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平成29年 記者会見要旨  >  法務大臣閣議後記者会見の概要-平成29年6月20日(火)

法務大臣閣議後記者会見の概要-平成29年6月20日(火)

法務大臣閣議後記者会見の概要

 今朝の閣議においては,法務省案件として,主意書に対する答弁書が4件ありました。

閉会後の所感等に関する質疑について

【記者】
 18日に通常国会が閉会しましたが,まず,その所感をお願いします。

【大臣】
 国会において,衆議院法務委員会が75時間34分,参議院法務委員会が78時間34分,合計154時間8分という長時間にわたって丁寧な御審議をいただき,これらのうち,テロ等準備罪の創設を含む組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を含め,これまでに6件の法律案を成立させていただきました。この時間の中には,一般質疑の時間も入っているので,どの法案の議論にその時間が使われたかは,ケースバイケースになっています。大変重要な法案の審議が行われ,民法は制定以来約120年ぶりの債権法分野での改正,刑法は明治40年に制定されて以来110年ぶりに初めて性犯罪の構成要件等を大幅に見直す改正,そして組織犯罪処罰法改正については過去3回にわたり,TOC条約の担保法案が廃案となる中,今回は構成要件を厳格に見直し,法案を作り御審議をいただいたと受け止めています。国民の皆様にとって非常に重要な生活や様々な経済取引など,日常に関わりの深い法改正の成果を得ることができました。また,テロ等準備罪についても,国民の皆様の安全・安心という大切な課題であったと思います。
 法務省として,国会での御審議に全力で対応してきたところであり,私,副大臣,政務官としても力を尽くし,一定の成果が得られたと考えています。

【記者】
 週末の世論調査でも内閣支持率が急落したという結果も出ており,その要因として森友学園,加計学園の問題に並ぶような形で改正組織的犯罪処罰法についての批判もあると思いますが,その点についてはどのようにお考えですか。

【大臣】
 ほかの個別の課題について,私から所感を述べることは差し控えたいと思います。また,各種世論調査が実施されていることは承知していますが,国民の皆様に当該法律の必要性,重要性を御理解いただけるように丁寧な説明をしてきました。今後も引き続き,そういう努力をしていかなければならないと常に考えています。ただ支持率というのは非常に広い概念でありますが,その国民の皆様のお考えに対しては,謙虚に受け止める必要があると思います。国民のため,真に必要な施策をやっているのであれば,それをしっかりと御説明することが大切であると考えています。

【記者】
 閣議の後,総理と話していらっしゃいましたが,具体的に大臣から何をおっしゃられて,総理からどういった言葉があったのでしょうか。

【大臣】
 総理から「ちょっといいですか。」というお話でお会いし,「懸案である3つの重要な法案,本当に良く頑張っていただきましたね。ありがとう。」と言われました。

【記者】
 閣議の後の総理との面会で,成立した法律の今後の運用や今ある不安や懸念に対して,どのように取り組んでいってほしいなどの総理からの指示はありましたか。

【大臣】
 具体的な指示はありませんでした。

【記者】
 今回,120年ぶりの民法改正及び110年ぶりの刑法改正の成立,テロ等準備罪の創設ということで,大臣にとっては今国会,点数をつけたら何点でしょうか。

【大臣】
 点数というのは本人が付けるものではなく,ジャッジする人がいて付けるものではないでしょうか。そういう意味において,私はむしろ,皆様から教えていただきたい。もし足らざることがあればどこが足らざるところであったのか教えていただき,どうしても私の思いを御理解いただけないときは,その部分を申し上げるという形になると思います。

テロ等準備罪に関する質疑について

【記者】
 テロ等準備罪に関して,課題が残っているとおっしゃっていましたが,どのように課題を払拭していくのかというのがいまいち良く分かりません。これから間もなく施行されますが,法務省としてはどういったことを政策として実行していこうとお考えですか。

【大臣】
 一般論として,法律が成立した場合,その施行に当たっては,例えば国会審議で指摘された懸念があるのであれば,そういうものを踏まえ,運用の局面で努力できること,あるいはしっかりチェックできるといったものをより気をつけていくなど,いろいろな形で考えていくことができると思います。また,自民党,公明党,日本維新の会の共同提出による修正案もありましたが,そういうことも含め,運用の局面において,しっかりと対応し,不安や懸念を払拭する努力をしていくことが大事であると申し上げます。

【記者】
 運用面について,いろいろ対処していくということですが,先週,おっしゃっていたように警察などに対しては,こういう解釈であるということは伝えるという意味だとは思うのですが,裁判所に対しては,何か運用面で伝えるということは考えているのでしょうか。準備行為が構成要件なのか処罰条件なのか,講学上の議論があります。条文だけ読めば,処罰条件だと読めてしまうところ,裁判所に対しては何か語りかけるのでしょうか。

【大臣】
 適切な運用を心掛けるよう,しっかりと関係機関で話合いをしていくことは,当然のことだと思います。そして,裁判所には,法律の内容について,適切に情報提供を最高裁判所を通じて行っていくものと考えています。

成年年齢の引下げに関する質疑について

【記者】
 通常国会で民法の成年年齢に関わる法案を提出されませんでしたが,次の国会で提出されるお考えはありますでしょうか。

【大臣】
 今の段階で申し上げられることは,適切な時期に提出ができるように努力していきたいということです。
(以上)