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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和6年4月12日(金)

 本日の閣議ですが、法務省案件としては、主意書に対する答弁書が1件、閣議決定されました。
 続いて、私から、補完的保護対象者に対する定住支援プログラムの開始について申し上げます。昨年12月1日から補完的保護対象者の認定制度が施行されました。これに伴って、補完的保護対象者として認定された方々には、我が国での自立支援の一環として、日本語教育や生活ガイダンスを受講できる「定住支援プログラム」を提供することとしております。
 来週の月曜日から、この定住支援プログラムを開始したいというふうに考えております。
 第1回目の定住支援プログラムの受講予定者は107名です。内訳は、昼間のコースで、6か月間教室に通っていただくコースが24名、6か月間のオンライン受講のコースが22名、そして、夜間コースで、1年間のオンライン受講のコースが61名です。
 補完的保護対象者の認定制度を活用することにより、保護すべき方々を確実、迅速、安定的に保護するとともに、認定された方々が適切な支援を受けて、日本で自立していけるよう、このプログラムを通じて進めていきたいというふうに思っております。

補完的保護対象者に対する定住支援プログラムに関する質疑について

【記者】
 今お話のあった補完的保護対象者への定住支援プログラムについて伺います。まず改めて、その具体的なプログラムの内容を教えていただきたいです。
 また、そのプログラム修了後に支援を要する補完的保護対象者に何らかの支援を行う御予定があるのかどうかも併せて伺います。

【大臣】
 補完的保護対象者に対しては、572時限の日本語教育や、120時限の生活ガイダンスを受講できる定住支援プログラムを提供します。このプログラムは、日本で就労し、自立した生活をしていただくに足る日本語能力及び生活に関する様々な知識を習得していただくことを目的とする構成になっております。
 これが習得できれば、自立的に生活ができ、就労活動に入っていけるであろう水準を目指して、昼間のコースは半年間、夜間のコースは1年間で習得していただくという形になっています。その他、ハローワークによる就労支援なども行われていきますので、能力を磨いていただき、就労につなげていこうという考え方で組み立てられています。
 したがって、このプログラム修了後であっても、当然のことですけれども、補完的保護対象者に対する相談事業は行われていきます。住居、就労、行政手続等に関する相談サポートは、必要に応じて利用可能ですし、またFRESC(外国人在留支援センター)や各地方入管においても、各種の相談は引き続き受け付け、サポート体制を取っていくという形になります。
 補完的保護対象者への定住支援プログラムには、日本に残る気持ちを固めていただいた方々が応募してくださっていると思われます。そういう方々がまず先頭集団で頑張っていただければ、またそれに続く多くの方々がこのプログラムにも参加してくれるのではないかというふうに思っていまして、いよいよそれがスタートしますので、大事な段階に入ってきたなというふうに思います。しっかりと取組を進めたいと思います。

共同親権に関する質疑について

【記者】
 共同親権についてお伺いします。共同親権を導入した場合の高校無償化の判定についてなんですけれども、共同親権を選択した場合は、高校の就学支援金について親権者が二名になることから、夫婦双方の合算所得で判定を行うと国会の審議でも答弁がありました。大学の奨学金などは違うのに、なぜ高校無償化は元夫婦の収入の合算となるのか、またそれについて不安の声も上がっていますが、対応を改めるような考えがあるかお聞かせください。

【大臣】
 高校無償化の御質問ですね。所管は文部科学省だと思います。したがって、ここで不正確なお答えをするわけにもいかないので、よく調べてまたお伝えできることがあればお伝えさせていただきたいと思います。そういう問題意識をお持ちだということは受け止めさせていただきます。

在留特別許可に係るガイドラインに関する質疑について

【記者】
 6月に予定されている改定入管法の施行を踏まえて、3月5日に「在留特別許可に係るガイドライン」の改定版が公表されました。この件に関して、3月27日に東京弁護士会が会長声明を発出しました。
 この中で、新しいガイドラインにおいて、「不法に滞在する期間が長期間であること」が消極的に評価されていることや、「退去強制令書が発付された後の事情変更等は原則として考慮されない」ことなどについて東京弁護士会の方で問題視し、「憲法や国際人権諸条約を踏まえて、子どもの利益や家族の結合、日本人や特別永住者との婚姻関係や無国籍性への十分な配慮」、改正入管法の参議院での付帯決議にもあったんですけど、新ガイドラインを人権保障の観点から是正すべきだと提言されています。
 以前であれば、在留特別許可が出たようなケースであっても厳しくなっていたり、たとえ出ても「特定活動」という、活動内容に非常に制限が付いた在留特別許可しか出ないケースが最近増えていると思います。
 それで、在留特別許可の新しいガイドラインの見直しを、6月までに再検討するのかという点と、なぜ、以前なら在留特別許可で定住者資格が出たようなケースであっても許可されなかったり、在留特別許可されても、「特定活動」しか出さなくなったのか、その理由をお答え下さい。

【大臣】
 御指摘の声明は、在留特別許可の判断の在り方に関するものであると思いますが、この3月に公表しました新たなガイドラインは、従来からの在留特別許可の判断の在り方を変えるものではありません。むしろ判断の透明性を高めるために行われたものです。したがって、引き続き個別事案に応じて、適切に判断がなされていくということを御理解いただきたいと思います。
 また、在留特別許可に当たって付与する在留資格についても、従来から当該外国人が行おうとする活動、あるいは、当該外国人が有する身分若しくは地位に応じて個別に決定がなされていきます。したがって、一概にお答えすることが困難であることも御理解いただきたいと思います。いずれにしても、引き続き個別事案に即して適切に判断してまいりたいと思います。
(以上)