁を行う。
     効果的な啓発活動を行っていくことが求められる。
     地域に密着しながら人権侵害について身近な相談に応じることや啓発やその普及・宣伝に取り組むようにするべきである。
     だれもが「市民」として地域社会で幸せに生きていく上での相談窓口として機能することを期待する。
     高齢者の相談に乗る役割を持ってほしい。
     地域に密着した人権擁護委員は,身近な住民を対象とした人権相談や具体的な差別事象への積極的な関与に重点を置いた活動を行うよう明確に位置付けるべきである。
     結婚差別等のような明らかな差別について,解決,救済ができる役割を明確にすること。
     同和問題の解決に積極的にかかわってほしい。
    などの意見が寄せられた。
     そのほか人権擁護委員の人権救済手続への関与に関し,
     紛争当事者間への直接介入を禁止している人権相談取扱規程4条を廃止し,積極的に介入すべきである。
     調査,勧告,指導などの権限が必要である。
     積極的な調停や救済処置を迅速かつ効果的に行うことが必要である。
     あっせん,調停,仲裁等に積極的にかかわる力量を身につけ,更に救済手続についても丁寧に助言する力が求められる。
    などの意見が寄せられた一方,
     人権擁護委員は簡易な事象に限って担当することとし,専門知識を要する事象については独立した人権委員会に委任するべきである。
    などの意見も寄せられた。

  (3)  「2の(1)人権擁護委員の選任」に関して(意見の一覧
     人権擁護委員の選任基準に関する意見のうち,人権擁護委員に求められる資質に関しては,
     人権感覚に優れていること。
     人権問題と差別問題に精通していること。
     専門的な力量を持った経験豊かな人が必要である。
     熱意を持っていること。
     公平かつ客観的な立場で物事を判断できること。
     地域社会で信頼されていること。
     人権問題に関する活動実績を有する者から選任すべきである。
    などの点が挙げられた。
     また,そのほか選任基準に関する意見の中では,
     あらゆる面で多様性を反映すべきである。
     被差別当事者から積極的に選任すべきである。
     多様な年齢層から選任すべきである。
     ジェンダーバランスを考慮すべきである。
     特定の職歴や経歴の人に偏らないようにすべきである。
     地方議会議員からの議会会派推薦は廃止すべきである。
     定住外国人からも積極的に選任すべきである。
    などの点が挙げられた。
     なお,任期については,
     最低3年とする。
     4年とし,再任は妨げない。
     5年とする。
    などの意見が寄せられた。
     選任方法に関しては,
     市町村長から議会の同意を得て推薦を得た者の中から,都道府県・政令指定都市に設置される人権委員会が任命する。
     市町村議会から推薦のあった者につき,都道府県知事が,人権について学識経験を有する委員で構成する「委員選考委員会」の意見を聴き,これを踏まえて都道府県議会に提案し,同議会の同意を得て委嘱する。
     首長推薦,議会同意は廃止し,人権擁護委員及び法務局による推薦が望ましい。
     地方法務局,弁護士会,教育,福祉諸団体の代表と相談できる選任委員会の設置が望ましい。
     法的な専門知識を持つ人を求めるため,小さい町村では数町村を一緒にしてブロック単位で選任すべきである。
     選任は市町村長が行うべきである。
     人権擁護のための様々な団体から意見を求めた方がよい。
     従来の市町村推薦者方式に加え,広く人材を募集する方法との二本立てにすることが望ましい。
     あらゆる分野から広く公募されるべきである。
     公募による。常勤者については,準公選制により選出する。
     弁護士会及び人権擁護委員連合会に意見を聴く制度は見直すべきである。
     民生委員と人権擁護委員の制度を融合すべきである。
    などの意見が寄せられた。
     そのほか,定数に関し,
     小学校区に1名以上が望ましい。
     人口2万人に1人「人権ソーシャルワーカー」を置き,小学校区又は中学校区に最低1人「人権促進市民ボランティア」を置く。
     民生委員並みに大幅な人員増を図る必要がある。
    などの意見が寄せられたほか,
     3年の任期中に1回,議会において活動報告の審査を受けるなどして,市民的立場からのチェックが入るようにする。
    との意見も寄せられた。

  (4)  「2の(2)人権擁護委員の研修」に関して(意見の一覧
     研修の現状に関しては,
     研修期間が短く,内容も不十分である。
     研修の機会が不十分であり,多様で複雑化している人権問題に対応できていない。
    などの意見が寄せられた。
     研修の在り方に関しては,
     人権侵害の実態や国際的な潮流などを新任研修に位置付ける。また,被差別者の生の声を聞くことも大事である。新任1年目は研修期間として,専門的知識を有する委員の下で人権相談等の実務を経験することも必要である。
     国際水準の人権テキストや憲法などの学習をすすめ,専門性を高める。
     研修では,カウンセリング技術の習得などで相談に自信が持てる力量を培うことが必要である。
     救済手続について助言するため,事例研修や,法的な知識を身に付けるための研修に努める必要がある。
     研修で部落差別を始め多くの被差別当事者の声を聞くとともに,現地視察が大切である。
     ストーカー法やDV防止法など,女性の人権を守るための施策が次々に策定されている。これらの法整備にかかわる知見を人権擁護委員が修得しておく必要があり,そのための研修を求める。
     効果的な啓発を実施するための内容,手法等の研修が必要である。
     定期的な研修が必要である。
     新任者に対し3か月の研修を義務付け,差別や人権侵害の実態を踏まえた理論と技能を体系的に学ぶものとする。また,その後,毎年1週間程度の研修を義務付ける。
     国家公務員初任者研修に準じて,3か月間の研修を実施する。このため,研修所を設ける。
     体系的な講義,ワークショップ,フィールドワークなど多様な手法での研修が必要である。
    などの意見が寄せられた。

  (5)  「3の(1)人権擁護委員の活動方法」に関して(意見の一覧
     人権擁護委員活動を活性化させる仕組みに関しては,
     活性化させるためには,被差別当事者(団体)との交流学習・懇談等の実施が必要である。
     女性問題や障害者問題に対する専門委員が必要である。
     子ども部会を組織し,管内市町村ごとに1名委員を任命し,活動の徹底を図るべきである。
     チームを作って活動できるとよい。
    などの意見が寄せられた。
     職務執行区域に関しては,
     選任された市町村を超えて広く連携プレーができるよう配慮する必要がある。
     原則,市町村とされている活動区域を法務局の支局管内区域まで広げるべきである。
    などの意見が寄せられた。
     また,アクセスポイントに関しては,
     委員が推薦された区・市町村を基本とし,自宅,区・市町村役場,公民館,隣保館を利用するものとする。
     人権擁護委員の常駐相談窓口を市町村の庁舎内に配置する必要がある。
     相談会場を固定化しないで,より効果的な場所へ出向いて実施する。
     人権擁護委員が交替で常時電話相談に応じられる体制を整備し,「人権110番」などの名称を付けて周知するなどの工夫が必要である。
    などの意見が寄せられた。

  (6)  「3の(2)人権擁護委員の待遇」に関して(意見の一覧
     給与に関しては,
     人権擁護委員は,契約職員として有給とする。金額は,経営相談員に対する給与を参考にする。また,活動実費は別途支給すべきである。
     国家公務員並みの賃金及び労働条件を確保する。
     人権擁護委員の一部を契約職員として有給とする。活動実費は別途支給する。
    などの意見が寄せられた。
     そのほか人権擁護委員の待遇に関しては,
     国家公務員災害補償法が適用されるよう法令を整備する必要がある。
     在任期間による形式的な表彰制度は改め,特に功労があったと認められるときに限って表彰すること。
    などの意見が寄せられた。

  (7)  「3の(3)人権擁護委員の組織体の役割」に関して(意見の一覧
     人権擁護委員の組織体の構成に関しては,
     人権擁護委員の組織体は廃止し,時間をかけて,全く新たな制度をつくるべきである。
     人権擁護委員の組織体は,市区町村単位で設置される組織体,都道府県及び政令指定都市単位で設置される組織体,全国レベルで設置される組織体とする。
     組織体の単位は,市町村,都道府県,全国の3種とする。
     人権擁護委員が市町村ごとに市長村長の推薦によってなされる限り,組織体も市町村ごとに整備する方がよい。その方が行政が何らかの対策を立てるときの処理が複雑にならずに済むし,組織体が何らかの提言のようなものを行うとして,それをどこに対して行うかという点でも分かりやすい。
     人権擁護委員の組織体の内部で事務局を作り,委員が自主的に運営していくべきである。
     人権擁護委員の組織活動に国の予算を講じるべきである。
    などの意見が寄せられた。
     組織体の果たすべき役割に関しては,
     組織体は,(1)経験交流機能,(2)研修機能,(3)提言機能を持つものとする。
     組織体では,成果と問題点などを共有し,新しい情報や高度な知識を得る研修・研究の場とし,人権諸課題に対する提言などを行う。
     研修と活動交流を行う。
     人権擁護委員連合会等の組織体が独立性を確保し,権限を持つべきである。また,地方公共団体及び人権団体との緊密な連携がとられることが望ましい。
     委員組織体の十分な拡充整備が果たされることによって,新たに設置される人権救済制度において利用者から信頼される体制が図られることになり,人権救済制度全体としての高い実効性が確保できる。
    などの意見が寄せられた。

  (8)  「3の(4)市町村等との連携協力」に関して(意見の一覧
     地方公共団体との連携協力に関しては,
     人権擁護委員は,市区町村と積極的に連携を取り,相談内容によっては市区町村の積極的な協力を要請し,また,市区町村と緊密な連携のもと人権教育・啓発活動にも積極的に取り組むものとする。
     人権相談等を通じて明らかになった事項を基に市町村に対して提言する。
     意見交換を定期的に行う。
     定期的に市町村単位の組織体の会合を持ち,情報交換を行う。
     市町村との連携は不可欠であり,市町村単位の組織体の事務局を市町村の「人権委員会」に置くとともに,人権諸団体の代表者で構成する評議会を定期的に開催し,連携を図る。
     人権に関する啓発活動は,人権擁護委員を管轄する地方法務局と,市町村の人権啓発担当部門とがそれぞれに行っており,同じころに講演会や街頭啓発が何回も行われることがある。内容・日時等を調整して取り組めば,より効果のある充実した啓発が実施できると思われる。
     市町村に人権教育・啓発運動の中心となる部課を設け,各種団体との連携を図ることができるようにする。
     人権啓発活動ネットワーク協議会の活用などを通じて,都道府県等関係機関との連携協力を強化する方向で検討されたい。
    などの意見が寄せられた。
     民間団体との連携協力に関しては,
     人権擁護委員は,人権侵害や差別撤廃に取り組む民間団体等と積極的な連携を取るものとする。
     人権擁護に係る民間の活動が極めて重要なことを踏まえ,NGO等との連携をより一層深めるための活動を行うべきである。
     部落差別からの解放を目指す団体,人種差別撤廃を目指すNGO,障害児,障害者差別にかかわる団体,HIV患者やハンセン病患者たちの人権保障に取り組む団体,民族差別,マスメディアからの人権侵害,その他人権問題に取り組む団体などと常に交流し,人権擁護委員の人権感覚を磨くとともに,情報の交流をしていく。人権問題解決に当たるときは,これら民間団体の協力を要請できるようにする。
    などの意見が寄せられた。

  (9)  「3の(5)人権擁護委員制度の周知」に関して(意見の一覧
     人権擁護委員制度の周知に関しては,
     学校教育や社会教育,生涯学習等で人権学習を必須科目として位置付け,その中で周知徹底する。
     すべての人権教育・啓発の場で人権救済制度を周知徹底させ,政府・都道府県・市町村の広報紙を定期的に活用し,PRに努める。
     学校等と連携した行事の開催などを通じて,児童・生徒の段階で人権擁護制度の仕組みを理解できるようにしていく必要がある。
     マスメディア等に普及・宣伝を要請する。
     ホームページの開設やインターネットなどITを利用する。
     政府広報を積極的に活用する。
     人権擁護委員の自宅に掲示板の設置を義務付ける。
     人権擁護委員と教育委員,民生委員,警察など他組織との連携を強化する。
     人権擁護委員には守秘義務があり,相談内容は外部に漏れないことなどを十分に説明し,気楽に安心して相談できる制度であることが理解されるよう配慮すべきである。
     人権擁護委員が人権侵害を受けた人々から真に信頼される活動を展開し,実績を作ることにより周知されるものである。
    などの意見が寄せられた。

  (10)  「4その他」に関して(意見の一覧
     以上のほか,
     既存の各種人権関係の相談窓口との整理をする必要があるのではないか。
    などの意見のほか,人権救済制度全体に関する意見などが寄せられた。