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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和5年11月28日(火)

 今朝の閣議では、法務省案件として、主意書に対する答弁書が2件ありました。
 続いて、私から1点御報告申し上げます。
 (昨年6月、)「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」が(外国人材の受入れ・共生に関する)関係閣僚会議の下で決定しました。その中に、外国人との共生に係る啓発月間を創設し、啓発イベントを実施するということが定められております。それに基づいて、毎年1月を「ライフ・イン・ ハーモニー推進月間」とすることとしました。
 初回が来年の1月です。来年の1月21日(日曜日)に、中心的なイベントとして「オール・トゥギャザー・フェスティバル」を東京国際交流館において開催するなど、各種広報活動を重点的に展開したいと考えております。
 このフェスティバルでは、外国人との共生をテーマにしたトークショー、やさしい日本語の体験コーナー、様々な国の食べ物を楽しめるキッチンカーの出店などを予定しております。参加者の皆様が楽しみながら外国の文化に触れる、外国人との共生社会について知っていただく、そういうイベントにしたいと思って、今、準備を進めております。
 本日、推進月間及び中央イベントに係る特設サイトを設けて公開します。初めての試みですので、是非、報道機関の皆様方におかれましても、この趣旨を御理解いただき、周知・広報に御協力いただければというふうに思います。

技能実習制度の見直しに関する質疑について

【記者】
 技能実習の関連でお伺いします。有識者会議のほうで、先日、最終報告をまとめまして、近く大臣に提出する予定ですけれども、まずこの受け止めと、併せて転籍制限の期間について、経過措置を検討するという形で延長できる余地を残した形ですけれども、この点、法案にどういうふうに落とし込んでいく考えでしょうか。
 
【大臣】
 先週24日金曜日に有識者会議が開かれまして、取りまとめに向け、座長に一任いただきました。今月末を目途ということでありますので、もう近々まとまってくると思います。その中身はまたよく確認したいと思っておりますけれども、論点の一つとして、本人の意向による転籍の在り方が大きなテーマになっていることは事実です。人権保護や労働者としての権利性を高めるという基本的な観点と、一方で、地方における人材が中央へシフトしてしまうのではないかということを心配される議論もあります。人材確保、人材育成の観点から、そういうことを御心配される意見もありまして、原則1年で転籍を認める当初案は維持しつつも、経過措置を設けて調整していこうという趣旨が盛り込まれております。
 これから報告書がまとまってくれば、それを踏まえて政府全体で検討するわけでありますけれども、様々な御意見がこれからも引き続き出てくると思いますので、そういった御意見をなるべく幅広く踏まえて、具体的な制度設計に入っていければというふうに思います。
 (日本が外国人材から)選ばれる国になるというのが、やはり重要な要素だというふうに思いますので、関係省庁とともに、丁寧に検討してまいりたいと思います。
 
【記者】
 今の(質問)に関連してですが、やはり地方の心配に対しては、転籍制限に関する部分だけでは、やっぱり払拭できないと私は思うんですが、識者なんかも、産業政策をやっぱり強化するということが必要じゃないかと言っているんですが、産業政策となりますと、法務省、入管庁、厚労省だけではやはり足りないと思いますので、まさに政府全体で経済官庁を含めて検討しないといけないとは思うんですが、そこらへんについて大臣のお考えがありましたらお伺いします。
 
【大臣】
 全くそのとおりです。入口の扉をどれぐらい開くかだけではなくて、中へ入った産業政策の在り方ですよね。様々な取組が考えられますので、分野ごとにまた事情も違ってくるのだろうというふうに思います。そういったものを関係省庁とも、業種ごとにそれぞれ所管省庁がありますから、よく連携を取って、その実態を踏まえて、またその産業政策の分野でやっていただくこともあると思います。政府全体として、水際の発想だけではなくて、受け入れた後の全体の状況もしっかり踏まえて、これは結論を導いていく必要があるし、実際やってみて修正していくということも起こり得ると思います。最初から正解にたどり着けるかどうか、それは分からない部分もありますので、そういう意味で一定の期間の中で丁寧に対応して、二つの要請について、できるだけの最適な答えを見つけていくと。そういう姿勢でやっていければと思っております。
(以上)