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平成29年 記者会見要旨  >  法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成29年3月14日(火)

 今朝の閣議においては,法務省案件として主意書に対する答弁書が2件ありました。

民法の成年年齢引下げに関する質疑について

【記者】
 成年年齢を引き下げる民法改正案についてお尋ねします。法務省として目指してきた今国会の提出が難しくなっていますが,新たな提出目標の時期と民法改正の必要性についてお聞かせください。

【大臣】
 成年年齢を18歳に引き下げる内容の民法改正案については,これまでも記者会見等において,早ければ今国会に提出することも一つの選択肢であると述べてまいりました。現在もこの状況に変わりはありません。いずれにしても,法務省としては,適切な時期に民法改正案を提出したいと考えています。
 一方,昨年7月の参議院議員の通常選挙から,選挙権年齢が民法の成年年齢に先行して18歳に引き下げられています。諸外国においても,選挙権年齢と成年年齢を共に18歳とする国が非常に多いと承知しています。
 したがって,法務省としては,18歳,19歳の若者が政治に参加しているという意識を,責任感を持って実感できるようにするためにも,これらの者を取引などの経済活動の面でも「大人」として処遇することが必要であると考えています。
 この点について3月9日の参議院法務委員会でも委員の中から御質問があり,私からもお答えしているとおり,今,非常に法務委員会が混み合っている状況ですが,しっかりとこうした大事な課題を仕上げていくという思いを持って,委員会の状況を拝見していますし,早ければ今国会に提出することも含め述べてまいりましたので,御理解を賜りたいと考えています。

テロ等準備罪に関する質疑について

【記者】
 公明党の合同部会でテロ等準備罪を設ける組織犯罪処罰法改正案について了承が得られました。自民党もおそらく今日昼前後には総務会を通るのではないかという見通しになっていますが,改めてこの法案の国会提出に向けての大臣としてのお考えをお聞きしたいのと,閣議決定はいつ頃で請議しようとお考えなのかお聞かせください。

【大臣】
 法務省として,与党とも適宜適切に相談させていただいています。その内容や与党における手続等については,法務大臣である私の立場からは差し控えさせていただきたいと思います。
 また,テロ等準備罪を設けることにより,テロを含む組織犯罪について,実行着手手前の段階での検挙や処罰が可能となり,その重大な結果の発生を未然に防止することができるようになります。さらに,テロ等準備罪を整備して,TOC条約を締結することにより,国際的な逃亡犯罪人引渡しや捜査共助,情報収集の面で国際社会と緊密に連携していくことが可能となります。このように,テロ等準備罪を含むTOC条約を締結するための国内法の整備は,国民の皆様の安全・安心に大きくプラスになると私は考えています。成案ができた場合には,こういう思いを多くの国民の皆様に御理解いただけるよう努力してまいりたいと思っています。

【記者】
 犯罪に合意することを処罰対象とする組織犯罪処罰法改正案についてお尋ねします。前回の会見で,「ある団体が組織的犯罪集団に該当するか否かについて,過去に犯罪を行ったことを,その要件とするというようなことは考えていない。」という刑事局長の国会答弁についてお尋ねしたところ,「刑事局長と同じ認識である。」とお答えになられました。それに関連してお尋ねします。刑事局長は,同じ委員会で,「飽くまでも,その団体が組織的犯罪集団に該当するかは,その当該事案について,その時点で収集された証拠に基づいて,その当該事案の時点において,構成員の結合の目的が犯罪を実行することになるか否かということについて判断される。それまでの過去の犯罪歴,回数といったことは認定の要件としているものではない。」という答弁をされました。これも刑事局長と同様の認識でよろしいのでしょうか。

【大臣】
 同じ認識です。

【記者】
 組織的犯罪集団に該当するか否かについて,「過去の犯罪歴,回数といったことは認定の要件としているものではない。」というお答えでしたが,これに関連した質問です。以前から聞いていますが,反復継続しているかどうかというのは関係ないということでよろしいでしょうか。

【大臣】
 その点も含め,これまで答弁してきたとおりと受け止めてください。

【記者】
 反復継続のことは関係ないのかという問について,これまでのとおりだと分からないので,説明してもらえませんか。

【大臣】
 ホームページにアップしているこれまでの会見録で確認していただければと思います。

指紋提供報道に関する質疑について

【記者】
 キム・ジョンナムさんが殺害されてから1か月あまりが経ちました。彼が日本を訪れて退去強制となった際に採取した指紋データをマレーシア当局に提供したという話がありますが,これについて,大臣として,どういった事実関係を把握していらっしゃるのか。また,マレーシアから法務省や検察庁に対して,捜査協力の依頼はあったのか。そして,TOC条約に加盟することによって,こうした事案に対しての対応がどう変わるとお考えなのか,三点お聞かせください。

【大臣】
 御指摘のような報道がなされたことは,承知しています。事柄の性質上,私からはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。捜査共助の要請については,外国における個別具体の捜査に関する事柄であるので,要請の有無も含めて,お答えは差し控えさせていただきたいと思います。外国の政府との刑事分野を含む協力関係については,もちろん,今後も引き続き,適切に対応していきたいと考えています。
(以上)