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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和6年1月26日(金)

 今朝の閣議でありますが、法務省も関係する案件としまして、「令和3年度決算に関する参議院の議決について講じた措置」が国会提出案件として閣議決定されました。
 続いて、1件だけ私から御報告をしたいと思います。空港における入国手続に関する新たな取組であります。
 入管と税関に対して、(空港での入国手続に際し、)ワンストップで、入管に関する情報、税関に関する情報を同時に提供できる「共同キオスク」という新しい端末を設置するということで、1月31日から3月末までの間、実証実験を(行うため、端末を)羽田空港第2ターミナルに設置しまして、試験運用をして、その結果を踏まえまして、また他の空港にも新年度は広げていこうと、こういうことであります。結果的に色々なケースがあると思いますけれど、税関への電子申告というステップが一つ確実に不要になるという効果ははっきり見込めるわけでありまして、利便性の向上や時間の短縮に資するというふうに思います。「キオスク」は、東屋という意味に由来する英語だそうです。端末を設置して進めていこうということであります。

危険運転致死傷罪等に関する質疑について

【記者】
 危険運転致死傷罪の有識者検討会に関してお尋ねします。(本月)23日(火)、関東交通犯罪遺族の会が大臣に要望書を提出されたかと存じます。この中で、危険運転致死傷罪の要件見直しに加えて、過失運転致死傷罪の刑の引上げも求めていました。こちらの要望書をどのように受け止めているかと、検討会の議論に反映される可能性はありますでしょうか。
 
【大臣】
 御指摘の要望書を、(本月)23日に関東交通犯罪遺族の会の代表の方から、受け取りました。その要望書の中には、その後の懇談でも御意見がありましたけれども、危険運転致死傷罪の構成要件、これをもっと広げる、もっと明確なものにする、そして過失運転致死傷罪の法定刑を引き上げる必要性について、貴重な御意見を承りました。突然御家族を理不尽な事故で亡くされた遺族会の方々の言葉でありますので、大変重く真摯に受け止めさせていただきました。法務省としても、この問題について様々な御意見が寄せられていますので、速やかに検討会を開いて議論を具体化したいというふうに考えております。法整備の必要性も視野に置いて検討会を開きたい、その人選等を今、調整を進めているところであります。具体的な論点については、またその検討会の場で議論されますけれども、幅広い論点について議論が行われることになるというふうに考えております。また、何らかの形で、御遺族の方の御意見を直接伺う、そういう場も設けられるのではないかと思っております。しっかりと今回の要望書も受け止めて、この検討会を含めて、具体的に進められるように事務局としてしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。

能登半島地震の被災者への支援に関する質疑について

【記者】
 能登半島地震を受けて、被災地支援のパッケージが決定されましたが、法務省としての取組を教えてください。また、昨日、現地に派遣されていた職員の方々から報告も大臣、受けられましたが、その話を聞いたりとかして、今後更に強化したい支援などがあったら教えてください。
 
【大臣】
 被災者の方々の生活と生業、そしてインフラの復旧、こうしたものを目的として、昨日の夕方、官邸で「令和6年能登半島地震非常災害対策本部会議」が開かれまして、そこで「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」が決定されました。その中に、法務省関係の施策がいくつか入っております。一つは、避難所の運営の支援。これは後程申し上げますけれども、特別機動警備隊が現地へ行って、被災者の直接の支援に当たっています。2番目が所有者不明空家の解体に際して、改正民法による新制度である所有者不明建物管理制度の積極的な活用。3番目が法テラス(日本司法支援センター)において、被災者が抱える様々な法律問題に関して、資力の状況にかかわらず無料の法律相談を実施する。4番目に、外国人技能実習機構本部に特別相談窓口を設置しまして、被災した技能実習生等からの相談に応ずる。また、監理団体等の被災によりスムーズな実習先の変更ができない場合には、同機構において、実習先の変更を支援する。そういう要望を聞いて支援する。こういう項目がパッケージの中に立てられております。
 また、これに関連しまして、かねがね申し上げているように、ピーク時300人程度の方々を、金沢地方法務局輪島支局が入った合同庁舎に避難者として受け入れさせていただいております。コロナ、インフルエンザ、厳しい寒さの中でありますから、検査キット400セットを金沢地方検察庁から輪島の合同庁舎へ搬入したという報告を受けております。
 また、矯正局の特別機動警備隊、管区機動警備隊が合計60名ぐらいだと思いますけれども、まず捜索活動、そして支援物資の搬入、そしてシャワーブースや簡易トイレの設置と運営。これもずっと継続的に行っているところであります。昨日、中間報告ということで戻ってきた隊員から直接報告を受けました。「非常に厳しい状況の中で、しかし、できることに全力を尽くしてきました。またこれからも全力を尽くしていきます。」と、そういう報告を受けたわけです。「現地の方々と接したということも含めて、どういうふうなことが心に残っていますか。」という質問をしましたが、「非常に現地の方々が、感謝の気持ちを伝えてくれた。」と。「本当に有り難い。」と。「家に寄って晩御飯を一緒に食べていきなさいよ。」と言われるようなこともあったそうです。ですから、「助けに行ったんですけれど、サポートしに行ったんですけれど、逆に励まされて帰ってきました。」ということを言っておりました。「被災者の方々の持つ温かさに我々が励まされ、その力をまた被災者に戻していくという、そういう心の交流を通じた支援が非常に強く心に残った。」というふうなことを言ってくれていました。この特別機動警備隊は、今後も能登に行きますし、他の被災地にもこれからも出かけていくことがあると思いますので、こういった経験は、無形なものですけれども、大きな資産だと思うのですよね。経験値だというふうに思います。シャワーブースの設置も大変多くの方に感謝されましたが、熱いお湯が出る、水を回していかなければいけない、ちょっと複雑な機構になっているので、「うまく設置、管理できましたか。お湯はちゃんと出ましたか。」と聞いたら、「一生懸命日頃訓練していたので、大きなトラブルもなくスムーズに1日数十人の方に利用してもらうことができました。」と言っていました。彼ら自ら、「やっぱり日頃の訓練がこれほど大事だとは思いませんでした。大事なんだということを実感しました。」と、こんなふうに言ってくれていました。実地の現場に行ってみて、様々なことを感じ、学び、そして現場にまた向かっていくということで、激励をして、送り出しました。1回休息してくださいというふうに申し上げましたけれども、また引き続き頑張ってもらいたいということを申し上げました。
(以上)