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森法務大臣コメント(カルロス・ゴーン被告人関係 -ウォールストリートジャーナル紙記事への反論寄稿)-令和2年1月15日(水)

※令和2年1月2日付け及び同月9日付けのウォールストリートジャーナル紙の記事に対して,森法務大臣から反論文を寄稿し,その内容が本月14日付けウォールストリートジャーナル紙ウェブ版に掲載されています。
  1月9日付社説「Ghosn, Baby, Ghosn」及び1月2日付「The Carlos Ghosn Experience」は,日本の刑事司法制度を正確に踏まえていない。
  日本では,逮捕するためには,いくつかの民主主義国と違って,現行犯逮捕の場合を除き,裁判官の許可が必要とされる。このうち,検察官は十分な証拠があり,重要な事件に限って起訴をする。刑事裁判での当事者になること自体が被疑者の負担を増すからだ。検察官が起訴する事件の割合は37%である。
「有罪率が99.3%」は,起訴に至った件数を分母にした有罪判決者数の率であって,事件を犯した者の総数を分母にしていないので,それは高い数字にならざるを得ない。
  だから,起訴すべきか否かの判断をするための捜査や取調べは,おのずと精確になる。しかし,不当な取調べによって自白が追及されないように,被疑者には黙秘権があり,弁護士と立会人なしに接見をする権利がある。弁護士同席でないことで,不当な取調べが行われないことを検証できるように,取調べの録音,ビデオ撮りが行われている。そもそも,日本国憲法は,強制された自白を証拠とすること,自白のみにより有罪とすることを禁じている。
  起訴した後,裁判開始前でも,証拠隠滅や逃亡のおそれがなければ,保釈が認められ得,配偶者と会うことも過ごすこともできる。検察当局によると,ゴーンの妻キャロルについては,最近,ゴーン被告の事件関係者とやり取りをしたことを偽証した疑いで裁判官から逮捕状が発付された。
 日本の刑事訴訟は,複数の過程を経ながら,そこには裁判官によるチェックも含めて慎重に進められる構造になっており,その間の被疑者・被告人の権利にも細心の注意を払っている。
 また,日本のコーポレート・ガバナンスが進展していることは,最近の複数のウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事でも報じられている。半世紀も前に使われた「日本株式会社」を,埃を払って取り出して,政府と企業の陰謀を説くことに説得力はない。
 
法務大臣 森まさこ