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法務大臣臨時記者会見の概要

令和5年12月19日(火)

 令和6年度予算案について、本日(午後)2時20分ぐらいから鈴木財務大臣との間で大臣折衝を行いました。私からは3項目、具体的な予算額も含めてお願いしました。いずれも、その必要性を認めますと、予算を付けますという回答を得ることができました。
 まず第1項目でありますけれども、「再犯防止対策の推進及び法務省施設等の環境整備」の経費として351億円を措置するということであります。2番目の項目が、「出入国在留管理体制及び公安調査庁の情報収集・分析体制の強化」に必要な経費として182億円の措置が認められました。3番目が、「法テラスによる総合法律支援の充実強化」に必要な経費として325億円の措置が認められました。合わせまして八百数十億ぐらいになると思いますけれども、この3項目であります。
 重点項目を三つに絞った理由も合わせ、少し御説明したいと思いますが、まず「再犯防止対策の推進」というのは、法務行政の本丸だと思うのですよね。私はそういうふうに思って、この3か月余り取り組んできたわけであります。拘禁刑の導入あるいは被害者等の心情等伝達の仕組みを作る。質が変わる非常に大事な結節点に今いるわけでありまして、鈴木大臣にもそのことをよく御説明しました。そして、刑法犯検挙者の約半分を占める再犯の人たちについて重点的に新しい考え方を入れ、手法を入れ、それにふさわしい人員、それにふさわしい研修、それにふさわしい機器、そういったものを整備する予算として、この351億円が構成されていますという説明をして、お願いをしました。
 もう一方で、そういう新しい法務省の姿に反して、今度は古い法務省があるんですよね。本当に古い宿舎と施設です。これはやっぱり積み残されてきたなという感じが私はすごくしていて、(現行の)耐震基準制定前に建てられた法務省職員の宿舎が(約)3,000戸あるんですよね。だから、年300戸ずつ建て替えても10年掛かるぐらいの古い塊ができちゃっているのです。新しい法務省を作るだけではなくて、古い法務省もちゃんと直していかないと進めないんですということを、よく鈴木大臣にもお話ししました。人が支える官庁ですから、ここがやっぱり手当てできないとそう長く耐えられないと思うんですよね。ただその中で、やたらに建物を増やすつもりはありません、ということもよく御説明しました。
 2番目の、出入国(在留)管理体制及び公安調査庁の話ですが、これはやっぱり一言で言うと時代の要請ですよ。もう御説明するまでもないと思いますけれど、共生社会をしっかり作る、そして内外情勢が非常に不安定な中、情報の把握、情報収集、分析。これにはやっぱり必要な予算が求められるということを申し上げました。
 3項目目は、「旧統一教会」の被害者救済のためという部分にウエイトがかかると思います。法テラスによる民事手続支援に対する財政的なバックアップが必要です、という御説明をしました。まずは来年度予算の確保はできたということを御報告したいと思います。

令和6年度予算案大臣折衝に関する質疑について

【記者】
 冒頭でも触れていらっしゃったんですが、数ある施策の中でも特にこの3点を重点項目として選ばれた狙いといいますか、大臣御自身の思いについて伺えればと思います。
 
【大臣】
 まず、再犯防止対策は法務行政の本丸だというふうに私が感じていて、その本丸で新しい仕組みが取られようとしている。具体例は拘禁刑とか心情等伝達制度とか、質が変わるような非常に大事なステージにあると思います。(令和)7年6月1日から拘禁刑。来年度中に準備をしなければいけませんよね。こういう意味で、やっぱり重要性が高いという判断が一つあります。もう一方で、繰り返しになりますけれども、施設が老朽化していくということも、これは捨て置けない。これも私が着任して色々な施設を回ってみて感じたことです。これはあまりにも古すぎると。1年2年では解決できないけれど、しっかりとしたものにしたいという思いがあって、これは国土強靱化の予算を活用することも考えていきたいと思っています。議員立法によって実施中期計画を作ることが法律で決まりました。法定計画であります。5年ごとに、5年とは決まっていないので3年かもしれないけれども、あらかじめ5年間でこの事業規模という金額を明示したものが出てきます。それと法務省の計画が仮にできれば、施設を建て替える、あるいはリフォームする。両方あると思いますけれど、それがマッチできれば進むと思うんですよね。一方で、矯正施設も効率化していく。そういう土台になる部分なので、今回は重点項目の中に入れさせてもらいました。
 あとは、先ほど言った時代の要請ですね。法テラスも含めて。そういったものを勘案して、最終的にこの項目を強くお願いしようと、そういう判断になったわけです。
(以上)