法務省

文字の大きさを変更する

拡大する

標準に戻す

色変更・音声読み上げ・ルビ振りを行うアクセシビリティツールを利用するかたはこちら

トップページ > 広報・報道・大臣会見 > 大臣会見等 > 記者会見要旨 > 平成24年 > 田中法務大臣・拉致問題担当大臣初登庁後記者会見の概要

田中法務大臣・拉致問題担当大臣初登庁後記者会見の概要

平成24年10月1日(月)

 皆さんこんばんは。この度,野田第3次改造内閣で法務大臣及び拉致問題担当大臣を拝命いたしました田中慶秋です。皆さんも御承知のとおり,等しく国民は法の下に平等であるという前提があります。法務省は,国民の権利を守り,それから国民を擁護する。これは国民が安心して暮らせるために必要なことの一つではないかと考えております。一方,法治国家として,法律を遵守するということも大変重要な仕事であります。この仕事をこの度仰せつかったわけでありますし,法の問題等々も含めながら,今,多くの社会問題になっていることをこれからもそれぞれ,関係方面と手を携えながら頑張っていきたいと思っております。
 また,拉致問題等については,皆さんも御承知のとおり,小泉内閣のときに被害者の方が5人帰国されてから10年経つわけです。私も昭和58年からこの拉致問題を少しずつ勉強させていただきました。私は,拉致は絶対あってはならないと前から思っておりますし,また,拉致問題の解決は,国がしっかりとした方針を出し,経済制裁を含めて取り組んでいかなければいけないだろうと思っております。かつて,万景峰号の入国の問題,寄港の問題がありましたが,こういう問題も含めてしっかりと対応していかなくてはならない問題だろうと,私は考えているところです。特に,この被害者家族の皆さんのことを考えたときに,私は,一日も早く,皆さん方が納得するような形の取扱いをしていくことが必要であろうと考えております。そういう点で,この拉致問題は,やはり国を挙げて取り組むべきものでありますし,一方においては,六か国協議などの枠組み等,関係各国との協力関係を得て,この問題の解決のために対応していきたいと考えているところです。総理からは,この国の責任において,この問題を解決すること,拉致の被害者家族の皆さんが納得するような形で取り組んでほしいということを申し付っていますので,全力投球で頑張っていきたいと考えています。こうしたことを大臣就任に当たっての考え方とさせていただきたいと思います。

法務大臣就任に当たっての抱負について

【記者】
 法務行政に当たって大臣に就任された抱負をお聞かせください。
【大臣】
 法務行政に当たっては,国民は法の下に等しく平等であるということと,国民がその権利を行使していくことができるよう取り組んでいかなければならないと思っております。立法時の精神も勘案しながら,法というものが誰に対しても公平かつ公正でなければならないという気持ちで取り組んでいきたいと思っております。法務の仕事というのは,非常に幅広い仕事でありますので,国民一人一人,子どもからお年寄りまで,大きく影響する仕事であると認識しながらお引き受けをさせていただきました。

死刑制度及び検察改革等に関する質疑について

【記者】
 死刑制度に対する大臣の基本的な考え方をお聞かせください。
【大臣】
 死刑制度ですが,私は,法治国家においての死刑制度の問題,それから裁判との問題等があろうと思います。事件には原因があって結果がありますから,そういうことも調べた上で,特に,人の命を預かる問題ですから,この問題は慎重に対応していかなければならないであろうと考えております。一方においては,やはり法律というのは,遵法精神を含めてしっかり守っていかなければ,国民の安心安全な生活というものも保てなくなりますから,そのことも踏まえてしっかり対応していきたいと思っております。
【記者】
 死刑の執行について改めて質問いたします。執行すべき事件であれば執行命令を出されるという受け止めでよろしいでしょうか。
【大臣】
 私は,裁判と行政手続というのは別であると思います。しかし,一方においては,執行すべき事件で執行命令を出すこともはっきりしていかないと,全体的なルールというのは守れないと思っております。ただ,そこには冷静なるしっかりとした調査も必要であると思っております。そして,その取組みの内容が,はっきりと国民にとっても分かりやすい状態を作っていく必要があると思っております。
【記者】
 国民にとって分かりやすい取組みというところをもう少し具体的にお願いします。
【大臣】
 私は,冒頭に死刑ありきということではないと思っております。死刑というものに対しては,死刑制度の問題について皆さん方がなされた議論を含めて,しっかりとした対応をしていかなければならないわけです。人の命というものは尊いものであり,それを殺めた人たちにいくら理屈があったとしても,例えば無抵抗な子どもを殺害するような殺人のようなこともあってはならないと思っております。原因を明確にした上で死刑執行をするべきであろうと考えております。
【記者】
 国民にとって分かりやすい取組というのは,例えば,死刑執行の基準を明確にするとか,今までと違うことをやっていこうというお考えかということが一点と,もう一つは検察の改革についてですが,どのような御認識であるかということをお伺いします。いろいろ検察改革というものが発表されてきて,取調べの録音録画の試行が行われておりますけれども,特捜部の事件などは,具体的な事件を見ますと,かなり形骸化しているということが分かってきました。その中で,検察改革について,特に取調べの可視化の問題についてはどのような方針で取り組まれるのでしょうか。
【大臣】
 まず第一点目の死刑の問題でありますが,やはり国民にとって納得のいくものにするということです。死刑判決事件については,その原因というものを明確にしていかなければいけないと思って申し上げたわけです。何でも死刑ありきというわけではありません。裁判所がいろいろなことを検討してきたわけですが,それと法務省との関係というものは別途に考えていかなければならないと思っております。もう一つは,検察の問題です。国民の良識というものに照らし,これからもいろいろな形で目指すべき改革というものが,具体的に現在実行されているように伺っております。今までの検察の中でいろいろな不祥事があったことから,国民に対して信頼を失いつつあるということも事実です。これらの問題についても,信頼を勝ち得るためにしっかり対応していかなければいけないと思っております。そういう中で,検察が独善的なやり方をしてはいけないとも考えております。検察改革というのは,組織として,多くのことを考えながら取り組んでいくに当たって,問題の一つ一つがもっと分かりやすい状態となる方法を採っていかなくてはいけないと私は思っているところです。
【記者】
 分かりやすいというのは,それはどういうことでしょうか。何か今後,今の分かりにくい状態を分かりやすくするためにいろいろ改良するとか,何かを考えているということでしょうか。
【大臣】
 分かりやすくというのは,今までいろいろな事件がありました。二度と繰り返されてはいけないと考えておりますし,また,そのことによって,不平等な問題があってはいけないと考えております。厚生労働省の局長の事件など,いろいろな問題があったわけですから,そういうことをこれから絶対に起こらないようにしなければいけないと考えております。そういったことを含めて,十分な対応をしなければいけないと思っております。
【記者】
 ということは,今までの対応が十分ではないという認識のところから出発されるということでしょうか。
【大臣】
 今までの対応が十分でないとは申し上げておりません。ただ,今までいろいろな問題が出てきた結果として検察改革というものが出てきていると思いますから,そういう問題が二度と起きないようにすべきです。そのためには,一つは教育であり,あるいは指導であり,そういうことを含めてやっていく必要があるだろうと思って申し上げたところです。
【記者】
 改革は,十分ではないという認識でいるということでよろしいのでしょうか。
【大臣】
 成果が100か0しかないということはあり得ないわけです。そういう点で,私は,改革が不十分であるとは申し上げておりません。ただし,全体的に見て,そういうことのないように努力していかなくてはいけないと考えております。
【記者】
 そういうこととは,どういうことがないようにということでしょうか。
【大臣】
 厚生労働省の局長の問題もありました。それからほかの問題もあったりして,国民から信頼を得られないような形のものがあったということです。私は,これからもしっかりと問題が繰り返されないよう取り組んでいかなければいけないと思っております。
【記者】
 先ほど死刑についてのお考えの中で,裁判について,行政手続というのは別であろうとおっしゃったのですが,司法が重い判断を下したことと,死刑の執行とは別であるというお考えであるのか。つまり,大臣の職責として死刑を執行するということは,基本的な考えの中にあるのかということについてお聞かせください。
【大臣】
 司法の手続きとそれは別であると認識しております。
【記者】
 ということは,例え司法が重い判断を下しても,それとは別に独自に調査をして死刑の執行を考えるということでしょうか。
【大臣】
 そういうことではなく,一つの司法手続において,裁判としていろいろなことを審理しました。その手続き上,それぞれの事件に原因があって結果があることが分かるわけです。執行に当たっては,それらについてしっかりと調査をして結論を出すべきだろうと思っております。
【記者】
 3月まで,死刑の在り方に関する省内の勉強会が設置されていて,一定の結論を出して終了しましたけれども,改めて,死刑の在り方について検討する御意向があるかという点についてお聞かせください。またもう一点,以前,特捜部の検事による虚偽の捜査報告書の作成問題などが前大臣のときにありました。滝前大臣は指揮権の発動について,いざとなったら臨まれるというスタンスであると御発言されていて,その前の小川元大臣も,その問題に関して,発動を検討されたと退任会見でおっしゃった経緯がありましたが,指揮権の発動についてどのようにお考えかということをお聞かせください。
【大臣】
 私は,指揮権の発動というのは,慎重にしていかなければいけないと思っております。特に過去の歴史の中で,指揮権発動というのは,1回だけあったというふうに承っております。そういう点で,指揮権というのはやたらに発動すべきものではないと思っております。
【記者】
 死刑の在り方の検討についてはどのようにお考えでしょうか。
【大臣】
 それは,滝前大臣から,まだ引継ぎが十分ではなく,明日以降させていただくわけですので,その辺については,これからしっかりと引継ぎをさせていただこうと思っております。
【記者】
 先ほど大臣は,死刑について司法手続と行政手続は別であるとおっしゃいました。そして,仮に死刑の判決が出ても,原因があって結果があるので,それについて調査して結論を出すべきだとおっしゃってましたが,調査するというのはどういった点について調査する必要があるとおっしゃったのでしょうか。
【大臣】
 私は,一つ一つの調査すべき問題というのは,それぞれの事件によって違うと思うのです。ただ,一概に,始めから死刑ありきという前提で物事を考えていくと,そこに大きな過ちが出てくる可能性がありますので,全体的にいろいろなことを調査する必要があるというふうに私は考えております。
【記者】
 つまり,えん罪の疑いがあるかどうかを調査するということですか。
【大臣】
 えん罪の問題もあります。ほかの問題も私はあるだろうと思います。
【記者】
 ほかの問題というのは,例えば死刑が重過ぎるとかいう観点でしょうか。
【大臣】
 司法の手続上,裁判で出したものを,そのことについてどうのこうのということではなくて,先ほど申し上げたのは,一つ一つの問題でえん罪の問題も含めながら,ほかにもあらゆることを調査し,分かりやすく整理する必要があるだろうということで申し上げたわけです。
【記者】
 そうすると,裁判三審制といっても,三回やるかどうかはケースによって違いますけれども,特に裁判員裁判といった形で一般の市民が入って熟慮を重ねた上で死刑という判決を出しているわけですが,その重みをどのように考えているのですか。
【大臣】
 それは,一般の人も裁判員という形で参加するわけですから,私は重く受け止めていかなければならないと思っております。
【記者】
 それを重く受け止めた上でも更に行政手続は別であるからまた考えるということですか。
【大臣】
 先ほど申し上げたように,いろいろと検察の改善をしなければならない,あらゆることを検討しておく必要があるだろうと思っているところであります。
【記者】
 先ほどから死刑の問題で,何度も分かりやすくしておく必要があるのだとおっしゃいましたけれども,これはどういうことを言っているのでしょうか。分かりやすく説明していただきたいということと,死刑の命令を出すということは,法務大臣の職責であるという御認識はあるのかということ。それから先ほど取調べの録音録画,可視化の問題について伺いましたけれども,やはりえん罪を無くすためには,全過程の,最初から最後までの録音録画や,任意捜査の段階での録音録画,あるいは録音だけでも必要だという意見がずいぶんありますけれども,そういう問題については,大臣はどういうふうに今認識されているのか伺わせてください。
【大臣】
 可視化の問題は,今,いろいろな形で進んでいると思いますし,私は,可視化の問題は,それなりにいろいろな形で成果が出ていると思います。ただ,全てを可視化という形の中で実施することができるのか。私はそうじゃないと。初動捜査から始まり色々な問題がありますから。そういうことを含めても,このえん罪やいろいろな問題を無くす意味で,それがあっていいのだろうと私は思っております。
【記者】
 死刑のことで,分かりやすくしておく必要があるということをおっしゃいましたけれども,これはどういうことかを分かりやすく説明してください。
【大臣】
 今,検察の捜査についてはいろいろな形で不祥事が出てきていると思います。一方で,例えば親が無抵抗な子どもを死なすといった悲惨な事件もあります。あるいはまた子どもが親をと。そういった事件が起きないような世の中を作る上でも,しっかり対応する必要が私はあると思います。
【記者】
 つまり,私の聞いたことのもう一つはですね。法務大臣の職責として,死刑の命令はあるのだと,そういうことを自覚した上で,法務大臣を受けたのかということです。
【大臣】
 私は,法務大臣を受けるに当たって,死刑の執行について,0か100ということはあり得ないということを申し上げたと思います。それぞれの事情によって,いろいろな問題が出てくるわけです。裁判の結果ということもあって執行が求められてくるわけですから,しっかりと法務大臣としての結論を出して行きたいと思っております。
【記者】
 0か100かではなくて,法務大臣というのはそういう命令を出す,そういう職責があるということを十分自覚して,その職責を果たすという,そういう自覚の下で就任されたのか。それとも,できることならやりたくないと。そういうことなのか。
【大臣】
 私は,そういうことを含めて,自覚して就任させていただいたつもりです。
【記者】
 先ほど,取調べの可視化はもう成果が出ているとおっしゃいましたが,そういう御認識で臨まれているということですね。
【大臣】
 可視化もいろいろな形で,少しずつ成果が出ている。私は,可視化の問題も,いろいろな研究会に出たり,お話も聞かせていただいております。しかし,私は全てが可視化で云々ということはあり得ないと思っております。ただ,現実問題として,やはり,えん罪などを無くす意味でも,そういった必要性もあるのではないかと,こういうふうに申し上げたわけです。
【記者】
 全てが可視化で云々とはどういう意味でしょうか。
【大臣】
 先ほど申し上げていますように,初動捜査から始まり,いろいろなことを含めて,全ての捜査段階で可視化でできるわけはないと私は思っております。
【記者】
 警察の問題を聞いているのではなくて,検察の問題を伺っているのです。
【大臣】
 検察の問題としても,私は,捜査の初動からその結果を含めてちゃんと把握しておかなければいけないのだろうと思っております。

その他の質疑について

【記者】
 大臣は,かつて1988年に発覚したリクルート事件の未公開株5千株を3千円で購入なさっていました。そのときのことについてどのように認識していらっしゃるかということと,実際に東京地検特捜部の方から聴取を受けたのかどうかということについて教えていただけますか。
【大臣】
 まず一つは,特捜部からは聴取も何も受けておりません。それから,株でありますけれども,1988年ですから相当歳月は経っておりますが,未だに自分に対する戒めとして,株はしっかり今でも持っておりますし,資産公開でも帳簿に載せてあります。
【記者】
 当時5千株で買われて,今,2010年の段階では7千株に増えているのですけれども,それはどういう経緯からですか。
【大臣】
 この5千株に対する配当だと思っております。
【記者】
 5千株の配当で7千株になったということですか。
【大臣】
 はい。
【記者】
 当時,事件発覚後の街頭演説の中で,野次を飛ばした方を柔道の技で投げ飛ばして,警察の聴取を受けたという件があったようなのですが,そのときにはどういう経緯だったのかということと,結局どういう処分だったのかということについて伺います。
【大臣】
 それは,全然内容が違います。私は街頭活動や,駅頭で街宣活動をさせていただいておりました。そこへ酔っ払いが,宣伝カーを蹴ったりいろいろなことをして,その制止に入った人に対して逆にネクタイを捻り上げたり,いろいろなことをしました。街頭演説が終わったときに,私は,そういう馬鹿をするなということを申し上げました。そうしたら今度は私の方にその酔っ払いが拳を上げてきたわけですが,私が瞬間的に避けたところ,相手が転んだということです。そのことを含めて警察の方に私の方はしっかりと届けておりました。逆に向こうは,お母さんを含めて,なんとも申し訳ないからということでした。警察から被害届を出しますかと聞かれましたが相手が酔っ払いであったし,相手の親が謝っているものですから,被害届はこちらの方では出しておりません。
【記者】
 先ほどのリクルート事件の件なのですが,5千株を3千円で買われたことが発覚したときですが,大臣御自身の問題意識としてはどのように当時認識されていたのですか。
【大臣】
 私の後輩がお世話になっていた方からの話で,問題となる株だとの認識がなかったこともありますので,先輩後輩の関係でそれを購入させていただいたわけです。
【記者】
 事件そのものが発覚したときにも問題だという意識は大臣はお持ちにならなかったのですか。
【大臣】
 私は未公開株に対する認識というのは,はっきり申し上げて全然なかったわけです。そんなことから,今,この株に対しては,反省の意味を持って,全然手をつけておりません。

拉致問題に関する質疑について

拉致問題に関する質疑については,内閣官房拉致問題対策本部事務局ホームページを御覧ください。

(以上)
ページトップへ