検索

検索

×閉じる
平成29年 記者会見要旨  >  法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成29年9月1日(金)

 今朝の閣議ですが,法務省の案件はありませんでした。

平成30年度予算概算要求に関する質疑について

【記者】
 2018年度予算の概算要求がまとまりました。7,864億円を一般会計で要求する内容ですが,大臣として特に重点を置かれている項目と狙いについてお聞かせください。

【大臣】
 主要施策の大きな柱として,一点目は,何と言っても2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け,安全・安心の基盤整備です。二点目は,犯罪をした者等の再犯防止対策の推進を重点的に取り組んでいきます。三点目は,経済再生の加速化と震災復興の推進です。また,グローバル化した国際環境における「司法外交」の展開,こちらにも力を入れていきます。「法の支配」を実現するその他の諸施策も併せて推進し,この平成30年度予算概算要求に向け,しっかりと取り組んでまいりたいと思っています。
 こうした大きな柱を実現する上で,まず,出入国審査体制の整備及び不法滞在対策等,さらに,治安・テロ対策の強化,また,再犯防止のための施設内処遇及び社会内処遇の充実強化,矯正施設の環境整備等,相続登記の促進及び地図整備体制の強化等,2020年国連犯罪防止刑事司法会議「コングレス」の日本開催に向けた事前準備,国際紛争等への対応含む予防司法機能の強化及び子供や若者への幅広い法教育の推進等,法制度整備支援によるビジネス環境整備,さらに,検察活動の充実強化,共生社会の実現に向けた人権擁護施策の推進,頼りがいのある司法の確保のための総合法律支援の充実強化等に関しする経費を含めた一般会計の総額7,864億円及び東日本大震災復興特別会計の総額15億円を要求することとしています。
 これらの施策ですが,全て,法務省の使命である国民生活の安全・安心の基盤を支えることにとって喫緊の重要施策であり,関係省庁,政府及び関係各方面の理解を得て,必要な予算の確保に全力で取り組んでまいりたいと思っています。今回,新たに『グローバル化した国際環境における「司法外交」の展開』を概算要求における主要施策の大きな柱として位置付けました。これについては,「法の支配」を国際的に浸透させる新しい日本のソフトパワーとして,「司法外交」を国の施策に明確に位置付けるという狙いを込めたものです。このような観点から,関連施策についても必要な予算をしっかりと確保し,積極的に進めてまいりたいと考えています。

難民審査参与員の不適切発言に関する質疑について

【記者】
 今日,報道もされていますが,コンゴ人の女性が難民認定審査の異議申立て手続の中で,難民審査参与員が不適切な発言,質問をされたということで,代理人の方が法務省に抗議をしているということですが,これについての大臣の見解と法務省のこれまでの対応と今後の対応についてお伺いします。

【大臣】
 難民認定申請者の代理人である弁護士の方からそのような指摘を受けたということについては承知をしているところです。また,事実関係については,入国管理局において確認をしている最中です。その報告も併せて受けています。
 難民認定申請者に対しては,その置かれた事情に配慮して対応する必要があります。難民審査参与員を含め,難民認定申請者に関わる職員に対しては,今後とも適切な対応をしっかりと行うよう注意喚起をしてまいりたいと考えています。

【記者】
 確認ですが,不適切な発言があったのが本年3月で,抗議自体は4月と代理人の方は言っていますが,確認している最中というのは,その当時からずっと確認をしているということなのですか。それとも最近になって,再び確認をしているということなのでしょうか。

【大臣】
 今般,発言内容について,不適切な発言があったと御指摘をいただき,入国管理局において事実確認を行っているところです。文書等にその旨が記載されているものではなかったということですので,更にその確認をしていくということの中で,迅速に対応するようにという指示をしたところです。

上川陽子議員のツイッターに関する質疑について

【記者】
 大臣就任後にツイッターを始められ,その中で法務省の施策についてもつぶやかれているようですが,始められた理由と今後の活用についてお聞かせください。

【大臣】
 国民の皆様をはじめとして,私ども法務省は,安全・安心の一番土台となる基盤を作っていくという使命の中で,様々な業務を推進しています。この活動そのものについては,待っていては御理解をしていただくことがなかなか難しい案件というのもたくさんあり,むしろ積極的な広報をしていきたいということを考え,その1つとしてツイッターという形での積極広報を,まず自ら進めていこうという趣旨で始めました。まだ準備段階ですので,その限られたところで必要十分な情報がお伝えできるかどうかということも検討しながら,ホームページあるいは様々な媒体とのリンケージというのも図りつつ,各省庁のツイッターの機能もあるということですので,そういったものもうまく検証しながら,国民の皆様の御理解と御協力をしっかりといただくことを目的に,説明責任も含めて果たしてまいりたいと思って取り組んでいます。

大臣就任から1か月を経過することに関する質疑について

【記者】
 間もなく,大臣就任から1か月ということになると思います。昨日,一昨日も視察をされて,来週以降も視察があるかと思います。また,今月25日に臨時国会という話もありますが,どの辺で「上川カラー」を出していきたいと,この1か月で思われているのか教えてください。

【大臣】
 私ども法務省は丁寧,誠実に仕事をして,皆さんから信頼をいただきながら,更に協力をいただきながら仕事を推進していく中で,安全・安心の基盤づくりのミッションを果たすことができると思っています。国民の皆さんとのつながり,窓口のところの部分も含め,「こういうことをしています。」と言っても,国民の皆さんから見るとなかなか敷居が高いというところもありますので,私としては積極広報ということについて,前回,大臣職を務めたときよりも,一段と戦略的,総合的な取組をしていきたいと思っています。そういうことを1か月の間ですが,それぞれの局の所掌を再度ヒアリングをして,2年半前と比べての違いということについても,あるいは現状において緊急な状況を踏まえた形でどう対応するかということも併せて,それぞれの部局のトップの方との面談をしているところです。また,できるだけ臨時国会までに現場に行き,実際にこの目で仕事ぶりを拝見しながら,そうしたことを集約しながら方針を明確に出して進めてまいりたいと思っています。例えば,前回の記者会見で無戸籍者の問題に関する質問がありました。こうしたことについては一人一人の国民の皆さんの人権に関わることなので,ここは待ったなしの迅速な対応を推進するということです。制度ができたからといって,運用がしっかりとしていなければ,その実が上がらないということですので,その実を上げていくために,その運用の場面でどのような課題,問題があるのかということついて,現場の目線を大事にしながら,私なりに調査をしているところです。いずれにしても臨時国会までに調査や視察をしながら,現場の皆さんの声を十分に聞かせていただきながら方針を出し,そして,国民のために働くというミッションを果たしていきたいと思っています。