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平成29年 記者会見要旨  >  法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成29年3月17日(金)

 本日の閣議においては,法務省案件はありませんでした。
 本日,平成28年における「人権侵犯事件」の状況を公表しました。法務省の人権擁護機関が人権侵犯事件として取り扱った件数は,依然として高い水準で推移していると受け止めています。特徴としては,前年に引き続き「インターネット上の人権侵害情報に関する事案」の事件数が増加し,過去最高を記録したことが挙げられます。昨年,「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」や「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されたことも含めて,差別のない社会を目指す取組を一層推進することが求められています。法務省の人権擁護機関は,これまでも,人権相談,人権侵犯事件の調査救済を通じて,被害の救済に取り組んでまいりましたが,引き続き,積極的に取り組んでまいります。

いわゆる「GPS捜査」に関する質疑について

【記者】
 最高裁判所は先日,令状のないGPS捜査を違法とする判断を下し,今後もGPS捜査を実施するには「立法措置が望ましい。」と指摘しました。これに対する大臣の受け止めと,法務省として,例えば刑事訴訟法の改正など,具体的な立法措置を検討するかどうかをお聞かせください。

【大臣】
 今般,最高裁判所大法廷において,GPS発信装置を自動車に取り付けて位置情報を取得する捜査,いわゆるGPS捜査について,「今後も広く用いられ得る有力な捜査手法であるとすれば,憲法,刑訴法の諸原則に適合する立法的な措置が講じられることが望ましい。」という解釈が示されたところです。法務省としては,最高裁判所大法廷判決の内容を踏まえつつ,この種の捜査の具体的態様等に即して,必要な検討を行っていきたいと考えています。

【記者】
 必要な検討とは,どの法律を改正しようと考えていらっしゃるのか。あるいは検討に向けて何らかの作業チームを立ち上げるといったことはお考えでしょうか。

【大臣】
 法務省としては,最高裁判所大法廷判決の内容を踏まえつつ,この種の捜査の具体的態様等に即して,必要な検討を行っていきたいと現段階では考えています。

【記者】
 法改正を目指すという理解でよろしいのでしょうか。

【大臣】
 その点も含め,もちろん検討していきます。

【記者】
 今,明言はできないかと思いますが,この判決によって実際の現場の捜査に与える影響もあると思われます。一方で,犯罪が行われると捜査も行わないといけないという中で,あまり長い目で見るわけにもいかないのかなという感覚もありますが,その辺りいかがでしょうか。

【大臣】
 最高裁判所大法廷判決が言い渡された段階であり,いつまでに法改正をするのかについては,現段階では申し上げるのは困難です。まずは検討を行ってまいりたいと考えています。

森友学園問題に関する質疑について

【記者】
 森友学園の籠池氏が総理から寄付をもらったというような発言をしているようですが,その点について,大臣の受け止めを教えていただけますか。

【大臣】
 正にテレビや新聞の報道で知っているだけですので,発言は差し控えさせていただきたいと思います。

【記者】
 野党が籠池氏の証人喚問を行うことを決めましたが,そのことについての御見解をお願いします。

【大臣】
 国会でお決めになったことですので,その点については,発言は差し控えたいと思います。

防衛大臣に関する質疑について

【記者】
 稲田防衛大臣のガバナンスに関してですが,陸上自衛隊の中で,あるはずのない日報が出てきたり,あったことを報告していなかったりということで,特別監察が始まっています。野党側から大臣の辞任を求める声が強まっている上,自衛隊に対するガバナンス能力を問う声も上がっていますが,大臣は,それについてどのように見られていらっしゃいますか。

【大臣】
 防衛省の所管の話であり,防衛省を担当している稲田大臣が説明をされるお話だと思いますので,私からの発言は差し控えたいと思っています。

テロ等準備罪に関する質疑について

【記者】
 テロ等準備罪の件で,前回も質問させていただいた呼称の経緯についてです。どのように,誰が言い出したのかは特定していないということですが,そういう形でいいのでしょうか。はっきりと,誰が起案をして,どういう経緯をたどって,こういう名称を使うことになったということも含めた説明が求められるのではないかと思いますが,いかがでしょうか。

【大臣】
 テロ等準備罪という呼称は,法務省内部において,TOC条約の担保法案の内容を検討していく過程で,法案の実態を踏まえた呼称として,徐々に使われ始め,やがて収れんして用いられるようになったと申し上げてきました。いつ,誰が使用し始めた呼称であるかは不明です。いずれにしても,その呼称がこのテロ等準備罪を新設する趣旨や本罪が対象とする犯罪を端的に表すものとして,適切であると考えています。

【記者】
 報道機関が今回の法案について「共謀罪」という表現を使っていくとしたら,それは誤報だという認識でしょうか。

【大臣】
 報道機関の皆様が報道において,どういう呼称をお使いになるかという点については,私の立場からは,コメントは差し控えたいと考えています。
(以上)