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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和6年4月19日(金)

 今日の閣議では、法務省案件はありませんでした。
 続いて私から2件御報告させてください。
 1件目は、我が国の保護司制度を世界に発信する取組についてです。令和6年4月17日(現地時間)に、オランダにおいて、第6回世界保護観察会議のプログラムの一つとして法務省が企画しました、第2回世界保護司会議が開催されました。
 この会議では、罪を犯した人の立ち直りを支える保護司を始めとした地域ボランティア制度を広く世界に普及していくための方策や、適任者確保などの課題の解消に向けた知見が共有されました。
 この会議の成果として、開催日である4月17日を「国際更生保護ボランティアの日」とする宣言が採択され、保護司を始めとした地域ボランティアの取組に対する国際的認知度の向上を図ることなどがこの宣言に盛り込まれました。
 法務省としては、この宣言を踏まえ、引き続き、我が国が世界に誇る保護司制度の国際発信に取り組むとともに、保護司の活動が一層充実したものとなるよう必要な支援に尽力してまいります。
 2件目は「デートDV」に関する新たな啓発動画の公開についてです。
 政府においては、毎年4月を「若年層の性暴力被害予防月間」と定めて、効果的な啓発活動に力を入れています。
 若年層における性暴力被害の未然防止の取組の一つとして、法務省では、大人だけではなく、中高生の間でも深刻化する「デートDV」に関する新たな啓発動画「あなたは大丈夫?考えよう!デートDV」を作成し、4月5日、YouTube法務省チャンネルに公開いたしました。
 この動画は、具体的事例を基に、デートDVに関する正しい知識を伝えることにより、交際相手との日常的なやり取りが、場合によっては、犯罪行為や犯罪に発展する可能性のある行為になりかねないことを理解してもらうとともに、困難を抱える被害者やその周辺の方々に気付きを促し、SOSを発信する方法を周知することを目的として作成したものです。
 その中には、昨年(令和5年)7月に施行された「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」等の性犯罪関係の改正内容等についても、分かりやすく説明しています。
 法務省の人権擁護機関では、本動画を使った人権教室を行うことを予定していますけれども、学校の授業や企業研修など、多くの場面で本動画を活用していただきたいと考えております。
 報道機関の皆様におかれましても、積極的な周知・広報の御協力をお願いいたします。

第2回世界保護司会議に関する質疑について

【記者】
 冒頭にもありました、世界保護司会議についてお伺いします。
 まず、この第2回世界保護司会議を開催された意義と狙いを改めて教えてください。また、「国際更生保護ボランティアの日」宣言が採択されたということですけれども、その意義についても併せてお伺いできればと思います。

【大臣】
 この会議は、保護司を始めとした地域ボランティア制度を広く世界に普及していくための方策や、適任者確保などの課題の解消に向けた知見の共有を行おうという会議です。
 各国それぞれの制度はあると思いますが、やはり社会全体の更生に対するサポートや、社会全体が罪を犯した方々の更生に向けて熱心に寄り添う力は、非常に重要な社会的なパワーだと思います。
 したがって、刑事制度、司法制度と、その制度の外側にある社会全体の共生力というものが、やはりどの国にも働いていると推測されます。
 今、日本ではそれが「保護司制度」という形で、一つの形を整えて歴史を刻んできた実績がありますので、世界に保護司制度を押し付けるわけにはいきませんが、同じ思い、同じ悩み、同じ課題を持った国々も多くあるだろうということで、我が国がちょっと一歩前に出てリーダーシップを発揮して、こういう会議を開催し、「国際更生保護ボランティアの日」を提案して、宣言が採択されたということであります。
 やはり、制度だけではなくて、その制度を包み込む社会全体の志向する方向性や、そこに働く力により、犯罪は抑止され、犯罪者も更生していくのだろうというふうに思います。
 各国からの意見に我々もよく耳を傾け、「持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会」の中間報告や今後の最終取りまとめを踏まえて、保護司の適任者確保など早急に取り組むべき国内の課題にしっかりと取り組んでいきたいと思います。
(以上)