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法務大臣閣議後記者会見の概要

令和7年10月3日(金)

 今朝の閣議において、法務省請議案件はありませんでした。
 

自由民主党総裁選における外国人政策をめぐる議論の高まりに関する質疑について

【記者】
 明日4日にですね、自民党の総裁選が投開票日を迎えます。今回の総裁選では外国人政策が争点の一つとなっていまして、これは昨年の総裁選ではあまり見られなかった現象かなと思います。この議論の高まりについて、入管庁を所管する大臣としてどのようにお考えになっていますか。
 また、総量などの規制について言及する候補がいる一方で、共生についての議論については乏しい印象があります。今後も人手不足を背景に、外国人材の増加が見込まれる中で、大臣として共生に向けて今必要だと思うことは何か、御所見をお伺いします。
 
【大臣】
 まずこの場、これは様々なケースで申し上げていますが、行政府の長という立場で臨んでおりますので、自由民主党の総裁選における議論について、法務大臣として何かをコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。その点は御理解いただきたいと思います。
 その上で、今御指摘のように、今回の自由民主党の総裁選においても、あるいは、先般の参議院選挙においても、外国人をめぐる様々な議論が行われていることは承知していますし、当然のことながらその背景には、多くの国民の皆様方の様々な不安、こういったものがあると考えています。
 その中で、私どもとしても、政府としても、不法滞在者ゼロプランを策定し、これを実施しており、同時に入管法の改正等も行ってきたところです。
 また、先般も、大臣の私の下での私的勉強会の論点整理ということで、外国人受入れの基本的な在り方の検討のための論点整理もまとめてきたところです。そして、政府全体としても、秩序ある共生社会推進室の立ち上げをしています。
 当然、外国人との共生ということで申し上げれば、これは当然のことながら、受け入れる側の日本人が共生社会の実現について理解し協力するよう努力をしていく、同時に、受け入れられる側の外国人もまた、共生社会の共生の理念を理解し、日本のルール、文化等を理解するよう努めていく、こういったことが重要であろうと考えています。
 その上で、やはり先ほどの御指摘にもありますが、活力ある強い日本を実現していくためには、外国の人材の方々に活躍いただくことも当然その一つの要素であろうと思いますが、その大前提としては、やはり日本の国民の皆様方の安全・安心をどう死守していくのか、そういったことがまさに絶対条件であろうと思いますし、そこをどう両立していくのかということについて、これから様々な場で議論が深められ、進められていくことを、期待していきたいと思っています。
 その上で、私どもとしても、先般立ち上げました出入国在留管理庁の「外国人の受入れの基本的な在り方の検討のためのPT」を中心に、社会統合の在り方、あるいは今どういった課題があるのか、そういったことも含めて、必要な検討を可能な限り速やかに進めていきたいと考えています。
 

性同一性障害特例法に関する質疑について

【記者】
 性同一性障害特例法に関連してお伺いします。
 この法律をめぐっては、最高裁大法廷が2023年10月に、生殖機能がないことを性別変更の要件とする規定を違憲・無効とする決定を出しています。また、いわゆる「外観要件」についても「違憲・無効」とする司法判断が、9月の札幌家裁決定をはじめ、少なくとも5件あることが判明しています。
 今月で23年の最高裁決定から2年となります。違憲判断後も法的な見直しがなされない状態が続いていることを、大臣はどのように受け止めますでしょうか。また、外観要件も違憲とする司法判断が複数で出されていることについての御所感や、法務省としての対応方針を教えてください。
 
【大臣】
 今御指摘の件ですが、この性同一性障害特例法については令和5年10月に生殖不能要件、いわゆる4号に関して違憲であるといった趣旨の最高裁大法廷の決定がなされたところであり、ここについては厳粛に受け止める必要があると認識しています。
 同時に下級審においても、そこで違憲とされた外観要件の5号ということですが、それも含めて議員立法として制定されたこの法律の改正の在り方については様々な考え方があるものと承知しています。
 現時点において、私ども法務省として、改正の形式、あるいは時期を含めて、具体的な対応を対外的に申し上げられる状況ではないということは御理解いただきたいと思いますが、引き続き関係省庁とともに必要な検討を進め、同時にこれは立法府が大きな役割を果たしていくことでもあり、立法府においても十分な議論をいただくことが必要かと思っています。
 私どもとしては、立法府とも十分に連携して、適切に対応してまいりたいと考えています。
 また、この外観要件を違憲と判断した複数の下級審の審判があることについても承知していますが、個々の事件の判断についてのコメントは、差し控えさせていただきたいということで、御理解いただきたいと思います。
 引き続き、このような下級審の審判の動向についても、注視してまいりたいと考えています。
(以上)