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平成29年 記者会見要旨  >  法務大臣臨時記者会見の概要

法務大臣臨時記者会見の概要

平成29年12月18日(月)

 平成30年度予算案について,本日,大臣折衝が行われました。
 折衝の結果,「円滑かつ厳格な出入国審査体制の整備」として163億円,「刑務所出所者等の再犯防止対策の推進」として381億円の予算が認められたところです。1点目の「円滑かつ厳格な出入国審査体制の整備」については,顔認証ゲートの本格導入や空海港施設の拡張等に伴い審査端末機器などの整備を進めるものです。2点目の「刑務所出所者等の再犯防止対策の推進」については,刑務所等での施設内処遇の充実や保護観察対象者等に対する社会内処遇の充実に加え,再犯防止施策推進の土台となる法務省施設の整備を行うものです。
 法務大臣としては,予算案が次期通常国会において速やかに成立することを期待するとともに,認められた予算を最大限活用し,法務省の使命である国民の皆様にとって安全・安心な社会の実現に向け,全力を尽くしてまいる所存です。 

平成30年度予算案大臣折衝に関する質疑について

【記者】
 本日の折衝の結果,認められた項目について,より詳しくお聞かせください。

【大臣】
 まず1点目の「円滑かつ厳格な出入国審査体制の整備」163億円ですが,日本人の出帰国手続への顔認証ゲートを5つの空港に本格導入,外国人の出国手続に顔認証ゲートを利用するための機能改修,空海港施設の拡張等に伴う審査端末機器等の配備,クルーズ船旅客の増大に対応する審査端末機器等の整備,17空港におけるバイオカートの運用,また,外国人出入国情報システムの更新や既存システムの運用・維持管理及びその他経費としてそれぞれ使わせていただきたいと思っています。
 2点目の「刑務所出所者等の再犯防止対策の推進」については,刑務所等の中での施設内処遇の充実として,雇用ニーズに応じた職業訓練の拡充等に充てていきたいと思っています。また,対象者の特性に応じ,高齢者や障害のある方々への対策推進施設等の社会復帰支援の体制,充実強化についても予算を使わせていただきたいと思っています。さらに,保護司,保護観察対象者等の社会内処遇の充実として,保護司制度の基盤整備のために,更生保護サポートセンターを新規で301地区に拡充し,充実強化を更に図ってまいりたいと思っています。
 
【記者】
 全体の予算額はどうでしょうか。

【大臣】
 今回の大臣折衝で重点項目をしっかりとお願いをしたところであり,そのことも踏まえて政府案として最終決定がなされるものと思っています。私どもが期待している予算を確保してまいりたいと思っています。

【記者】
 1番目の「円滑かつ厳格な出入国審査体制の整備」を重点項目に掲げた意義について,大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 今,我が国のインバウンドの状況は,観光立国,観光先進国の推進を図っている中,急速に拡大,増加をしているところです。その折に,日本に入国される海外からのお客様をしっかりとおもてなししつつも,水際でテロ等の危険性について除去しなくてはならないという意味で,厳格な審査が必要な状況になっています。圧倒的にインバウンドが増加する中で,将来,2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され,更にその後,2030年に向けて国としても訪日外国人最終6,000万人の目標を掲げる取組をしています。日本は島国ですので,国外から訪れる皆様は,海空港の各施設を御利用なさって上陸されるわけであり,厳格かつスムーズ,迅速な審査をしていくためには人の配置も極めて重要な要素ですが,それだけでは十分ではありませんので,様々な最先端の機器を活用して,安全管理に万全を期すことが重要であると思っています。実験的に始めた空港における顔認証ゲートが非常にスムーズにいっており,その効果も上がっていますので,それを更に全国のそれぞれの施設に拡げていくことは,喫緊の課題であると認識しており,今回の重点項目の1つとして挙げさせていただきました。
(以上)