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平成29年 記者会見要旨  >  法務大臣閣議後記者会見の概要

法務大臣閣議後記者会見の概要

平成29年9月26日(火)

 今朝の閣議ですが,法務省案件はありませんでした。
 次に,私から2件報告があります。1件目は,先般,御報告したとおり,法務省としては,各府省間の申合せを踏まえ,対外的な文書を含め旧姓使用を認めることとし,その準備を進めてまいりましたが,その準備が整いましたので,本年10月1日から旧姓使用を拡大する運用を開始することとしました。今後は,対外的な文書も含め,職員が旧姓を使用することができるようになります。この取組は女性職員が一層活躍できるよう働きやすい職場環境を整えるための重要な取組の一環であり,適切な運用に努めてまいりたいと考えています。
 2件目は,昨日,「第1回国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議」が開催されました。この連絡会議は,欧米やアジア諸国において,国際的な紛争解決手段として,仲裁手続が活発に利用されていることなどを背景に,我が国における国際仲裁の活性化に向けて必要な基盤整備を図るため,関係行政機関等の連携・協力を確保し,総合的かつ効果的な取組を検討・推進するため,関係行政機関を構成員とし,民間団体等をオブザーバーとして,内閣官房の下に設置されたものです。連絡会議においては,国際仲裁の活性化に向けた取組状況などについて,政府機関及び民間団体から報告などがされたところです。法務省としては,本連絡会議を通じ,我が国における国際仲裁の活性化に向け,経済産業省など関係府省等と連携・協力の上,必要な取組を進めてまいりたいと考えています。

衆議院解散総選挙に関する質疑について

【記者】
 安倍首相が昨日の記者会見で衆院解散を正式に表明しました。8月3日に「仕事人内閣」として発足し,短期間での解散総選挙となることの受け止めと,解散の意義をどのように考えるかお聞かせください。

【大臣】
 8月3日の内閣改造において,法務大臣を再任したところです。しっかりと世界一安全・安心な国づくりのために,オール法務省で全力で取り組んでいるところです。今回の解散の時期や意義につきましての御質問ですが,衆議院の解散の権限は内閣にございます。法務大臣は内閣を代表してお答えをすべき立場にはないため,私から今の御質問に対してお答えをすることは差し控えたいと考えています。

民法の成年年齢の引下げに関する質疑について

【記者】
 今の総理の解散発言に関連してですが,法務省でも臨時国会において,成年年齢の引下げの民法改正,その他,厚労省などの働き方改革など含め,重要法案が結果的に先送りになってしまいます。特に民法については,大臣の就任会見でもしっかり取り組みたいとおっしゃっていました。受け止めについてお願いいたします。

【大臣】
 成年年齢の引下げの問題については,様々な法律が関係するものであり,準備をしっかりとしていくということをかねてより申し上げたところです。その上で,迅速な審議ができるよう準備については,全力で取り組んでいるところです。1日も早く,審議に付されるようにという思いは変わりません。

旧姓使用の拡大に関する質疑について

【記者】
 文書における旧姓使用の件ですが,法務省が関係する一切全てということでしょうか。例えば,訟務局が扱うような裁判所に提出する訴訟の書類や起訴状など,こういった訴訟に関わる文書も含めてという理解でよろしいでしょうか。

【大臣】
 旧姓使用を可能にすることについては,政府を挙げて取り組んでいます。かねてより女性の活躍という観点から,旧姓使用については様々な御意見があり,また,様々な分野で順次進めているところです。今回は,法務省の所管法令上の観点から旧姓使用について認めるという方向で検討し,10月1日からスタートするということです。したがって,今の御質問についても,カバーをするということです。ただ,他府省が所管する案件,例えば,源泉徴収票などの税務関係の書類や共済組合組合員証などの共済関係の書類,公用旅券などについては,現段階においては,旧姓のみの使用が認められないと聞いています。

【記者】
 もう少し狭い範囲で言うと,裁判の書類などは含まれるということでよろしいでしょうか。

【大臣】
 その通りです。

小池都知事の新党代表就任に関する質疑について

【記者】
 小池都知事の「希望の党」立ち上げと代表就任について御所感はいかがでしょうか。

【大臣】
 一連の様々な動きについては,報道等で承知をしているところですが,法務大臣の立場で御質問にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

麻生副総理の武装難民発言に関する質疑について

【記者】
 先週,23日ですが,麻生太郎副総理が宇都宮市内の後援会で朝鮮半島から大量の難民が押し寄せる可能性や「武装難民かもしれない。警察で対応するのか,防衛出動か,射殺ですか,真剣に考えなければならない。」といった発言をされました。新聞やテレビで報道されたんですけれども,これらの発言は,いろいろな意味で問題が大きいと思いますが,朝鮮半島で軍事衝突が起こることや武装集団と難民を混同していること,挙げ句は「射殺ですか」といった難民に対する偏見や憎悪をあおるような,国際法上も国連法上も許されない発言だと思います。難民認定制度やヘイトスピーチに対する啓発を担当されている大臣として,この発言に対してどのように受け止めていらっしゃるのかということと,麻生副総理は,この発言以前にもヒットラーに関する発言などもされています。こういった発言が相次ぐことについて,どのように対処すべきと思っていらっしゃるのか伺います。

【大臣】
 私自身,そのような発言については,一般的な報道等によって承知していますが,その発言がどのような文脈の中で,どのような趣旨に基づいて発言されたのかというところまでは存じ上げていません。法務大臣としてコメントをするということについては,差し控えさせていただきたいと思います。

【記者】
 このことについては,難民申請の代理人をしている弁護士からも申入れがあったようですし,例えば,シリア難民に対して同じような発言をしたらヨーロッパで大変なことになると思うのですが,その重さからして担当大臣として検討すべきだと思います。麻生副総理から直接話を聞くだとか発言を確認するような考えをお持ちでしょうか。

【大臣】
 私がどう対応するかということについては,発言の内容,趣旨,その他を存じ上げていませんので,それに基づいてどのように判断するか,行動するかということについては,お答えは差し控えるべきことであると思っています。もちろん,一般的な取組として条約難民の認定など,真摯に取り組まなければならないと思っています。

ひかりの輪が提起した観察処分期間更新決定取消事件に関する質疑について

【記者】
 昨日,東京地裁で「ひかりの輪」に関する観察処分期間更新決定の取消しをめぐる判決が出ましたが,公安調査庁も含め,それに対する今後の対応について教えてください。

【大臣】
 今回の判決ですが,国にとって大変厳しい判決であると受け止めています。判決内容を十分に検討し,処分行政庁である公安審査委員会や関係機関と調整の上,どのように対応するかを決めてまいりたいと考えています。

成田空港における国外退去命令対象者の逃走事案に関する質疑について

【記者】
 昨日午前に成田空港で入国を拒否されて退去命令を受けたフィリピン人の男性が,出国待機施設に移送中に警備員の隙を見て逃走したという事案が発生しました。現在の状況と今後の対応策についてお聞かせください。

【大臣】
 上陸拒否された外国人については,航空会社がその責任と費用において,返還義務を負っています。本件については,航空会社の委託を受けた民間の警備会社の警備員が,上陸を拒否されたフィリピン人2名を成田空港内の出国待機施設に移送中,1名が逃走して所在が不明になっているものです。現在,東京入国管理局成田支局において,警察と連携し,身柄の確保に向けて鋭意捜査中という報告を受けています。上陸を拒否された者の逃走防止については,これまでも入国管理局から航空会社に指導を行ってきたものと承知をしていますが,本件が発生したことを踏まえ,入国管理局に対しては,本件の経緯を十分に調査した上で,航空会社が身柄確保に責任を持つ場合の十分な警備体制の確保について,航空会社及び警備会社に対する指導を徹底するよう私から指示したところです。
(以上)