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法務大臣閣議後記者会見の概要

平成24年9月28日(金)

 本日の閣議では,法務省案件はありませんでした。
 私の方から一件だけ皆様方に報告させていただきます。福島県の二本松市に法テラスの出張所を準備してまいりましたけれども,9月30日にその開所式がありますので,そこに私も出席することにしています。今まで岩手県,宮城県,福島県といった被災地に,臨時の出張所を作ってまいりました。岩手県に1か所,宮城県に3か所ありますが,福島県にはまだ1か所もできていなかったものですから,今回,初めて二本松市の公的な施設をお借りして開所するわけです。ここは放射能の高い地域から少し離れているということもあって,海岸縁のところから被災された方々が避難をしている地域です。浪江町の役場が二本松市に仮役場を置いているということもあって,浪江町の人たちがだいたい戸数にして1000戸,ここに避難をしていて,いわば放射能汚染の被災者の方々とのパイプ的な場所でもあるということで,二本松市に設置をすることにしました。地元の弁護士会に,弁護士派遣の主役になってもらう必要があるのですが,その辺の調整に少し手間取ったのですが,ようやく10月1日からオープンをすることになりました。もう1か所ぐらいは福島県に作りたいと考えているのですが,そちらの方は少し時間が掛かるかもしれません。

死刑制度に関する質疑について

【記者】
 昨日,死刑が執行されましたけれども,一方で死刑については国民的な議論の場がないということで,日弁連などからは法務省内での有識者会議の設置であるとか,あるいは国会での死刑問題調査会の設置を求める声がありますが,現在の政務三役での検討の在り方も含めて大臣のお考えをお聞かせください。
【大臣】
 日弁連の中でも死刑廃止に向けての取組みをしようということで,昨年来からやっておいでになっていると思います。そういう意味では,法務省で資料を取りまとめたことが役に立っているのかなという感じがします。法務省内での議論よりも,やはり広く国民的にどう死刑問題を考えていくかという議論をしてもらわないといけないということが法務省の政務三役としての結論です。日弁連もやっていただいていると思いますが,そういう格好でやっていただきたいと思います。もともと,イギリスやフランスで死刑廃止となった経緯は,具体的な事件を契機にして国民的にも死刑廃止に向けて一つの方向性が出てきたという経緯があります。イギリスのエヴァンス事件やフランスのパトリック事件など,そういう具体的な事件を通じて,国民の間に具体的なイメージが出てきたということだったのであろうと思います。日本の場合には,まだそこまでいっていないものですから,なかなか死刑廃止といっても国民の間には遠い存在ということが,今までの世論調査の結果を見ても読み取れるわけです。やはり具体的な問題として取り上げていっていただくということが大事であろうという感じがしますので,私どもとしては,もし死刑廃止に向けての議論が必要であれば,そういう具体的な場面を通じて,国民の意識がどういうふうに向かうのかということを見定めていっていただきたいと思っています。
【記者】
 イギリスやフランスの例をおっしゃいましたが,海外の場合は,むしろ国民の側というよりも,政治の主導で死刑を廃止に導いた経緯の方が強い印象がありますが,その政治として,この死刑の議論の場を法務省内に置くなり,そういうリーダーシップを取るというお考えはないのでしょうか。
【大臣】
 今までそういうつもりでやってきましたが,結局は限界があるということが今の認識です。例えば,イギリスで死刑廃止となったのは,エヴァンス事件という具体的な殺人事件を契機として,やはり死刑については,えん罪であるとか,当時の捜査技術,あるいはイギリス特有の,物的証拠に頼らずに,証人の証言に重きを置いてきた刑事手続の特徴というものが重なって,いち早く死刑廃止の風潮が国民的な世論として巻き起こってきた。それから,フランスのパトリック事件もそうです。少し精神的に遅滞のある青年が少年誘拐事件を起こした。その青年を弁護したバダンテール弁護士が陪審員の皆さんに対して,加害者の中にはこういう人たちもいて,それを刑事事件として見極めるのは大変難しい,死刑ではなく,青年の今後に期待した処遇が必要であると訴えた。それが陪審を動かして,一本調子の死刑制度は問題があるという議論となって,これを契機としてフランスの死刑制度について方向転換をした。バダンテールは,その後の社会党のミッテラン大統領の選挙公約の中で,死刑制度の廃止を呼び掛けた。そういう具体的な事件としての下地があった上で,そういう動きが出ている。一方的に観念的に死刑廃止を訴えてもなかなか国民の間には納得いかないだろうと思います。そういうイギリス,フランスがヨーロッパの死刑廃止のうねりを作ってきた原動力となったことを考えると,やはり日本ももう一度,弁護士会が中心になっておやりになると,今のところそうなっていますから,そういうことがどこまで国民の皆様方の理解を得られていくかということだと思います。
【記者】
 死刑に関して,執行方法の検討の方は,いつごろ結論を出すのでしょうか。
【大臣】
 その後も色々な資料が集まっているとは思いますので,もう一遍そういうものを少し整理をする段階が来ればいいなと思っております。まだ具体的には決まっていません。今までの結論では,アメリカにおける薬物注射も失敗があったりと問題があるということですから,一本調子でアメリカのような薬物を使っての執行というふうには向いていないのではないかということですけれども,もう少し色々なその後のデータが集まれば,また次のステップに向かえるのではないかなという感じがします。

福島県二本松市に法テラスの出張所が開所されることについて

【記者】
 福島県二本松市の法テラスに関して,宮城県,岩手県に比べると1年近い遅れで,弁護士会との調整に時間を要したというお話をされていましたが,具体的に福島弁護士会との間でどういうやり取りがあったのでしょうか。
【大臣】
 福島県弁護士会も,法テラス事業について,積極的に弁護士会として受け止めなければならないということで,法テラスの出張所に地元の弁護士を派遣するというローテーションの手配までやってもらうことになりました。もともと法テラスというのは,東京の弁護士が行くのではなくて,あくまでも地元の弁護士に法テラスの出張所としてそこに詰めてもらって相談に乗ってもらうということですから,地元の弁護士会が弁護士の割り振りや当番表など,そういうことまでやっていただかないと動かないという問題があります。今までは地元の弁護士は,自分たちのことは自分たちでやれるよという感じが強かったのだろうと思いますけれども,宮城県とか岩手県の実態も分かってきて,少し変わってきたということだと思います。

その他の質疑について

【記者】
 9月25日火曜日の会見のときに,もう年だからという発言があって,少し冗談めかした感じかなと思ったのですが,その後,言葉が独り歩きしている印象がありますので,真意をもう一度お聞かせください。
【大臣】
 真意は,ただ単に感想を申し上げただけで,別に野田総理に反旗を翻してあえてそういうことを言ったということではありません。やはり年相応に考えなければいけないのではないでしょうかということを,私は自戒のつもりで思っているものですから,それを感想として申し上げたわけです。
(以上)
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