検索

検索

×閉じる

法務大臣閣議後記者会見の概要

令和5年2月21日(火)

 今朝の閣議におきまして、法務省案件はありませんでした。

法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会に関する質疑について

【記者】
 法制審議会は(本月)17日、性犯罪の成立要件を明確化する刑法の改正要綱を齋藤大臣に答申しました。これについての受け止めをお聞かせください。

【大臣】
 性犯罪・性暴力は、被害者の尊厳を著しく傷つけ、その心身に長年にわたり重大な苦痛を与え続けるものであって、決して許されるものではありません。
 令和5年2月17日の法制審議会におきまして、性犯罪に対処するための法整備について、「暴行」・「脅迫」、「心神喪失」・「抗拒不能」の要件の改正、いわゆる性交同意年齢の引上げ、公訴時効の見直しなどを内容とする要綱(骨子)の答申を頂きました。
 これまで大変熱心に御議論いただき、結論を出していただけたことに感謝を申し上げたいと思います。
 今後、答申の内容を踏まえて、速やかに国会に法案を提出できるよう、準備を進めてまいりたいと考えています。

「現行入管法の課題」に関する質疑について

【記者】
 昨日、入管庁のほうから「現行入管法の課題」という資料が発表になりました。その中で1点お伺いしたかったのですけれども、新しい数字が出てきた中で、送還忌避者の中で仮放免逃亡者というのが、昨年末時点で約1,400人と、2.6倍ぐらい増えている状況になっていますが、この現状、増えてしまった状況に関しての大臣の見解と、現状感じる課題はどのようなところか、お伺いします。

【大臣】
 仮放免中の逃亡の原因については、個別の事案ごとに色々ありますので、御指摘の数値の増加要因について、一概にこれだというふうにお答えするのはなかなか難しいかなと思っていますが、現行法上は、収容を解く手段は仮放免しかないということで、実務上は、個別の事情に応じて、仮放免を柔軟に活用して、収容の長期化等を回避してきているというのが実情です。
 しかし、現行の仮放免制度は、その名称のとおり、本来は一時的に収容を解除するという制度でありまして、逃亡等を防止する手段が十分でなく、御指摘のとおり、相当数の逃亡事案等が発生してしまっているということだと思います。
 こうした現行仮放免制度の問題や、令和2年以降、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、収容施設における密集等を回避することを目的に仮放免制度を積極的に活用したことから、被仮放免者数が増加したという事情は、御指摘の仮放免中の逃亡者の急増の一つの要因になっているのではないかなと考えています。

入管法改正法案に関する質疑について

【記者】
 入管法に関連してですけれども、何回か前の閣議後の会見で、大学生の団体の方たちが、法改正に関連して、是非現状、大臣がまだ収容者と会っていないということがあると思うので、そういったことをふだん支援している方たちの学生がお話を聞いてほしいという面談の要望を、(本月)24日金曜日に行うというお話を聞きました。「ちょっと検討してみようかな。」という御回答があったんですけれども、この大学生の面談申請、支援している方たちの、これについて、大臣としてどう向き合うつもりかお答えください。

【大臣】
 今御指摘いただいた記者会見における私の答弁は、入管法の改正案に関しまして、記者さんからの大学生を中心としたNPO団体から直接話を聞くつもりがあるかという御質問でしたが、私は学生の皆さんがこの問題について多く関心を持っていただいているということは、大変良いことだろうと思っているというお話をした上で、今はまだ検討の途上だと、これは変わっていないですけれど、その一つ一つの内容について、私がこの瞬間にお話しすることができませんので、お目にかかっても実りあるディスカッションはできないのではないかなというふうに思いますけれども、ちょっと考えてみたいというふうにお答えをしたところでありまして、お会いするかどうかも含めて、検討してみたいということをお話ししたものでありまして、この点については、まだ状況は変わっていないのではないかと思います。

【記者】
 「検討してみようかなという状況は変わっていない。」というお話でしたが、まだ今法案を法務部会等々で説明する段階で固まっていないと。固まった段階では、大臣としては向き合う気があるかという点、学生だけでなく難民支援を行っている弁護士の方、団体も、是非入管収容の状況ということを、こちらの立場からお伝えさせてほしいということを言っているんですが、そういった弁護団ともお会いする気があるか、これは法案が固まった後でもいいので、その点をお願いします。

【大臣】
 先ほどお答えしたとおりでありまして、まだ内容が固まっていない段階で、ここでそういう先の話までするのは、ちょっと考えてみたい以外に言いようがないかなと思っています。

難民認定制度等に関する質疑について

【記者】
 今年12月に開催されるグローバル難民フォーラムのことで伺いたいと思います。今回、日本政府が共同議長国をやるということで、これはUNHCRなどもそういうふうなことを告知されています。日本は、世界的に見ても先進国の中で難民の受入れ人数が非常に少ない国として知られていますし、また、実際に受け入れている国籍とか地域も非常に限られています。しかも今回の入管法改正においても、入管の行政としての裁量が更に強化するような方向での入管法改正で、難民申請の回数も制限されるといったこともあります。こういった日本政府が議長国を務めるということは、ある意味難民を受け入れている国、どこも色々な対策を立てているわけですけれども、そういう国々に対しても、難民を受け入れなくていいんだというふうな悪影響を及ぼす可能性もあると思いますが、グローバル難民フォーラムの議長国をやるということについて、大臣はどのような課題があると思っていらっしゃるのか、お聞かせください。

【大臣】
 法務省では、難民の認定は難民条約等で定める「難民」の定義に従って、申請者ごとにその申請内容を審査した上で、適切に認定しています。
 また、条約上の難民として認定する場合以外でも、本国情勢などを踏まえて、人道上の配慮が必要と認められる場合には、我が国への在留を認めているところです。
 御質問の中で言及があった、我が国の難民の受入れに関する見解につきましては、御質問者の御見解として伺いました。

【記者】
 今、「質問者の見解」というふうにおっしゃったんですけれども、実際にこの間、例えば昨年アフガニスタンの人が90人以上難民認定されたということもありましたが、これも外交官として、日本の現地スタッフとして働いていた方が日本に来られて、1年間在留資格はありましたけれど、ほとんど放っておかれた状態で、難民申請したくてもできない状態、それで最終的にビザが切れる直前になって慌ててまとめて難民認定したということで、通常の難民認定の仕方とはかなり異なると思います。過去にも、ミャンマーの人はなかなか難民認定が最近は難しくなっていますけれど、以前はやはり難民認定された方の大半がミャンマーの人たちでした。そういうふうに国籍もかなり偏ってくるというのもありますし、それから先の入管法の改正に当たっては、UNHCRからも重大な懸念が表明されました。日本には難民認定の専門機関もないということもあって、国際的な人権機関からも色々と作るようにという要望があるわけですけれども、そういうことを踏まえた上で、やはり今回、グローバルフォーラムの議長国をやるということで、やはり日本の難民認定制度そのものをもっとグローバルスタンダードにしようというお考えはないのでしょうか。今回の入管法にはそれが一切反映されていないと思うのですが、大臣の御見解をお願いします。

【大臣】
 入管法に反映されているかどうかにつきましては、今検討中なので、そうやって断定されるのはいかがなものかと思いますが、御意見は拝聴いたしました。
(以上)