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人権教育・啓発に関する基本計画 (中間取りまとめ)

第3章 人権教育・啓発の基本的在り方

1 人権尊重の理念

○  人権とは,人間の尊厳に基づいて各人が持っている固有の権利であり,社会を構成するすべての人々が個人としての生存と自由を確保し,社会において幸福な生活を営むために欠かすことのできない権利である。
○  人権が共存し得る社会を実現するためには,すべての個人が,相互に人権の意義及びその尊重と共存の重要性について,理性及び感性の両面から理解を深めるとともに,自分の権利の行使に伴う責任を自覚し,自分の人権と同様に他人の人権をも尊重することが求められる。

2 人権教育・啓発の基本的在り方

(1)  実施主体間の連携と国民に対する多様な機会の提供
○  人権教育・啓発にかかわる活動をより一層効果的かつ総合的に推進するためには,人権教育・啓発の各実施主体がその担うべき役割を踏まえた上で,相互に有機的な連携協力関係を強化することが重要である。
○  人権教育・啓発は,国民の一人一人の生涯の中で,様々な機会を通して実施されることにより効果を上げるものと考えられ,その観点からも,人権教育・啓発の各実施主体は相互に十分な連携をとり,その総合的な推進に努めることが望まれる。

(2)  発達段階等を踏まえた効果的な手法
○  人権教育・啓発を効果的に推進していくためには,人権教育・啓発の対象者の発達段階を踏まえ,地域の実情等に応じて,粘り強くこれを実施する必要がある。
○  人権問題を直感的にとらえる感性や日常生活において人権への配慮がその態度や行動に現れるような人権感覚が十分に身に付くようにしていくことが極めて重要である。そのためには,人権教育・啓発の対象者の発達段階に応じながら,その対象者の家庭,学校,地域社会などにおける日常生活の経験などを具体的に取り上げるなど,創意工夫を凝らしていく必要がある。
○  人権教育・啓発の手法については,「法の下の平等」,「個人の尊重」といった人権一般の普遍的な視点からのアプローチと,具体的な人権課題に即した個別的な視点からのアプローチとがあり,この両者があいまって人権尊重についての理解が深まっていくものと考えられる。
○  なお,人権教育・啓発の推進に当たって,外来語を安易に使用することは,正しい理解の普及を妨げる場合もあるので,官公庁はこの点に留意して適切に対応することが望ましい。

(3)  国民の自主性の尊重と教育・啓発における中立性の確保
○  人権教育・啓発は,国民の一人一人の心の在り方に密接にかかわる問題でもあることから,その自主性を尊重し,押し付けにならないように十分留意する必要がある。
○  国民の間に人権問題や人権教育・啓発の在り方について多種多様な意見があることを踏まえ,異なる意見に対する寛容の精神に立って,自由な意見交換ができる環境づくりに努めることも求められる。
○  人権教育・啓発がその効果を十分に発揮するには,その内容はもとより,実施の方法等においても,国民から,幅広く理解と共感を得られるものであることが必要である。
○  人権教育・啓発を担当する行政は,特定の団体等から不当な影響を受けることなく,主体性や中立性を確保することが厳に求められる。