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「民法現代語化案」に関する意見募集の結果について

第1 意見数・・・52件(10団体,個人42名)

2 意見の概要
 民法を現代語化すること自体については,賛成する意見が多数を占めた。
 その他に次のような意見があった。

  1 
確立された判例・通説の解釈に基づく改正について
  (1)
第415条について
 すべての債務不履行に帰責事由が必要であるか否かについては,学説上異論があり,現代語化案は必ずしも確立された判例・通説の解釈に基づくものとはいえないとの意見があった。

  (2
)第541条について
 解除について債務者の帰責事由を必要としないとの見解が学説上有力となっており,現代語化案は必ずしも確立された判例・通説の解釈に基づくものとはいえないとの意見があった。

  (3)第711条について
 近親者の身体侵害の場合の損害賠償請求権については,本条を根拠とする見解のほか,第709条等を根拠とする見解もあり,現代語化案は必ずしも確立された判例・通説の解釈に基づくものとはいえないとの意見があった。

 2 
条番号の整序について
 多数の文献等の蓄積を考慮し,条番号は変更すべきでないとの意見があった。

 3  
括弧書きの定義について
 民法のような基本法においては定義を置くことに慎重であるべきである,定義を置くことは実質改正と同じことになる,当然の内容で定義を置く意味がないものが多数ある,定義の内容に疑義があるもの・学説上争いのあるもの等一義的な定義を置くことが困難なものがある,異なる語に同一の定義が置かれ定義として意味をなさないものがある等の意見があった。

 4 
条見出しについて
 「の」の字が多すぎて読みにくいとの意見があった。特に,「担保責任」等は一般に通用する用語であり,あえて「の」の字を入れる必要はないとの意見が複数あった。

 5 その他
○「償金」を「賠償金」に置き換えることについて,「賠償金」は違法性のある行為に基づくものと理解されるおそれがあるとの意見があった。
○「○○に関する規定」を準用する旨の規定について準用の対象を章名等で限定することについて,対象外とされた条文も準用の対象と考える見解もあるので,限定するのは適当でないとする意見があった。
○「責めに任ずる」と「責任を負う」のいずれかに統一すべきである,あるいは,「責任を負う」に統一すべきであるとする意見があった。
○第36条について,「日本において法人であるとは認められない」とする表現では,学説上の通説的見解と抵触するおそれがあるとする意見があった。
○第78条について,「現務」を「任務」に置き換えることについて,ここでは現に施行中の事務が問題となるのであるから,置き換えは適当でないとする意見があった。
○「労働に服する」という表現は適当でないとする意見があった。

3 意見に対する当省の考え方
 提出された意見については,今回の現代語化を内容とする民法改正に際して参考にした。