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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和4年9月13日(火)

 今朝の閣議において、法務省案件はありませんでした。
 私から2件報告させていただきます。
 1件目は、東日本入国管理センター及び名古屋出入国在留管理局への視察についてです。
 昨日(9月12日(月))、牛久にあります東日本入国管理センターを訪問し、収容施設や入管職員の研修施設等の現状を視察してまいりました。
 視察におきましては、十分な新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で、施設を巡視したほか、所長を始め現場職員と意見交換をしました。
 東日本入国管理センターを視察するのは、私が法務副大臣であった平成26年以来です。当時はコロナの状況ではなく、今はコロナ禍で、非常に気を遣いながら職員が仕事をしているという状況もつぶさに見させていただきました。いずれにしても、使命感と緊張感を継続させながら、法執行と人権の尊重をしっかりバランスを取っていかなければならないという気持ちを新たにしてまいりました。
 本日(9月13日(火))は、入管庁が一層の改革・改善に取り組むこととなる契機となった事案が発生した名古屋入管を視察します。
 名古屋入管への視察では、改善策への取組状況について、特にしっかりと確認してまいりたいと考えています。
 2件目は、国際刑事裁判所本部(ICC)への検事派遣についてです。
 報道でもありますとおり、国際刑事裁判所は、最近のウクライナの事態を含め、「法の支配」に基づく国際秩序の維持・強化という観点から、その役割をより一層果たすことが期待されています。
 我が国は、これまでも国際刑事裁判所との協力を進めてまいりましたが、更なる協力の一環として、この夏以降、法務省として、オランダ・ハーグにある国際刑事裁判所本部に検事2名を派遣しました。
 法務省を含め、我が国として、引き続き、その活動を支援してまいります。

「旧統一教会」問題相談集中強化期間に関する質疑について

【記者】
 旧統一教会の問題を受けて始まった関係省庁の合同電話相談について伺います。これまでに窓口に寄せられた相談件数、どういった内容が寄せられているかについて教えてください。また、体制強化など、改善状況がありましたら教えていただければと思います。

【大臣】
 9月5日から始まりました合同電話相談窓口ですが、9月5日から9日までの5日間、集計しましたところ、受け付けた相談件数は速報値として合計1,002件です。これまでの相談内容の傾向としては、それぞれ色々な個別の事情もあると思いますが、おおむねの分け方として、やはり金銭トラブルに関する相談が多くあります。そして、数はそれほど多くありませんが、生活困窮に陥ってしまったという相談もありました。また、親族に信者がいるのでどうしましょうか、といった相談もありました。いずれにしても、様々な相談が寄せられていると考えています。
 体制の強化についてのお尋ねですが、その前に、私どもがこの合同電話相談窓口を設けたことの意義というのは、今までそれぞれ相談が各省庁バラバラにありましたが、「どういう事案についてはどこにつなぐ」ということをマニュアル化して、連携を取りながら、しっかり相談ができるという方向性を作れたということは、一つの成果だと思います。相談についても、5日間で1,002件ですから、初日は155件でしたが、1日平均200件以上ということで、まだまだ数多くの相談が寄せられています。「体制を何人」ということを申し上げるのは個別の事情になってしまいますけれども、最近では体制を強化したことによって、電話がつながりにくいという状況は、完全に解消されたわけではありませんが、ほぼ解消されつつあると聞いています。今後、この関係については、関係省庁が連絡を取っていかなければいけないわけですが、まずは現行法を活用して、どういうような被害者救済ができるか、まだ具体的な例を申し上げる段階ではありませんが、例えば「こういう事案だったら無効ですよ。」、あるいは「取り消すことができますよ。」というような典型的なものを今後精査して、抽出して、そして国民に対してもお知らせするという形で、これからも非常に相談がやりやすくなる配慮もしていかなければいけないと思っています。

【記者】
 先ほど、旧統一教会の相談窓口に寄せられた件数を披露していただいたと思いますが、大臣は先日「体制については相談の件数だったり、そういったものに応じて柔軟に対応していきたい。」ということをおっしゃっていましたが、今後そういった相談体制の対応の強化についてはどのように考えていますでしょうか。

【大臣】
 現実問題として、初日は155件ということで、つながりにくい状況もあったということですので、柔軟に少し拡充をさせていただきました。そして今後、件数等々で、やはり今後もまた電話がつながりにくいというような状況があるようでしたら、また更に拡充することも柔軟に考えていくということです。

【記者】
 相談窓口の件で追加で伺いますが、先ほど「取消しとか典型的なものを、精査して、抽出して、公表していく。」というようなことをおっしゃっていましたが、これはただ相談を受けるだけではなく、もう少し相談窓口としてアグレッシブに何か行動していくということをおっしゃりたかったのでしょうか。
 あと、次回の連絡会議を開く御予定はありますでしょうか。

【大臣】
 まず前者ですが、私たちの目的としているところは、まずは被害者の救済ということです。ただ、被害者の方々も、「こういうことを本当に相談して良いんだろうか。」というような思いもあったり、あるいは「親族にそういう方がいるけれども、これを相談しても本当に出口があるんだろうか。」というような思いもあったりということもあろうかと思います。ですから、そういった意味で、例えば「こういうような典型的なことについては、対処の仕方はあるんですよ。」ということをお知らせすることによって、アグレッシブというよりは、より相談をしやすい環境を作っていくと、私は考えていますし、それをしなければいけないと思います。
 後者ですが、まだ予定等は決まっていませんが、そういうことも含めて、次の段階の行動をどういう形で取っていくかということを我々も内部的に検討しながら、次回の会議の開催も考えていきたいと思います。

国際刑事裁判所本部(ICC)への検事派遣に関する質疑について

【記者】
 先ほど御発言のありました、ICCへの検事の派遣についてお尋ねします。検事2名を夏から派遣したという話ですが、いつ派遣されたのかということと、大体の時期の目安、何か月ぐらい活動されるかということをお聞かせください。
 また、以前、3月か4月に一度向こうに出張されて、どういったニーズがあるかということを把握した上で本格的に派遣するという流れだったかと思いますが、実際向こうに派遣された2名の方は、ICCでどういった仕事をされるのかを教えてください。

【大臣】
 これは相手のある話であり、先ほどウクライナのお話を申し上げましたが、ICCの活動はセンシティブで機微にわたる活動を行っているということは、私も報道でも承知していますし、皆さんも御存じのとおりだと思います。ICCからも、具体的な細かな点については報道することを差し控えていただきたいという要望もありますので、申し訳ありませんが、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

【記者】
 ICCとの協力についてですが、今回人的派遣をされたということですが、他にICCとの協力で、何か形として模索されているようなものはありますでしょうか。

【大臣】
 春に出張しまして、幅広くニーズを聞いてまいりました。ただ、それにつきましては、当然予算も伴う話で、今内部的に検討を進めているという段階ですので、まだ表に出せる段階ではありません。

東日本入国管理センターへの視察に関する質疑について

【記者】
 昨日、牛久市の東日本入国管理センターを視察されたということですが、大臣御自身も「医師の確保は課題」とインタビューでおっしゃっていましたが、実際昨日視察されて課題に感じたものはおありでしょうか。
 あとは、今週金曜日に東日本入国管理センターの被収容者の方が亡くなられた事案をめぐって、御遺族が国に損害賠償を求める訴訟の判決がありますが、大臣御自身は注視していらっしゃるのか、2点お願いします。

【大臣】
 前者についてですが、この春から常勤の医師を確保することができました。ですから、実際に赴き、医師にも感謝を申し上げてきたところです。先ほど申し上げましたが、コロナ禍ということで、収容されている方々には非常に大変気を遣っているということもあります。また、今コロナ禍ということですので、収容施設は何人も同じ部屋に収容することはできませんので、仮放免を多く運用しているという中で、更に飛行機便が飛ばないということもあり、本来であれば送還できる人を送還できないでいるというような問題点もあるのかなと。ただこれは、チャーター便を使うこともあるかも分かりません。
 でも、送還すべき人は送還する、守るべき人は守る、バランスを取った上での話ですので、なかなかコロナ禍の中での仕事というのが非常に困難に直面している面があるという印象は受けました。
 また、カメルーンの方の件ですけれども、入管施設に収容されている方が亡くなられたということは、本当に重く受け止めなければいけないと思います。私どもも、確か平成26年だったかと思いますが、当時もしっかり精査させていただいたところです。ただ、個別の案件については、今係争中の事案ですので、それ以上はコメントすることは控えたいと思います。

ベトナムのダオ・ゴック・ズン労働・傷病兵・社会問題大臣の表敬訪問に関する質疑について

【記者】
 法務省のホームページ上で、9月6日にベトナムのダオ・ゴック・ズン労働・傷病兵・社会問題大臣の表敬訪問があったと掲載されていました。技能実習・特定技能制度について、どのような意見交換をされたのでしょうか。特に、今年内に関係省庁有識者会議を開く予定だと聞いていますし、技能実習制度においては多くの問題が指摘されて、技能実習生が受入れ先から避難されたり、逃亡する方も多いと思います。そういうことで、生活に困っている方も多くいらっしゃって、日常的にベトナム大使館などに相談もあると思いますが、そういったことを踏まえた上で、そういった状況に対して、大臣からはどのような説明を行い、どのような対応策を意見交換されたのか、お話しできる範囲でお願いします。

【大臣】
 ズン大臣との会合は、非常に友好的な雰囲気の中で行われました。また、技能実習制度・特定技能制度についても、基本的には評価をいただいた、そういう中で、個別の事案等々も含めて、今後、更に両国間の信頼及び協力関係を深めていこうというようなことで、非常に友好的に終了させていただいたところです。
 ただ、これは相手のある話なので、個別具体の会談内容については、この会見の場では、これ以上はなかなか申し上げられないという事情も御理解願いたいと思います。
(以上)