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第3回世界保護観察会議が開催されました

1 世界保護観察会議とは

社会内処遇(犯罪をした人や非行のある少年を社会の中で適切に処遇すること)の分野では世界最大規模の国際会議であり,各国の保護観察(社会内処遇)の実務家等が,学術・実務の両面から意見交換等を行い,社会内処遇の普及・発展,国際ネットワークの拡大を期して開催されるものです。

世界保護観察会議は,2年に1度開催され,今回はアジアで初めて日本で開催されました。(第1回:英国,第2回:米国,第4回:豪州で開催予定)

今回のメインテーマは,「社会内処遇の発展とコミュニティの役割」であり,世界34の国と地域から,合計371人(うち海外からの参加者は169人)が参加し,再犯防止や社会復帰に向けたコミュニティの重要性に焦点を当てた発表や,積極的な議論が行われました。

第3回世界保護観察会議ロゴイメージ

第3回世界保護観察会議ロゴ

2 第3回世界保護観察会議概要

日時:
平成29年9月12日(火)~14日(木)
  • (1日目)スタディーツアー,第2回アジア保護司会議(同時開催)
  • (2日目)開会セレモニー,基調講演,ワークショップ
  • (3日目)特別講演,全体シンポジウム,ワークショップ,基調講演,閉会セレモニー
場所:
品川プリンスホテル

スタディーツアーでは,海外からの参加者が,普段保護観察対象者を招き入れている保護司の自宅や,更生保護施設,刑務所等を訪れ,日本の更生保護が民間協力者に支えられていることや,刑務所等と連携して社会内処遇が行われていることについて理解を深めていただきました。

更生保護施設を見学するスタディーツアー参加者の様子

更生保護施設を見学するスタディーツアー参加者

13日の開会セレモニーでは,上川法務大臣がビデオメッセージにより開会挨拶を行い,我が国では地域の実情を熟知し,社会奉仕の精神をもって活動している保護司の貴重な活動が地域の安全,安心を支え,日本の社会内処遇の発展に大きく貢献していることに触れられるとともに,本会議が,世界各国の社会内処遇における取組について相互に学び合う絶好の機会になることを期待している旨述べました。

基調講演では,カナダ,英国,米国,日本の4カ国の研究者等から,社会内処遇に関する最先端の研究成果について発表がなされました。

基調講演者のフランク・J・ポポリーノ氏(カナダ)の写真

基調講演者のフランク・J・ポポリーノ氏(カナダ)

また,ワークショップでは,世界17か国の実務家や研究者の方々から発表がなされるとともに,活発な議論がなされました。

ワークショップの様子の写真

ワークショップの様子

最終日には,長年,更生保護の分野においても貢献してこられた宮田亮平文化庁長官と,青少年の再非行防止活動に尽力されているNPO法人再非行防止サポートセンター愛知の高坂朝人氏による特別講演が行われました。

また,同日には社会内処遇における市民参加に焦点を置いて,各国の現状や課題を議論する全体シンポジウムも行われました。

全体シンポジウムの様子の写真

全体シンポジウムの様子

3 第2回アジア保護司会議

世界保護観察会議に併せ,12日に第2回アジア保護司会議が同時開催され,各国(フィリピン,シンガポール,タイ,ケニア,中国,韓国,日本)の保護司制度の現状や,今後の制度の発展に向けた協議が行われました。

第2回アジア保護司会議の様子の写真

第2回アジア保護司会議の様子