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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和6年4月5日(金)

 今朝の閣議では法務省案件として政令が1件ございました。
 入管法等改正法の施行期日を定める政令が閣議決定されました。補完的保護対象者に係る制度の導入についてはもう施行されていますけれども、残りの大部分に係る施行日を本年6月10日に定める政令が閣議決定されました。
 もう1件、私の方から報告がございます。それは受刑者の学習機会の拡充についてです。長野県の松本に少年刑務所がありまして、その中に公立の中学校の分校が設置されています。松本市立旭町中学校桐分校といいます。これまで男子受刑者を入学させてきました。今回初めて、女子受刑者を入学させることとしまして、来週9日火曜日に入学式を行います。これは、来年導入が予定されております拘禁刑の施行を見据えて、義務教育レベルの学力を欠くことが本人の改善更生や円滑な社会復帰に支障があると認められる女子受刑者に対して、本人の希望を踏まえ、中学校の教育を受ける機会を設けることを目的とするものです。この学校が創立されたのは1955年4月です。約70年の歴史を有する桐分校に女子受刑者が入学するというのは初めてでございまして、しっかりと我々も取り組んでいきたいというふうに思っています。

民法等改正法案の審議に関する質疑について

【記者】
 共同親権について伺いたいと思います。今週、法務委員会でも議論が続いていますけれども、DVや虐待の観点から法案に反対する声等も上がっています。このような不安の声にどのように向きあって議論に臨んでいかれるのか、大臣のお考えをお願いいたします。

【大臣】
 本日もこの後、衆議院法務委員会で民法等の改正法律案の審議が行われます。離婚後の子の養育の在り方、これは子の生活の安定や、心身の成長に直結する問題であり、子の利益の観点から大変重要です。子が置かれている状況というのは千差万別でありますけれども、子の利益を確保するべきだという理念の中で、制度を作ろうとしているわけであります。千差万別なので、なるべく柔軟に対応していく仕組みが必要だということです。しかし、国民の側からすれば、様々な状況があり、不安もたくさんあると思いますので、我々も御説明いたしますし、また法務委員会においても様々な御意見が出されると思います。丁寧に御説明して、国民に不安を抱かれないように、しっかりと法案審議に取り組みたい、対応したいというふうに思っています。

受刑者等の学習機会の拡充に関する質疑について

【記者】
 先ほど冒頭にもありました、全国で唯一の少年刑務所内の中学校に女性が入学するということと、今年度から全国の少年院の在院者に通信制の高校で学ぶ機会を与える取組が始まりました。この受刑者らが学ぶ機会を設けることの意義と、期待する効果についてお答えください。

【大臣】
 令和4年に新たに受刑することとなった者のうち、約57%が高等学校未修了です。また、少年院在院者についても、多数の者が中学校卒業又は高等学校中退の教育程度であり、円滑な社会復帰等に当たって、これを乗り越えることが大きな課題の一つとして位置付けられています。こうした状況下で、受刑者等に社会生活の基礎となる学力を身に付けさせることは、進路や就労の選択の幅を広げるなど円滑な社会復帰や改善更生の意欲の喚起にもつながる重要な意義を有していると思います。通信講座の実施も含めて、来年の拘禁刑の導入を見据えて、受刑者等の更生、円滑な社会復帰に向けて着実にこの制度がワークするように、きちんと我々もフォローアップしながら更に深めていく、そういう洞察もしながら取り組んでいきたいと思います。

連続テレビ小説「虎に翼」への撮影協力に関する質疑について

【記者】
 女性初の判事をモデルとしたNHKの朝ドラ「虎に翼」の放送が始まりましたが、法務省は全面的に撮影協力を行っています。大臣の所感をお願いします。

【大臣】
 これは大変我々が共感を持ちうるドラマでして、今週月曜日から始まっています。まだ見る余裕がないのですが、録画のスイッチは入れました。多分撮れていると思います。日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ三淵嘉子さんという一人の女性をモデルとして、この方の実話に基づくオリジナルストーリーというふうに聞いています。当省の「赤れんが棟」にある法務史料展示室の特別展示室では、現在、「近代の法曹」をテーマとする企画展示を行っています。この企画展示と並行する形で放送が始まっていますので、ぜひ皆さんも御覧いただければと思います。

難民申請者を強制送還の対象とする運用の開始に関する質疑について

【記者】
 入管法について、難民申請中の強制送還を可能とする運用がいよいよ始まります。国会審議でも議論を呼んだ部分ではありますが、所管省庁として改めて御見解をお聞かせください。

【大臣】
 まず入管法でありますけれども、様々な御議論があって成立し、いよいよ施行になります。外国人を受け入れるに当たって、ルールに基づいて我々は受け入れ、そして共生社会を作っていく。でもなかなかルールに沿っていただけない方については、速やかに国外に出ていただく。そのメリハリをしっかりつけようということで、様々な御議論がありましたが、いよいよ施行を迎えます。法案審議の際に色々議論されました立法の趣旨、あるいはまた逆に色々な懸念、こういったものをしっかりと、現実に施行した後、その状況をつぶさにフォローアップしたいというふうに思っています。

政治資金パーティーをめぐる関係議員の処分決定に関する質疑について

【記者】
 政治資金パーティーの関係です。昨日、関係議員ら39人の処分が決定されました。処分の在り方や国会での実態解明が不十分なまま幕引きを図ったとの批判もあります。本件について御見解をお聞かせください。

【大臣】
 自民党の処分の話ですが、これは政府、法務大臣として、状況は掴んでいますけれども、法務大臣としてお答えすることは難しいため、御理解をいただきたいと思います。
(以上)